これまでの常識では、新車を購入してから納車までの期間はせいぜい1か月程度、人気のクルマだったり、特殊なオプションを選択したりして納期が長引いた場合でも、せいぜい2~3か月というところでした。しかし、昨今では半年程度は当たり前で、1年を超えることもめずらしくありません。いったい何が起こっているのでしょうか?
●長納期の原因は、半導体やワイヤーハーネスの不足?
現在、新車を購入しようとすると、必ずと言っていいほど納期についての説明を受けることになります。車種にもよりますが、3か月以内に納車されれば良い方で、多くの場合半年~1年、人気車種では1年以上という案内を受けることもあります。
トヨタ・ランドクルーザーやその兄弟車であるレクサス・LXにいたっては、4年という“超長納期”となっていると言います。フェラーリやロールスロイスのような、オーダーメードに近い形でクルマを生産するブランドに関しては、これまでもオーダーから納車までの期間が1~2年程度というケースがありました。しかし、いわゆる量販車でこれほどの長納期となることはめずらしく、さらには納車予定の後ろ倒しも頻発しているなど、異常事態と言わざるを得ない状態となっています。
納車が遅れている理由については、それぞれ個別の事情がありますが、世界的な傾向としては大きくわけて2つの要因があると考えられています。
1つは、すでに1年以上にわたって問題となっている半導体の不足です。電子制御がもりだくさんとなっている現代のクルマには、半導体が欠かせません。しかし、新型コロナウイルスの流行によって、リモートワークを行うためのPC需要が増加したことや、いわゆる「巣ごもり需要」によって家庭用ゲーム機などが飛ぶように売れたことによって、半導体の供給が追いついていないという状況です。
2つめは、昨今のウクライナ危機によって、クルマの主要部品のひとつであるワイヤーハーネスの生産量が低下してしまったことです。多くの人にとってはあまり馴染みのない部品ですが、電子部品同士をつなぐ重要な役割を担っており、クルマにとっての神経や血管とも言われる部品です。ウクライナで生産されるワイヤーハーネスは、おもに欧州車に使われるため、欧州車の納期に影響を与えると考えられていますが、この状況が長引けば国産車への影響も大きくなりそうです。
半導体もワイヤーハーネスも、現代のクルマには必要不可欠なものであり、車種を問わず使用されているものです。簡単に代用がきくものではないため、これらの部品の調達のめどが立たない限り、納車も遅れてしまわざるを得ない状態です。
ほかにも、海外の生産工場がコロナのロックダウンに巻き込まれたり、ウクライナ危機では排ガスの触媒に必要なパラジウムの不足が、欧州車を中心に指摘されています。また、樹脂や様々な部品でも生産遅延が発生。今のところクルマの納期遅延はいっこうに解消する気配を見せていないというのが現状ではないでしょうか。
●ランクルやジムニーの納期が長い、特殊な事情とは
新型コロナウイルス感染症もウクライナ危機も、自動車メーカーにとっては簡単に予測できたものではありません。そのため、自動車メーカーやディーラーばかりを責め立てても、根本的な解決にはいたりません。
一方で、新型コロナウイルス感染症やウクライナ危機とは直接関係がないにもかかわらず、長納期となってしまっている車種もあります。その代表的な例が、ランドクルーザーやジムニーです。
2022年3月現在、4年という納期が案内されるというランドクルーザーですが、大きな理由となっているのが、おもに中東地域での高い需要です。現代のランドクルーザーは、高級感のある内装も大きな魅力であることは間違いありませんが、やはりランドクルーザー最大の特徴は、世界屈指の悪路走破性能にあります。
ランドクルーザーの販売台数のうちおよそ半数は中東地域に、ランドクルーザーの販売台数のうちおよそ半数は中東地域に、そして残りの半分のほとんどがオーストラリアなどとなっています。これらの国や地域では、単にファッションとしてランドクルーザーが人気というわけではなく、広大な砂漠や草原、岩山など「ランドクルーザーでなければ通れない道」が多く存在します。
そのため、生産台数における日本への割り当てが、そもそも少ないという事情があります。これは日本市場を軽視しているというよりは、生きるためにランドクルーザーが必要な人を優先していると考えるべきでしょう。
軽自動車でありながら高い悪路走破性能を持つジムニーも、趣味のためのクルマとしてジムニーを求める人よりも「ジムニーでなければ通れない道」を走る人、例えば、林業に携わる人などへと納車することが第一優先だったようです。
また、ジムニーの場合、軽乗用車と同じ工場でラインを分け合って生産しているため、ジムニーの生産台数を増やすと、軽乗用車の生産台数が減少してしまうという事情もありました。地方の人々の生活を支えることを最重要視してきたスズキにとって、軽乗用車を優先して生産することは当然のことと言えそうです。
このように、車種ごとの事情やメーカーの方針によって、長納期を余儀なくされてしまうこともあるようです。
●納期優先なら在庫車や中古車から検討を!
趣味のためのクルマであれば、「待つ時間も楽しみのひとつ」と言えるかもしれません。しかし、クルマは、生活のための重要な道具という側面も強く、納車までに長い時間がかかったり、納車のタイミングが不明瞭だったりすると、日常生活に支障をきたしてしまうかもしれません。
そうなると、納期優先でクルマを検討することも必要となってきます。現在、長納期となっているのは、これから生産する予定のクルマであり、すでに生産済みのものであれば、納車までの時間はそれほどかからない場合もあります。車種やグレード、仕様などはある程度限られてしまいますが、在庫車の中から検討するのもひとつの手でしょう。
同様に、中古車もすでに流通しているものであれば納車までにそれほど長い時間はかかりません。ただし、現在では「即納」できること自体がひとつの価値となっているため、中古市場の相場は高止まりしています。そのため、予想以上の出費となるかもしれないことは想定しておく必要があります。
新車にせよ中古車にせよ、これまでのイメージは通用しないということは理解しておかなければなりません。未来予測が困難な時代だからこそ、事前に複数の見積もりをとるなどして、しっかりと比較検討することが重要と言えます。
文:ピーコックブルー
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