現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ヒョンデが日本向けEVバスを発売! 普及に課題はあれど潜在需要が大きい市場なのは間違いなし

ここから本文です

ヒョンデが日本向けEVバスを発売! 普及に課題はあれど潜在需要が大きい市場なのは間違いなし

掲載 11
ヒョンデが日本向けEVバスを発売! 普及に課題はあれど潜在需要が大きい市場なのは間違いなし

 この記事をまとめると

■ヒョンデが「ELEC CITY TOWN」を発売

60年前の激レア路線バスが蘇った! バスマニア感涙の旭川電気軌道がレストアした「MR430」とは

■電気路線バス「ELEC CITY」シリーズの中型バスだ

■「ELEC CITY TOWN」の中身や販売状況について解説

 ヒョンデのEVバスの一充電距離は233km

 いま、我が国で注目を浴びている電動バス。路線バスや地域コミュニティバスとして、少しずつ導入が進んでいる。背景は地球温暖化を防止するために、脱炭素化を進めようという考え方だ。すなわち、環境問題によるところが大きいと考えられる。「少しずつ」しか進まない理由は、コストと性能であろう。車両本体もそうだが、充電設備も必要であることからイニシャルコストがどうしても大きくなる。公共交通や社会実験など、国の補助が受けられる事業であればまだしも、利益確保に苦慮する民間事業者が、気軽に導入できるものではない。

 さらに、1回の充電で走れる距離がまだそれほど長くないこともネックになっている。従来からあるディーゼル内燃機関の車両に比べると、その差はまだまだ大きいのだ。営業所などが充電拠点として機能し、比較的短距離を計画的に運航が可能な路線バスが対象になるのは、必然的なことだといえよう。長距離バス、貸切バス、観光バスとして運用するには、乗り越えなければならない課題が多いようである。

 そのようななか、韓国のヒョンデは日本向けに開発した電動中型路線バスの販売を開始することになったと発表した。同社は2001年に、乗用車の販売で日本に本格的な進出をして、各地に販売ディーラーを設置するなどしたが2010年に撤退。2022年に再上陸を果たしている。バスの販売では、2009年から大型観光バス、ユニバースが日本市場に投入されており、延べ台数で約800台を各地のバス事業者に納入したという。

 今回発売するのは、電気路線バスの「ELEC CITY」シリーズの中型バスに相当する「ELEC CITY TOWN」。サイズは、全長8995mm・全幅2490mm・全高3400mmで定員は55名。容量145kWhのリチウムイオン電池を搭載し、1回の充電で233km(定速60km/hの計測値、定速30km/hの場合は330km)走行することができるのだ。最高速度は、80km/hである。

 車両には、乗客乗降時に死角となる場所の障害物を感知する「SEW-Near」機能を搭載。さらに、各種センサーで車両の状況を測定し、モーターの出力、ブレーキを制御することで、滑りやすい路面などでも車両のコントロールを容易にする「VDC(車両安定装置)」を標準装備。路線バス運行に有効な、各種安全装置を備えている。

 この発売発表と同時に、鹿児島の岩崎産業が同車両5台を購入、運用することが明らかになった。同社はバス事業を行う鹿児島交通などを傘下にもち、同車両は種子島・屋久島交通の屋久島路線で運用される予定なのだそうだ。現在、同島では路線バス27台と貸切バス22台が運行されているが、将来的にはすべて電動バスに置き換えたいとのことである。

 同社では、ヒョンデの電動バスがもつ実績を評価し、導入を決めたとしている。ただ、我が国ではほかにも中国BYDの電動バスが150台余り走っているという。さらに、国内メーカーに目を移すと、電動バスのベンチャー企業であるEVモーターズジャパンが、中国から部品を輸入して国内で組み立てるといった手法で市場参入し、今後は完全国産化も視野に入れているそうだ。また、2024年5月にはいすゞ自動車が、満を持して路線バス「エルガEV」の発売を開始している。

 電動バスの導入には、まだまだ解決するべき課題は多いようだが、潜在需要が大きいことは間違いないので、今後はますます開発競争が激化しそうである。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

