現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 国産車では絶滅寸前!? 便利なリアガラスハッチ搭載車が激減したワケ

ここから本文です

国産車では絶滅寸前!? 便利なリアガラスハッチ搭載車が激減したワケ

掲載 更新 20
国産車では絶滅寸前!? 便利なリアガラスハッチ搭載車が激減したワケ

■あると便利な「開閉式リアガラスハッチ」

かつてのステーションワゴンやSUV、ミニバンなどに多く見られた「分割開閉式リアガラスハッチ」ですが、近年では装着車が減っています。

トヨタ車が100万円以下!? シエンタより小さい 人気ミニバン「カリヤ」とは

 国産車では日産「セレナ」やトヨタ「ランドクルーザー」、輸入車ではBMW「3シリーズ ツーリング」「5シリーズ ツーリング」などに採用されていますが、なぜ激減してしまったのでしょうか。

 1990年代から登場し始めた都市型SUVや、同時期から2000年代にかけて大流行したステーションワゴンなどによく見られた分割開閉式リアガラスハッチ。

 大きなリアゲート(バックドア)を開かなくてもガラスハッチ部分だけが開閉でき、ラゲッジルームにある荷物の出し入れができる便利な機能です。

 ホンダ初代「CR-V」などにも装備されていましたが、同車はリアゲートが横開きのため、ちょっとした荷物はガラスハッチの開閉だけで積み込めることから好評でした。

 ミニバンで唯一リアガラスハッチが設定されているセレナを販売する、日産ディーラーのスタッフは次のようにいいます。

「日産では『デュアルバックドア』と呼んでおりますが、ラゲッジルームの使い勝手の良さを表現する装備のひとつとして紹介させていただいております。

 ただセレナの場合は、居住空間の広さや『e-POWER』などセールスポイントが多く、ガラスハッチの有無で選ばれている印象は多くないですが、お客さまからは駐車場などで有効で便利な装備だと好評をいただいております」

 実際に開閉式リアガラスハッチ装着車のオーナーに聞くと、「荷物の出し入れがしやすい」「後ろが限られたスペースでも荷物の出し入れが可能」「車内が換気できる」「ラゲッジルームに荷物をたくさん積み込むことができる」といったメリットがあるといいます。

 開閉式リアガラスハッチのメリットは、ラゲッジスペースへのアプローチのしやすさを最初に挙げる人が多いようです。

 大きなリアゲート(バックドア)を全開しないで済むのは、駐車場や狭い場所などでは非常に便利です。

 デメリットについては、「ラゲッジスペースが深すぎて、ガラスハッチからでは床の荷物に手が届かない」「荷物の大きさによってはガラスハッチから出し入れできない」といったことも挙げられました。

 ミニバンの場合はフロアが低く設定されていることから、ガラスハッチの高さから荷物に手が届かないケースがあります。

 上半身を突っ込んで低いフロアの荷物を取り出すなら、大きなバックドアを開けたほうが早そうですし、積載物の大きさによってはガラスハッチの開口部では取り出せないケースも出てくるでしょう。

■ガラスハッチ減少はコストとボディ剛性の問題か?

 現在ではあまり注目されていない装備のひとつとなっている開閉式リアガラスハッチですが、装着車が減った理由は何なのでしょうか。自動車業界関係者は、次のようにいいます。

「まず大きな理由のひとつは、製造コストの問題だと思います。リアゲートを分割式にするより1枚のゲートにしたほうが、当然ながら製造コストは安くできます。

 またボディ剛性の確保にも関連してくるかもしれません。分割されたリアゲートより1枚の強度を持ったゲート(ドア)のほうが、当然ながらボディ剛性を確保しやすいという側面があります」

 開閉式リアガラスハッチはパーツ点数が増える分だけ製造コストが高くなってしまい、後ろからの衝突などでリア周りを修理する場合には余計に費用がかかってしまう可能性も高いでしょう。

 ラゲッジスペースをあまり活用しないユーザーにとっては、メリットが少ないかもしれません。

 その一方で、BMW「3シリーズ ツーリング」に乗るオーナーは次のようにいいます。

「ミニバンのようなにフロアが低すぎて物が取れないという問題もなく、リアゲートを全開にしたときにラゲッジスペースから荷物が落ちてしまうこともなくなり、趣味の釣具の小物などを紛失する心配がかなり減りました」

 仕事や趣味の道具をラゲッジスペースにたくさん積むオーナーにとって、開閉式リアガラスハッチはかなり利便性が高いといえます。

※ ※ ※

 開閉式リアガラスハッチではありませんが、ホンダ「ステップワゴン」で採用された「わくわくゲート」と呼ばれる分割式横開き式補助ドアは評判も良かったのですが、2020年におこなわれた一部改良では非装着車も設定されました。

 しかしわくわくゲートを実際に使ってみると意外に便利で、残してほしい装備のひとつであるといえます。

 また、ジープの人気車種「ラングラー」と「グランドチェロキー」はガラスハッチを採用しています。国産車では減少していますが、海外においては需要がある装備なのかもしれません。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

