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超ド級「IS F」復活か!? レクサスが新型「IS」の改良を大々的にアピールするワケ

掲載 更新 75
超ド級「IS F」復活か!? レクサスが新型「IS」の改良を大々的にアピールするワケ

■当初予定より1週間遅れたワールドプレミア

 大胆なマイナーチェンジ(MC)を受けたレクサス「IS」が、2020年6月16日に世界初公開されました。前回のフルモデルチェンジ(FMC)から7年目の出来事です。

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 外観をはじめ、さまざまな部分が刷新されましたが、改良を受けたことによってある派生モデルの復活も囁かれています。改良を受けた新型ISの現在と未来は、いったいどのようになっているのでしょうか。

 トヨタグローバルサイトで新型ISのティザーが出たのは2020年6月1日。6月10日にアメリカ発のデジタルカンファレンス開催、との内容でした。

 しかし、その5日後の6月6日、「現在の世界情勢に鑑み」と但し書き付きで急遽、開催延期を通告。そして日本時間の6月16日朝8時からの情報公開となりました。

 そんなこともあって、新型ISへの期待は日米だけではなく、世界各地で高まっていきました。

 新型ISのボディスタイルは、クーペっぽい雰囲気が増し、19インチタイヤ採用での力強さを感じるなど、確かに新しさを感じます。走りについてもかなり手を加えたといいます。

 しかし、プラットフォームもエンジンも先代からのキャリーオーバーであり、いわゆるビックマイナーチェンジ。日本での発売は、2020年秋頃の予定です。

 そのうえで、レクサスは今回の新型ISがレクサスの未来に対する挑戦であり、新たなるレクサスのスターティングポイントであると強調します。

 また、レクサスが追求する乗り味を表す言葉として、ドライバーの意図に対して忠実でリニアな応答を実現するという「レクサス・ドライビング・シグニチュア」という表現も、新型ISの訴求に使われています。

 今回のIS登場の背景には、いったいなにがあるのでしょうか。

 その答えにつながる体験を、筆者(桃田健史)は2019年11月、トヨタ東富士研究所(静岡県裾野市)でしています。

「レクサスとして、こうした開発中の技術をメディアの皆さんに一気に体験して頂くのは、30年間に渡るレクサス史上で初のことです」

 当時レクサスインターナショナルのエグゼクティブ・バイス・プレジデントで、現在は同プレジデントとなった佐藤恒治氏は20数人の日本人メディア関係者を前に、そう話しました。その前日はアメリカなど海外からのメディア関係者を招いたといいます。

 この日、さまざまな開発中モデルに試乗したり、新技術を体験しましたが、そのうちこれまで情報公開されているのは、レクサス初のEVである「UX300e」と、「ES」のハイブリッド車ベースの後輪電動モーター「e-アクスル」装着車(テストカー)の2台についてだけです。

 各種体験のなかで感じたのは、レクサスの「攻めの姿勢」です。

 さらにいえば、「これからのレクサスを、我々はこうしていこうと決めた」という、強い決意を感じました。「吹っ切れた」、そんなイメージでもありました。

■“迷い”を振り切ったレクサスが送り出す次の一台とは

 換言すると、レクサスには、この少し前まで「迷いがあった」といわざるを得ません。

 レクサスの歴史を振り返ると、初期にあったのはやはり、メルセデス・ベンツやBMWなど独プレミアムブランドに対するチャレンジ精神です。

 モデルラインアップとしても、メルセデスベンツのS・E・Cクラス、BMWの7・5・3を事実上のベンチマークとして、レクサスはLS・GS・ISを軸足として構成。

 また、レクサスの主力市場アメリカで1990年代後半から2000年代にかけてのSUVブーム。さらに2000年代から2010年代にかけてのSUVシフトへの対応に追われました。

 そうしたトレンドが飛び火した中国市場でも、世界中のプレミアムブランドとの競争が激化するなか、中国政府の動向を気にしながら対応策を練ってきました。

 一方、日本市場では導入当初、レクサス側の想定以上に、富裕層の欧州プレミアムブランドに対する忠誠心を切り崩すのに苦労したという経緯もあります。

 2010年代中盤に入ると、ライフスタイルブランドとしてのアピールを強化。「アメイジング・エクスペリエンス(心躍る新しい体験)」というキャッチコピーも採用しています。

 そしていま、CASE(コネクティビティ、自動運転、シェアリングなど新サービス、電動化)に代表される大規模な技術革新の波のなかで、日本を含め世界中で「人とクルマ」「クルマと社会」「社会とクルマ」との関係が大きく変わり始めています。

 レクサスとしても明らかに、大きな転換期、次世代に向かうための岐路に立っているのだと感じます。

 そうした状況で、レクサスは「これからのレクサスがどうあるべきか」と、自問自答を繰り返すなかで導き出したのが、「基本に戻り、レクサスとしてやれることを、とことんやる」という原点回帰なのだと思います。

 そのためにも、独ニュルブルクリンクを参考とし、高低差75m・全長5.9kmの過酷なレイアウト設定を実現したトヨタテクニカルセンター下山(愛知県豊田市下山)で「人とクルマ」の関係を徹底的に追求。その成果として初めて量産されるのが、今回の新型ISです。

 事実上のビックマイナーチェンジですが、レクサスの思いとしては明らかに、新たなるレクサスの出発を意味する重要なモデルなのです。

 今回、アメリカ発のデジタルカンファレンスの後半、話がハイパフォーマンスモデルに位置づけられる派生モデル「IS F」に及びました。

 量産について「ユーザーのフィードバック次第」と明言を避けましたが、ここまでいうからには量産にある程度の目途がある。そう見るのが、妥当ではないでしょうか。

 振り返ると、先代ISをベースに開発されたIS Fの初期モデルは、とてつもなく尖ったクルマでした。

 導入間もない頃、米ロサンゼルス郊外のサーキットでテスト走行した経験がありますが、サスペンションのセッティングがかなり硬く、アクセルレスポンスは過激で、まるで公道レーシングカー。

 担当エンジニア自身も「少々やり過ぎ?」というイメージがあるほど、攻めたクルマでした。

 その後、IS Fは段階的に洗練されていくのですが、販売実績などを踏まえて、「F」の立ち位置が見直されていきます。

 結果、現行モデルではIS Fのラインナップは消滅し、販売が見込めるライトチューニングな「Fスポーツ」が、レクサスのおもなスポーティ性を担ってきました。

 そしていま、「F」も含めて、レクサスは次世代に向けたスタートを切りました。

 これまでのレクサスに対する取材を通じて、そう確信しています。

 もしかすると、トヨタテクニカルセンター下山ではすでに、さまざまな「F」が走り出しているのかも知れません。

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みんなのコメント

75件
  • ダラダラ長いだけで、結局「IS-F」含めて最後まで何の結論も情報もなかった。
    タイトル詐欺、読んで損した記事。
  • ブランドの価値は短期間ではでない。ましてや語り継がれる逸話のないブランドは。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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