この記事をまとめると
■ヒョンデが「ELEC CITY TOWN」を発売
60年前の激レア路線バスが蘇った! バスマニア感涙の旭川電気軌道がレストアした「MR430」とは
■電気路線バス「ELEC CITY」シリーズの中型バスだ
■「ELEC CITY TOWN」の中身や販売状況について解説
ヒョンデのEVバスの一充電距離は233km
いま、我が国で注目を浴びている電動バス。路線バスや地域コミュニティバスとして、少しずつ導入が進んでいる。背景は地球温暖化を防止するために、脱炭素化を進めようという考え方だ。すなわち、環境問題によるところが大きいと考えられる。「少しずつ」しか進まない理由は、コストと性能であろう。車両本体もそうだが、充電設備も必要であることからイニシャルコストがどうしても大きくなる。公共交通や社会実験など、国の補助が受けられる事業であればまだしも、利益確保に苦慮する民間事業者が、気軽に導入できるものではない。
さらに、1回の充電で走れる距離がまだそれほど長くないこともネックになっている。従来からあるディーゼル内燃機関の車両に比べると、その差はまだまだ大きいのだ。営業所などが充電拠点として機能し、比較的短距離を計画的に運航が可能な路線バスが対象になるのは、必然的なことだといえよう。長距離バス、貸切バス、観光バスとして運用するには、乗り越えなければならない課題が多いようである。
そのようななか、韓国のヒョンデは日本向けに開発した電動中型路線バスの販売を開始することになったと発表した。同社は2001年に、乗用車の販売で日本に本格的な進出をして、各地に販売ディーラーを設置するなどしたが2010年に撤退。2022年に再上陸を果たしている。バスの販売では、2009年から大型観光バス、ユニバースが日本市場に投入されており、延べ台数で約800台を各地のバス事業者に納入したという。
今回発売するのは、電気路線バスの「ELEC CITY」シリーズの中型バスに相当する「ELEC CITY TOWN」。サイズは、全長8995mm・全幅2490mm・全高3400mmで定員は55名。容量145kWhのリチウムイオン電池を搭載し、1回の充電で233km(定速60km/hの計測値、定速30km/hの場合は330km)走行することができるのだ。最高速度は、80km/hである。
車両には、乗客乗降時に死角となる場所の障害物を感知する「SEW-Near」機能を搭載。さらに、各種センサーで車両の状況を測定し、モーターの出力、ブレーキを制御することで、滑りやすい路面などでも車両のコントロールを容易にする「VDC(車両安定装置)」を標準装備。路線バス運行に有効な、各種安全装置を備えている。
この発売発表と同時に、鹿児島の岩崎産業が同車両5台を購入、運用することが明らかになった。同社はバス事業を行う鹿児島交通などを傘下にもち、同車両は種子島・屋久島交通の屋久島路線で運用される予定なのだそうだ。現在、同島では路線バス27台と貸切バス22台が運行されているが、将来的にはすべて電動バスに置き換えたいとのことである。
同社では、ヒョンデの電動バスがもつ実績を評価し、導入を決めたとしている。ただ、我が国ではほかにも中国BYDの電動バスが150台余り走っているという。さらに、国内メーカーに目を移すと、電動バスのベンチャー企業であるEVモーターズジャパンが、中国から部品を輸入して国内で組み立てるといった手法で市場参入し、今後は完全国産化も視野に入れているそうだ。また、2024年5月にはいすゞ自動車が、満を持して路線バス「エルガEV」の発売を開始している。
電動バスの導入には、まだまだ解決するべき課題は多いようだが、潜在需要が大きいことは間違いないので、今後はますます開発競争が激化しそうである。
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みんなのコメント
ハイウェイバスの話だけど、国産2台の予算で3台買えてまだお釣りが来る。
ただし、
車内の色使いが日本人の目から見ると悪趣味
あちこちがすぐにガタピシいい始める
故障も国産の比較にならないほど多い
修理したくても部品がすぐに来ないので稼働できない日が多く役に立たない
ボルトやナットもインチとミリが混在しており工具が2種類必要
そういうバスだと理解したうえで導入すればいい。
知人のハイウェイバス会社の社長は、もう懲りた。二度と買わないと断言していた。