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ダイハツ・ロッキー・プレミアムG HEV試乗 ライバル「eパワー」とまったく違う性格に

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ダイハツ・ロッキー・プレミアムG HEV試乗 ライバル「eパワー」とまったく違う性格に

手堅いモデルのハイブリッド

ここまで違うとは想定外。

<span>【画像】ハイブリッドの新ロッキー【ライバルeパワー勢と比較】 全136枚</span>

何と違うかといえば、トヨタライズ」とダイハツロッキー」に新たに加わったハイブリッドと、日産のハイブリッドである「eパワー」を比べての印象。

走りのフィーリングがまったく違うのだ。

まずは状況を整理しよう。

ライズとロッキーは、2020年1月にSUVとしてはじめて日本の月間新車販売ランキングでナンバー1に輝いたほどの人気モデル。

全長4mを切るコンパクトボディ(にもかかわらず後席と荷室が広いのだから驚異的なパッケージングだ)とリーズナブルな価格がセールスポイントになっている。

そんな「手堅いモデル」にハイブリッドが加わるところまでは、想定内といえるだろう。

2021年11月に、先進安全機能をバージョンアップするなどデビュー2年目のマイナーチェンジを迎えると同時にハイブリッドが加わったのだ。

しかも、驚いたのはそのハイブリッドシステム。トヨタが「アクア」や「ヤリス」をはじめ多くのモデルに展開している「THSII(トヨタ・ハイブリッド・システムの2世代目)」ではなく、全く異なるシステムを組み合わせたのだ。

THSIIはエンジンの動力とモーターの力をバランスよくミックスさせて使うのが特徴。

しかし「eスマート」と呼ぶ今回が初採用となるハイブリッドは、エンジンを発電機としてだけ利用。

そこで起こした電気を使って、モーターだけで駆動力を生み出す仕掛けだ。いわゆる「シリーズハイブリッド」である。

「エンジン感」ある仕上がり

それって日産の「eパワー」と同じじゃないの?

実はそのとおりである。システムの概念や機能としてはまったく同じ。

この仕掛けは世界的にも珍しく、かつてトヨタがマイクロバスの市販モデルへ実験的に採用していたことはあるものの、市場を広げて一般化させた実質的な先駆者といえるのは日産だ。

だからライズとロッキーがそのハイブリッドを採用してきたとなれば、やっぱり日産式と比べたくなってしまうし、それがわかりやすい。

そこでeパワーとの違いを探るのを中心に試乗してみた。

その印象が冒頭の「ここまで違うとは想定外」というわけである。

何が違うのか?

ひとことでいえば、「モーター走行感覚が強くてあたかも電気自動車」なeパワーに対してライズ&ロッキーは「エンジン車のような乗り物」。

言い換えれば「運転感覚に先進性が強いeパワーに対してライズ&ロッキーはガソリン車から乗り換えても違和感なし」ともいえる。

eパワーの狙いはエンジンの感覚を無くすことであり、システム的に近い三菱のPHEVやホンダの「e:HEV」も同じ方向性だ。

しかしライズ&ロッキーはそうではない。

エンジン車のような感覚をもたらす理由はどこか。

それはエンジン音だ。

eパワーをはじめ前出のシステムは、エンジンの存在感を拭おうとエンジンを止める範囲をできるだけ広くしている。

そしてエンジンがかかっても、なるべく回転数を上げることなくエンジンが目立たないようにしているのだ。

でも、ロッキー&ライズは違う。

「先進性」より「良質廉価」を

ライズ&ロッキーはアクセル開度(必要とされる出力)に応じてリニアにエンジン回転が上昇。

それに応じてエンジン音も大きくなるから、エンジン車を運転している感覚に近いのだ。

もちろん、ライズ&ロッキーも停止状態からの発進などはモーター車ならではの滑らかさがあるし、低速走行時(約40km/hまで)はバッテリー残量さえあればエンジンを止めて走るからそこではしっかりハイブリッドらしさを感じる。

しかし、全体的な印象はかなりガソリン車である。

また、爽快感とか運転する楽しさでも違いがある。

率直にいえば、この部分に関しては日産が大幅にリード。

加速がシャープかつアクセルを大きく踏む混んだ際のどこまでも突き抜けるような伸びやかさや盛り上がりがあって、走って楽しいモーター駆動車に仕立ててある。

しかし、ライズ&ロッキーの加速にそこまでの鋭さはなく、あくまで実用エンジンを積んだガソリン車の延長線上だ。

果たして、モーター車らしくない走りに仕立てた背景はどこにあるのか。

その答えははっきりしている。

ドライバビリティで先進性アピールするよりも良品廉価な商品作りを目指したからだ。

eパワーのようにエンジン回転をなるべく低く抑えるのも、モーターのパワーを急激にさく裂させるのも、バッテリー容量に余裕があってはじめて実現できる。

しかし、バッテリーは高価だから車両価格を下げるためには可能な限り少ない容量としたい。

その選択において、ダイハツは後者を選んだのだ。

eパワーとは違うダイハツの正義

とはいえ、そんなライズ&ロッキーが商品として悪いというつもりはまったくない。

そもそもハイブリッドを積んだ目的はドライバビリティの向上ではなく燃費性能アップであり、その目的はしっかりと達成しているからだ。

試乗会でのざっくりとした計測だが、ほぼ同じルートを走ってガソリン車(1.2L自然吸気)が17km/L程なのに対し、ハイブリッドは約23km/Lと向上しているのだ。

そのうえ、値段を抑えたことにも正義がある。多くの人に届けようという目的はしっかり果たせていると断言できる。

燃費が良くて価格も安い。だから商品性が高い。

それがライズ&ロッキーのハイブリッドなのだ。

ところで、今回のマイナーチェンジではもう1つ新しいパワーユニットが加わっている。

1.2L自然吸気エンジンだ。

FFモデルで従来の1.0Lターボに代えて加わったこのエンジンは「価格を抑えるためにダウングレードしたユニット」と期待していなかったのだが、試乗して驚いた。

かなりいいのだ。

もちろんターボほどのエネルギーはないけれど、予想以上によく走るのである。

トルク重視のエンジン特性としたのが正解だろう。

そのうえ今回の試乗会で、燃費を意識することなくフツーに乗っての17.0km/Lという燃費も十分な実力。

これはこれで、かなりおススメである。

ダイハツ・ロッキー・プレミアムG HEVのスペック

価格:234万7000円
全長:3995mm
全幅:1695mm
全高:1620mm
ホイールベース:2525mm
車両重量:1070kg
パワートレイン:水冷直列3気筒 1196cc+モーター
最高出力:82ps/ 5600rpm
最大トルク:10.7kg/3200-5200rpm

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みんなのコメント

18件
  • そもそもロッキーは良品廉価が売りだしバッテリー容量やらコスト問題などで、特性が違うのは別に問題はない。
    その分ちゃんと安いし。
  • ノートのような電動感を期待して買うと後悔しそう。
    燃費が良く廉価なHVだと割り切って買えば期待通りだろう。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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