■ユニークなパッケージングと優れた走行性能を確保
最近の軽自動車の車両価格は全体的に高くなり、200万円台に突入する「高級モデル」も珍しくありません。
その多くは車高の高い軽スーパーハイトワゴンばかりですが、かつては車高の低いハッチバックタイプにも「小さな高級車」と呼ぶにふさわしいモデルがありました。
【画像】超カッコいい! ダイハツの「小さな高級ハッチ」を画像で見る(30枚以上)
ダイハツが2006年6月に発売した「ソニカ」は、スポーティさと高級感を兼ね備えた独自性の高いモデルでした。
発表時、その狙いについてダイハツは次のように紹介しています。
「ライフスタイルの変化やスモールカーシフトの流れをとらえ、自分らしさや二人の時間を大切にする『フリースタイルカップルズ』をターゲットに、走りの質感革新を目指した新ジャンルカーです」
開発のコンセプトは「爽快ツアラー」。ロングドライブを快適に楽しめる「爽快な走り」を徹底的に追求して開発したといいます。
車名の由来は、英語で音速を意味する「SONIC speed」と、「舞うように軽快なクルマ」を意味する「Soaring and Nimble Car」からの造語でした。
外観は「爽やかで躍動的なスタイル」をキーワードに、「コンパクトの常識を打ち破るロー&ロングフォルム」を目指して開発されました。
室内は「低く、長く、広くを実現したパッケージング」を目指し、当時の4人乗り軽自動車では最も車高が低い1470mmとしながらも、ホイールベース2440mmと長く確保。新開発エンジンによってもたらされたコンパクトなエンジンルームにより、1915mmの長い室内長と、当時の軽自動車トップの室内幅1320mmを実現しました。
この室内幅を活かして開発されたのは「ツアラーベンチシート」と名付けられた特別なシートでした。
このシートは当時の高級セダン、トヨタ「セルシオ」(海外名:レクサス「LS」)を参考に開発され、軽自動車の枠にとらわれないゆったりしたドライビングポジションと、ふっくらとしたソフトな座り心地を実現していました。
ベンチシートを採用したのは、車幅が狭い軽自動車で最大限ゆったりとしたシート形状にする狙いだったようです。
また、「カップルをゆったり包み込むサラウンドインテリア」と形容された室内空間を提供し、フラットな乗り心地とあわせて上質な居住性を実現していました。
後席の居住性も考えており、引き込み形状のシートバックの採用と860mmの前後カップルディスタンスをとり、ゆとりある後席レッグスペースを確保。乗降性と積載性も配慮され、すべてのサイドドアは約90度のフルオープンが可能でした。
エンジンは全車ターボ車とし、最高出力64PS・最大トルク103N・mを発生する新開発ツインカム3気筒ターボエンジンを搭載、トランスミッションは7速マニュアルモード付きCVTを採用しています。
足回りでは、前後ともにスタビライザーを装備(FF)、サスペンションは専用チューニングとして優れた操縦性と走行安定性を実現。さらにCVTとエンジンの結合剛性を高めてエンジンノイズを源流から改善し、2点+トルクロッド方式エンジンマウントの採用や、ドア下端2重シール化などにより静粛性を高めていました。
安全面でも、当時としては最新の先進技術が採用されていたほか、衝突安全技術についても国内および欧州の衝突安全基準を余裕をもってクリアする性能を確保していたといいます。
そんなソニカの2006年当時の車両価格(消費税込み)は、118万6500円から154万8750円です。
当時のベーシックな軽ハッチバック「ミラ」(6代目)は約60万円から100万円ほどだったので、ソニカはかなりの高級モデルだったことがわかります。
小さな軽ハッチバックにセルシオ並みのシートを採用した「“高級”軽自動車」ソニカは、今のラインナップにはない興味深いモデルでした。
日本自動車史の片隅に記録しておきたいクルマといえます。
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みんなのコメント
エンジンも全車種ターボ付きの64psとはなっているものの、元のエンジンがエッセの為かアクセルを踏み込まないと!という感じでした。
でもロングホイールベースで安定感はあったよ。今はソニカの様な普通の車高の軽が無くなったのは悲しいね。
現在だとCBCテレビの『道との遭遇』で道マニア鹿取さんが乗ってるソニカの印象が強いかなw