現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 大人気の「リトラクタブルヘッドライト」なのにミスマッチ! 流行に乗れずコケた4台

ここから本文です

大人気の「リトラクタブルヘッドライト」なのにミスマッチ! 流行に乗れずコケた4台

掲載 更新 24
大人気の「リトラクタブルヘッドライト」なのにミスマッチ! 流行に乗れずコケた4台

 この記事をまとめると

■人気のリトラクタブルヘッドライトを採用したが不発だったクルマを紹介

リトラクタブルが普通に見える! 変わり種ヘッドライトのクルマ8選

■デザインの賛否が分かれるクルマになってしまい成功できなかった

■チャレンジ精神旺盛で車種を変えてチャレンジしたモデルもあった

「どうもしっくりこない」けどそのまま商品化に踏み切った

 1970年代のスーパーカーブームにおいて、スポーツカーの必須アイテムとして認知されるようになったのが格納式の「リトラクタブルヘッドライト」だ。スーパーカーブーム後、その採用は国産車にも広がっていく。

 そうして生まれたリトラ採用モデルの中には「なんでリトラクタブルヘッドライトにしたの?」と感じてしまうデザインもなくはない。ここでは、そんな忘れられつつあるリトラクタブルヘッドライト車4台を紹介しよう。

 まずは、1986年にフルモデルチェンジしたトヨタのターセル/コルサ/カローラIIに設定されてスポーティグレード「リトラGPターボ」から。

 このモデル自体は、1987年に公開された映画『私をスキーに連れてって』で主人公・矢野文男(演じたのは三上博史さん)の愛車としてカローラII版が登場したことでよく知られている。映画では、セリカGT-FOURが主役級の活躍をするが、カローラIIのセリカを前後に潰したようなチョロQ的なスタイリングは、どこかユーモラスで、冴えないサラリーマン矢野というキャラ付けにもマッチした選択だった。

 実際、ターセル/コルサ/カローラIIの名前をつなげた略称「タコII」と呼ばれていたハッチバック車は、いまでいえばアクアのような立ち位置の実用モデルであって、最高出力110馬力のターボエンジンを積んでいたとはいえ、リトラクタブルにして空力を稼ぐほどのパフォーマンスは持っていなかった。そもそもスタイリング的にもノーズが低いわけではなく、リトラクタブルの意味はなかったが、インタークーラーを冷やすインテークを持つボンネットとリトラクタブルの組み合わせは、当時はホットに感じられたのも事実だ。

 人気のリトラクタブルヘッドライトを採用しても浮くだけだった

 同じく、空力的な意味が感じられなかったリトラクタブル搭載車が、1981年に登場したマツダ・コスモだ。2ドアクーペ、4ドアハードトップが用意されたコスモは、見ての通りリトラクタブルヘッドライトを与えられたグリルレスのフロントマスクとなっていた。

 カバーが上昇すると4灯ヘッドライトが出てくる様子はスポーティであり、ロータリーエンジンも設定するコスモのディテールとしてはけっしておかしな選定ではなかったが、はっきり言って評判は芳しくなかった。結果として、1983年には固定式ヘッドライトと立派なグリルを持つフロントマスクに変身。まさに自他ともに認める、リトラクタブルヘッドライトの採用がクルマのキャラクターと合わない失敗例の代表モデルとなってしまった。

 コスモの失敗に懲りず、1989年にマツダは実用車のリトラクタブルヘッドライト採用にチャレンジする。それがファミリア・アスティナとユーノス100の兄弟車だ。

 同じタイミングでユーノス・ロードスターもローンチしていたこともあって、マツダのスペシャリティカーとしての統一感を狙ったという部分もあるのだろうが、Aピラーから後ろは実用ハッチバックのフォルムで、顔つきだけスポーツカーのそれというのは、どうにもミスマッチだった。

 そんなこともあって人気が高まることもなく、両モデルとも5年弱でフェードアウトすることになってしまった。

 このあたりからリトラクタブルヘッドライトは、本当にスポーツカーだけの装備という位置づけになっていく。そうした中でセミリトラクタブルヘッドライトというアイテムによって個性を発揮しようとしたのが、1991年にフルモデルチェンジをした、いすゞピアッツァだ。

 同社のオリジナル乗用車としては最後の世代となるピアッツァは、丸目4灯を少しだけ隠したセミリトラフェイスが特徴だった。これは基本設計を同じくする、同社のPAネロでも採用されたアイデアだったが、なぜかピアッツァのセミリトラは半目を閉じたような、どこかファニーな印象もある顔つきで、残念ながら有終の美を飾るような販売実績は残せなかったと記憶している。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

