この記事をまとめると
■クルマのエンジンには縦置きと横置きの2タイプがある
クルマによってタコメーターの数字が異なる! 「回るエンジン」と「回らない」エンジンの違いとは
■現在の主流は横置きだ
■両者の違いやエンジン搭載方式の歴史を解説
自動車第1号のエンジンは横置きだった
ほとんど気にしたことはないだろうが、クルマのエンジンは、縦置きマウントと横置きマウントの2タイプがある。実際のところ、現状の主流は横置きだが、この方式を採用するにはいくつか条件がある。エンジン横置きが主流となるにいたったエンジン搭載方式の歴史を振り返ってみよう。
自動車の第1号は、カール・ベンツが1886年に作った3輪自動車で、水冷単気筒984ccエンジンをリヤ(というより位置的にはミッドシップ!)に搭載したモデルだった。エンジンは横置き方式。ベルトやチェーンによって、エンジン出力軸と平行に配置されたリヤアクスルに駆動力を伝えていた。
しかし、1900年代に入ると、エンジンを車体前部に縦に置き、プロペラシャフトを介してリヤアクスルに駆動力を伝えるFR方式が一般的となる。車体に対して前後方向に動力を伝え、最後のデファレンシャルギヤの部分で出力を90度変換、後輪を駆動する方法が、その後の主流(圧倒的多数)となったことはよく知られるとおりだ。
では、エンジン横置きのマウント方式が、どの段階で注目され、現代のように広く採用されるようになったのか、気になるところである。
エンジンとミッションをひとつのかたまりと考えて車体前部に搭載し、FF方式としてクルマを企画したのがイギリス人のエンジニア、アレック・イシゴニスである。このクルマが、世の中でよく知られるミニ、1959年に市販された「モーリス・ミニ・マイナー」である。エンジン/ミッションのパワートレイン系をコンパクトにまとめて車体前部に格納。エンジン/ミッションを横置きに搭載して前輪駆動とすれば、動力伝達での方向変換も必要なく、パワートレイン系をよりコンパクトにまとめられるメリットがあった。
ちなみに、ミニはそのメカニズムも含めたパッケージングが斬新な存在として注目され、都市交通における小型車の革新的存在として認知されているが、じつはエンジンを横置きにするFF方式は、ミニの50年以上も前、1904年にアメリカ人のジョン・ウォルター・クリスティによって特許が取られていた。この方式は、当時こそ不発に終わったものの、クリスティはエンジンを横置きにすることで、FF方式を考え出していた。なお、このクリスティ、その後戦史に残る一連の「クリスティ戦車」の生みの親として知られている。
ミニはスペースクオリティ確保の上でシンプルなユニット配置としたが、逆に使用するメカニズムそのものもシンプルにした自動車がVWビートルである。ヒトラーの遺産、フェルディナント・ポルシェの設計で知られるこのモデルは、1938年にプロトタイプが完成。量産されるのは戦後の1945年となってからだが、空冷水平対向横置き4気筒エンジンを縦置きにしてリヤオーバーハングに搭載するRR方式を採用していた。
FRは縦置き、FFは横置きが定番!
さて、こうしてエンジン搭載位置と駆動方式の関係を振り返ってみると、スペース効率、動力伝達効率の視点から、エンジンの搭載方向(縦置き/横置き)が自然と決まっていることがよくわかる。整理してみると、もっともシンプルな構成がエンジン縦置きのFR方式となる。当然ながら、エンジン横置きのFR方式はあり得ない。動力の伝達方向を2度変換しなければならないからだ。逆に言えば、FR方式のエンジンレイアウトは縦置き以外はあり得ない、と言ってよいかもしれない。
逆に、このFR方式から車両のスペース効率(パッケージング効率)を追求していくと、エンジンを横置きにしたFF方式の優位性が浮かび上がってくる。大柄な車体サイズであれば、FR方式でも各部で必要になるスペースの確保に困ることもないが、ミニのサイズになると、エンジン横置きのFFである必然性が一目瞭然で伝わってくる。
では、エンジン縦置きのFFはあり得ないのかといえば、そんなことはない。かつてのアウディが直列エンジンを、そして現在もスバルが伝統的に水平対向エンジンを縦置きにしたFF方式(=4WD方式)を採用し続けている。エンジンは、その構造上、縦方向(クランク軸方向)が長くなり、エンジン縦置きFFの場合は、その分だけオーバーハング量が増え、フロントヘビーの傾向が強まってしまうが、スバルの場合は全長が短い水平対向4気筒を採用したことで、この分のデメリットを最小限にとどめている。
逆に、横置きにしてのエンジン搭載方法は、車体の横幅と関係するだけに、搭載可能な左右幅を確保した車両であれば、採用にあたってほとんど問題はないが、量産車のFF方式を考えると、フロントオーバーハング部への搭載となるだけに、大排気量の大型エンジンを搭載するには不向きである。珍しい例として、ホンダRA271F1(1.5リッターV12を横置き)やランボルギーニ・ミウラ(4リッターV12を横置き)があるが、いずれもミッドシップ方式で、量産車の車体前部に搭載する手法とは事情が異なっている。
縦置きか、横置きか、エンジン搭載方向によるメリット、デメリットは、搭載方向そのものではなく組み合わせる駆動方式と関係する問題で、駆動メカニズムやサスペンションメカニズムのシンプル化、重量バランスなど、重量物を車体に搭載するにあたって発生する問題に、どうやって対処するかにかかっている。実際のところ、FRはエンジン縦置き、FFはエンジン横置きとするのが定番であり、理にかなった方法である言えるだろう。
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