マツダ期待のEVセダン「EZ-6」が中国で発売! 競争力十分の価格も中身もデザインも全部見せます
マツダ期待のEVセダン「EZ-6」が中国で発売! 競争力十分の価格も中身もデザインも全部見せます
THE EV TIMES
新しいエコカーに乗り換えれば「補助金」&「免税」! 中国が「新車販売が好調」と伝える裏にある「スクラップインセンティブ」とは
新しいエコカーに乗り換えれば「補助金」&「免税」! 中国が「新車販売が好調」と伝える裏にある「スクラップインセンティブ」とは
WEB CARTOP
トラックドライバーの負担を減らすハズの「パレット」のサイズがまちまちで結局意味なし! ついに国交省が標準サイズ化を提案したがどうなる物流?
トラックドライバーの負担を減らすハズの「パレット」のサイズがまちまちで結局意味なし! ついに国交省が標準サイズ化を提案したがどうなる物流?
WEB CARTOP
急速充電器はさまざまな規格が乱立状態! EVの普及を目指すなか充電器事情はこの先どうなる?
急速充電器はさまざまな規格が乱立状態! EVの普及を目指すなか充電器事情はこの先どうなる?
THE EV TIMES
「月販目標台数の○倍受注」の発表はあれど……どこにいる? 売れてるといわれる車種を街なかで見かけないワケ
「月販目標台数の○倍受注」の発表はあれど……どこにいる? 売れてるといわれる車種を街なかで見かけないワケ
WEB CARTOP
京都市バス、運賃支払い時間「80%短縮」を実現! 快適さ向上で「バスって楽しい」と思える時代は到来するのか?
京都市バス、運賃支払い時間「80%短縮」を実現! 快適さ向上で「バスって楽しい」と思える時代は到来するのか?
Merkmal
いまの若者には意味不明!? ターボ車乗りがみんな付けてた「ターボタイマー」が消えた理由とは
いまの若者には意味不明!? ターボ車乗りがみんな付けてた「ターボタイマー」が消えた理由とは
WEB CARTOP
「お金をかけないポルシェ」とかディスってたやつ謝れ! 経営を立て直した救世主「初代ボクスター」は偉大なり
「お金をかけないポルシェ」とかディスってたやつ謝れ! 経営を立て直した救世主「初代ボクスター」は偉大なり
WEB CARTOP
ひと手間加えてシート剛性UP! 走り系ドライバー必見の新アイテム「シートレールアップデートキット」が発売開始
ひと手間加えてシート剛性UP! 走り系ドライバー必見の新アイテム「シートレールアップデートキット」が発売開始
WEB CARTOP
いったい誰向けだよ! 普通の実用車にオーバースペックエンジンをぶち込んだやりすぎ国産車3台
いったい誰向けだよ! 普通の実用車にオーバースペックエンジンをぶち込んだやりすぎ国産車3台
WEB CARTOP
4本まとめて新品に交換したのに納得いかん! 数年経ってみたらタイヤ減り方に差があるワケ
4本まとめて新品に交換したのに納得いかん! 数年経ってみたらタイヤ減り方に差があるワケ
WEB CARTOP
【アメリカ】ホンダ新型「プロローグ」が爆売れ! “税額控除”で「100万円以上」もオトク! 「シンプルデザイン×Hondaロゴ」採用! “1番人気”な「“デカい”SUV」に熱視線!
【アメリカ】ホンダ新型「プロローグ」が爆売れ! “税額控除”で「100万円以上」もオトク! 「シンプルデザイン×Hondaロゴ」採用! “1番人気”な「“デカい”SUV」に熱視線!
くるまのニュース
ホンダの「マリン事業」が今年で60周年! 高出力V8ユニットの船外機「BF350」を搭載したボートに試乗
ホンダの「マリン事業」が今年で60周年! 高出力V8ユニットの船外機「BF350」を搭載したボートに試乗
LE VOLANT CARSMEET WEB
そういや最近見かけない! 昭和オヤジにはお馴染みのグリルの「JAFバッジ」はドコいった?
そういや最近見かけない! 昭和オヤジにはお馴染みのグリルの「JAFバッジ」はドコいった?
WEB CARTOP
中国の高級EVブランド「ZEEKR」を知っておこう vol2
中国の高級EVブランド「ZEEKR」を知っておこう vol2
Auto Prove
昔のアンテナは長かったのにいまは超コンパクトなのにナゼ受信できる? と思ったらなかにはぐるぐる巻きのアンテナが入っていた!
昔のアンテナは長かったのにいまは超コンパクトなのにナゼ受信できる? と思ったらなかにはぐるぐる巻きのアンテナが入っていた!
WEB CARTOP
交通空白地問題を解決すべく日野自動車も参戦! 自治体ライドシェア事業をサポートする実験を開始
交通空白地問題を解決すべく日野自動車も参戦! 自治体ライドシェア事業をサポートする実験を開始
WEB CARTOP
ITマニアにはお馴染みの「スナドラ」! いまクルマでも必要不可欠な存在になっていた
ITマニアにはお馴染みの「スナドラ」! いまクルマでも必要不可欠な存在になっていた
WEB CARTOP

みんなのコメント

11件
  • Qccy
    日本を食い物にする国の車買う企業はおかしいやろ。
  • 冥土インPRC
    ヒュンダイのバスって安いんだってねえ。
    ハイウェイバスの話だけど、国産2台の予算で3台買えてまだお釣りが来る。
    ただし、
    車内の色使いが日本人の目から見ると悪趣味
    あちこちがすぐにガタピシいい始める
    故障も国産の比較にならないほど多い
    修理したくても部品がすぐに来ないので稼働できない日が多く役に立たない
    ボルトやナットもインチとミリが混在しており工具が2種類必要
    そういうバスだと理解したうえで導入すればいい。
    知人のハイウェイバス会社の社長は、もう懲りた。二度と買わないと断言していた。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村