スポーティなスタイリングに優れた快適性を兼ね備え、近年高い人気を誇るSUV。あまりの人気の高さによって、セダンやワゴンなど他のカテゴリーの売れ行きに影響するほどだ。
モデルによっては3列シートを備え、多人数乗車にも対応するため、ミニバンの顧客さえも取り込んでいる。
「CX」以前のマツダSUV! トリビュートが短命に終わった理由【偉大な生産終了車】
マツダは自社でのミニバンの製造をやめ、その代わりをSUVのCX-8が担っている。
今回はそんなSUVの各シートの座り心地とシートアレンジ、そしてこれらの総合評価のベスト3を渡辺陽一郎氏に選んでもらった。ぜひSUV選びの参考にしていただきたい!
文/渡辺陽一郎、写真/ベストカー編集部
【画像ギャラリー】モデルによっては3列シートも!! 人気のSUVをシートで選ぶ!!
■前席の比較&ランキング
前席1位のレクサス RX。着座姿勢が良くなり視界も良好だ
SUVはもともと悪路の走破が可能な4WD車として誕生したが、今は存在感の強い外観と、広い居住空間や荷室が大切な特徴になる。荷室に3列目のシートを備えたSUVもあり、その位置付けはステーションワゴンとミニバンの中間だ。SUVは外観のカッコ良さと、優れた実用性を両立させて人気を得た。
そしてSUVには全高が1600~1800mmの車種が多いため、室内高にも余裕がある。頭上に十分なスペースがあり、床と座面の間隔も相応に確保されるから、座った時に腰が落ち込みにくい。快適な着座姿勢と開放感が得られる。
まず前席は各車種ともていねいに造り込まれ、設計が比較的新しい上級SUVであれば、差が生じにくい。
その上で比べると、前席の1位はレクサスRXだ。腰をしっかりと支えて、適度な柔軟性も併せ持つ。背もたれは腰を包む印象で、張り出し方を調節する電動ランバーサポートも装着した。
レクサス RXの前席は腰まわりとしっかりと支えてくれる。長時間のドライブでも疲れ知らずだ
前席の2位はハリアーだ。柔軟性はそれほど強くないが、腰から大腿部に掛けて、体をしっかりと支える。サイズにも余裕があり、長距離を移動する時も快適だ。
前席の3位はCX-8。座面の右前側の支え方がいまひとつで、左回りの旋回をする時は、もう少し右大腿部をしっかり支えて欲しいと感じる。それでも体重の加わる背もたれの下側と座面の後方はしっかりと造り込まれ、直進時の腰の支え方は良い。高速道路を長時間にわたり巡航する時も疲れにくいタイプだ。
■後席の比較&ランキング
CX-8の後席。余裕のあるシートサイズでゆったり座れる
すべてのカテゴリーに当てはまる話だが、後席は車種によって快適性の差が大きい。前席はドライバーが正確な運転をできるように優先して開発され(狭くても広くても正確な運転は行えない)、残った部分が後席に割り当てられるからだ。そして前述の通り、SUVには荷室に3列目のシートを備えた車種もある。
こういった点を考慮すると、後席の1位はCX-8だ。
すべての車種に3列目シートを装着した。まず2列目の座り心地だが、シートのサイズに余裕があり、適度に柔軟で快適だ。身長170cmの大人4名が乗車した場合、2列目のスライド位置を後端に寄せると、膝先空間は握りコブシ2つ半になる。1列目の下側に足が収まることもあり、ゆったりと座れる。
特に6人乗りの2列目は、ミニバンのキャプテンシートのようなセパレートタイプで、エクスクルーシブモードなら2列目の中央にもカップホルダーや充電用USBを備えたセンターコンソールが装着される。リムジン的な雰囲気も味わえる。
CX-8の3列目に身長170cmの大人が座るには、2列目を前側にスライドさせて、膝先空間を握りコブシ1つ半まで詰める。そうすると3列目にも同等の膝先空間が割り当てられ、大人6名の乗車が可能だ。
3列目はミニバンと違って床と座面の間隔が乏しく、膝の持ち上がる姿勢になる。従って1/2列目に比べて3列目の快適性は下がるが、片道1時間の距離であれば大人の多人数乗車も可能だ。CX-8の3列目は、SUVの中では最も快適に仕上げられている。
後席2位のホンダ CR-V。ほどよい柔軟性が快適だ
後席の2位はCR-Vだ。1.5Lターボエンジン搭載車には、3列シート仕様も用意される。2列目の座り心地は着座姿勢が若干変わりやすいが、柔軟性が伴っておおむね快適だ。身長170cmの大人4名が乗車した時の膝先空間は、CX-8と同じく握りコブシ2つ半だから十分に広い。