メルセデスベンツ、新型EVバス『eIntouro』発表…欧州初の無線更新可能なバスに
メルセデスベンツ、新型EVバス『eIntouro』発表…欧州初の無線更新可能なバスに
レスポンス
ホンダ新型「N-BOX」登場! 史上初「映える」凄い“オシャ内装”採用! めちゃ便利な「画期的な機能」も搭載! リラックスできて“テラス気分”な「軽バン」とは?
ホンダ新型「N-BOX」登場! 史上初「映える」凄い“オシャ内装”採用! めちゃ便利な「画期的な機能」も搭載! リラックスできて“テラス気分”な「軽バン」とは?
くるまのニュース
ダイハツ、タフトを一部改良 法規対応で安全装備を追加 価格は6%値上げ
ダイハツ、タフトを一部改良 法規対応で安全装備を追加 価格は6%値上げ
日刊自動車新聞
「中古車を買いに来たら『支払総額表示』で売ってくれませんでした、詐欺ですよね?」 「別途費用が必要」と言われることも…! 苦情絶えないトラブル、どんな内容?
「中古車を買いに来たら『支払総額表示』で売ってくれませんでした、詐欺ですよね?」 「別途費用が必要」と言われることも…! 苦情絶えないトラブル、どんな内容?
くるまのニュース
どんな違いがあるのか!? 通常モデルとは違う仕様が用意されている中型バイク3選
どんな違いがあるのか!? 通常モデルとは違う仕様が用意されている中型バイク3選
バイクのニュース
日本発の「ペダル踏み間違い防止装置」、世界標準へ…国連が基準化
日本発の「ペダル踏み間違い防止装置」、世界標準へ…国連が基準化
レスポンス
写真で見るニューモデル 光岡「M55ゼロエディション」
写真で見るニューモデル 光岡「M55ゼロエディション」
日刊自動車新聞
旧ビッグモーター、車両の修理不正もビッグに8万件、補償総額数十億円も[新聞ウォッチ]
旧ビッグモーター、車両の修理不正もビッグに8万件、補償総額数十億円も[新聞ウォッチ]
レスポンス
フェルスタッペンとのタイトル争いは“敗北濃厚”も……今季の戦いで自信深めたノリス「優勝争いに必要なものを持っていると言えるようになった」
フェルスタッペンとのタイトル争いは“敗北濃厚”も……今季の戦いで自信深めたノリス「優勝争いに必要なものを持っていると言えるようになった」
motorsport.com 日本版
フェラーリ『ローマ』後継の新型スーパーカー、車名は『アマルフィ』が最有力!
フェラーリ『ローマ』後継の新型スーパーカー、車名は『アマルフィ』が最有力!
レスポンス
注目が集まる角田裕毅の2025年シート「僕はレッドブルの一員なのでここにいます。ホンダとは話をしていません」
注目が集まる角田裕毅の2025年シート「僕はレッドブルの一員なのでここにいます。ホンダとは話をしていません」
motorsport.com 日本版
次の「黄バイ」はBMW? 首都高専用パトロールバイク「F900XR」がカッコ良すぎる!
次の「黄バイ」はBMW? 首都高専用パトロールバイク「F900XR」がカッコ良すぎる!
くるくら
まさかの「RAV4“軽トラ”」登場!? ド迫力の“真っ黒顔”がスゴすぎる! オフロード感強調の「SPIEGELカスタム」どんなモデル?
まさかの「RAV4“軽トラ”」登場!? ド迫力の“真っ黒顔”がスゴすぎる! オフロード感強調の「SPIEGELカスタム」どんなモデル?
くるまのニュース
これはクセスゴ!!  オーナー自作多数のホンダ「CT125・ハンターカブ」カスタム発見!!
これはクセスゴ!! オーナー自作多数のホンダ「CT125・ハンターカブ」カスタム発見!!
バイクのニュース
[15秒でわかる]アキュラ『ADX』新型…内外装はスポーティかつ高級な印象に
[15秒でわかる]アキュラ『ADX』新型…内外装はスポーティかつ高級な印象に
レスポンス
アルピーヌは東京オートサロン2025で3台のA110を披露
アルピーヌは東京オートサロン2025で3台のA110を披露
カー・アンド・ドライバー
WRCラリージャパン2024が開幕、4日間の熱い戦い トヨタ逆転優勝なるか
WRCラリージャパン2024が開幕、4日間の熱い戦い トヨタ逆転優勝なるか
日刊自動車新聞
【スクープ!】AMG製電動スーパーSUVデビュー間近!メルセデスAMGが新型電動SUVを開発中!
【スクープ!】AMG製電動スーパーSUVデビュー間近!メルセデスAMGが新型電動SUVを開発中!
AutoBild Japan

みんなのコメント

20件
  • 「かもしれません」
    「と思います」
    ちゃんと取材して信念を持った記事を書けよ。
  • メリットの「車内が換気できる」って何よ?
    走行中に開けてるって事か??
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

271.9503.6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1.0488.8万円

中古車を検索
セレナの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

271.9503.6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1.0488.8万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村