[車検]費用が増える? 2024年10月より車検での[OBD検査]を本格運用へ
[車検]費用が増える? 2024年10月より車検での[OBD検査]を本格運用へ
ベストカーWeb
即納って不人気車なの!? なんでそんなに待たなきゃならん!? [納期]にまつわる素朴なギモン
即納って不人気車なの!? なんでそんなに待たなきゃならん!? [納期]にまつわる素朴なギモン
ベストカーWeb
いまさら人には聞けない「ベンチレーテッドディスク」と「ディスク」の違いとは? ブレーキローターの構造と利点についてわかりやすく解説します
いまさら人には聞けない「ベンチレーテッドディスク」と「ディスク」の違いとは? ブレーキローターの構造と利点についてわかりやすく解説します
Auto Messe Web
ラリージャパン2024開幕直前。豊田スタジアムやサービスパークの雰囲気をお届け/WRC写真日記
ラリージャパン2024開幕直前。豊田スタジアムやサービスパークの雰囲気をお届け/WRC写真日記
AUTOSPORT web
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
AUTOSPORT web
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
AUTOSPORT web
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
AUTOCAR JAPAN
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
乗りものニュース
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
motorsport.com 日本版
メルセデスAMGが待望のWEC&ル・マン参入! アイアン・リンクスと提携、2025年LMGT3に2台をエントリーへ
メルセデスAMGが待望のWEC&ル・マン参入! アイアン・リンクスと提携、2025年LMGT3に2台をエントリーへ
AUTOSPORT web
TCD、モータースポーツ事業を承継する新会社『TGR-D』を2024年12月に設立へ
TCD、モータースポーツ事業を承継する新会社『TGR-D』を2024年12月に設立へ
AUTOSPORT web
ウイリアムズとアメリカの電池メーカー『デュラセル』がパートナーシップを複数年延長
ウイリアムズとアメリカの電池メーカー『デュラセル』がパートナーシップを複数年延長
AUTOSPORT web
“650馬力”の爆速「コンパクトカー」がスゴイ! 全長4.2mボディに「W12ツインターボ」搭載! ド派手“ワイドボディ”がカッコいい史上最強の「ゴルフ」とは?
“650馬力”の爆速「コンパクトカー」がスゴイ! 全長4.2mボディに「W12ツインターボ」搭載! ド派手“ワイドボディ”がカッコいい史上最強の「ゴルフ」とは?
くるまのニュース
フェラーリ育成のシュワルツマンが陣営を離脱。2025年はプレマからインディカーに挑戦
フェラーリ育成のシュワルツマンが陣営を離脱。2025年はプレマからインディカーに挑戦
AUTOSPORT web
スバルBRZに新たな命を吹き込む 退役軍人のセカンドキャリアを支援する英国慈善団体
スバルBRZに新たな命を吹き込む 退役軍人のセカンドキャリアを支援する英国慈善団体
AUTOCAR JAPAN
オープンカー世界最速はブガッティ!「ヴェイロン」より45キロも速い「453.91km/h」を樹立した「W16ミストラル ワールドレコードカー」とは?
オープンカー世界最速はブガッティ!「ヴェイロン」より45キロも速い「453.91km/h」を樹立した「W16ミストラル ワールドレコードカー」とは?
Auto Messe Web
リバティ・メディアCEOマッフェイの退任、背景にあるのはアンドレッティとのトラブルか
リバティ・メディアCEOマッフェイの退任、背景にあるのはアンドレッティとのトラブルか
AUTOSPORT web
『ローラT92/10(1992年)』“賃貸住宅ニュース”で強いインパクトを残した新規定グループCカー【忘れがたき銘車たち】
『ローラT92/10(1992年)』“賃貸住宅ニュース”で強いインパクトを残した新規定グループCカー【忘れがたき銘車たち】
AUTOSPORT web

みんなのコメント

24件
  • ファミリア・アスティナとユーノス100のデザインはまとまっていたと思うがな
  • 何故リトラクタブルヘッドライトが消滅したかも記事に書かないと、あたかも不人気だけでその車種が消滅したかのようになってしまう。
    タコⅡは近未来的なデザインで悪くなかった。
    アスティナはそこそこ売れていたけど、当時のマツダの無謀な販売チャンネル拡大での多車種販売により、アスティナとしての販売台数が伸びなかった。
    コスモのデザインは時代がついて来なかった。
    少し攻め過ぎたのかも、性能や燃費についてはあえてノーコメントとしたい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

81.8152.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

33.063.0万円

中古車を検索
カローラIIの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

81.8152.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

33.063.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村