3列目にも身長170cmの大人が座るには、2列目を前側にスライドさせて膝先空間を握りコブシ1つ分まで詰める。1列目の下側に足が収まりやすいため、膝先が握りコブシ1つ分でも窮屈には感じない。
この状態であれば、どうにか3列目に座れるだけの空間が確保される。3列目の膝先は握りコブシ半分程度で、頭部は天井に触れてしまう。それでも片道30分以内の移動なら、大人の多人数乗車も可能だ。
CR-V後席。前席の背もたれとの余裕もじゅうぶんだ
後席の3位はレクサスRXになる。RX450hLには3列目シートも装着される。2列目の座り心地は若干硬めで、もう少し柔軟にすると良いが、腰の支え方はしっかりしている。足元空間の広さはCX-8やCR-Vと同等だ。
レクサスRX450hLの3列目は完全な補助席で、2列目を前側にスライドさせても、かなり窮屈だ。大人が多人数で移動するとしても、片道15分程度までに限られる。
■荷室&シートアレンジの比較&ランキング
荷室&シートアレンジの1位はホンダ ヴェゼル。荷室の機能とシートアレンジは新旧モデル共通だ
SUVにとって、荷室とシートアレンジも大切な機能だ。前述の通り荷室容量はステーションワゴンを上まわり、荷物の積載にも適しているからだ。
荷室&シートアレンジの1位はヴェゼルになる。既に次期型が披露されたが、荷室の機能とシートアレンジは、新旧モデルとも基本的に共通だ。
ヴェゼルはコンパクトなSUVだが、燃料タンクをフィットと同じく前席の下に搭載する。そのために荷室の床が低く、ボディサイズの割に広いスペースを得られた。後席の背もたれを前側に倒すと、座面も連動して下がり、広く平らな荷室に変更できる。
ヴェゼル荷室。燃料タンクを前席の下に配置したことで広い荷室と独特のシートアレンジを得た
また後席の座面を持ち上げると、車内の中央に、背の高い荷物を積むことも可能だ。燃料タンクを前席の下に搭載したことで、広い荷室と、ほかの車種とは違う独自のシートアレンジを得られた。
荷室&シートアレンジの2位はエクストレイルだ。荷室は後席を使った状態でも広く、後席を畳むと大容量の空間になる。汚れを落としやすい素材を使うので、アウトドアグッズなども気軽に積める。SUVの用途に適する荷室に造り込んだ。
荷室&シートアレンジの3位はCX-8だ。3列目に加えて2列目の背もたれまで前側に倒すと、平らで荷室長の長い空間に変更できる。前席の後ろ側はすべて荷室になるため、就寝できるほどの空間になる。この広さは全長が4900mmに達するLサイズSUVならではのメリットだ。
■総合評価で高い評価を得たのはマツダCX-8!
総合1位のマツダ CX-8。車内の広さは国産SUVでは最も広く快適だ
シートで選ぶSUVの総合1位はCX-8だ。
前輪駆動をベースにしたLサイズモデルだから、車内の広さは国産SUVの中でも最大級になる。悪路向けSUVのランドクルーザーなどは、ボディは大柄だが、床が高いこともあって後席に座ると膝が持ち上がって広々感は意外に乏しい。
その点でCX-8は、2列目が広く、3列目もミニバンでいえばシエンタやフリードと同等の居住性を確保した。SUVでは最も広くて快適だ。
2/3列目のシートを畳むと大容量の荷室にアレンジされ、積載性も優れている。多人数乗車から荷物の運搬まで、幅広い用途に使えてなおかつ快適だ。
積載性や座り心地もさることながら見た目の高級感もあり、乗車時間が優雅なものとなる
総合評価の2位はヴェゼルになる。新旧モデルともに、身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ2つ半だ。コンパクトだが、後席の足元空間は、CX-8、CR-V、レクサスRXの2列目と同等になる。
しかも前述の通り、燃料タンクを前席の下に搭載したから荷室容量も大きく、居住性と積載性はミドルサイズやLサイズSUVと同等だ。新旧モデルともに、コンパクトSUVでありながら、ミニバン的な空間効率と実用性を備える。ファミリーユーザーにピッタリだ。
総合評価の3位はレクサスRX。前後席ともに座り心地が快適だから、3列目シートは補助席になるものの、1/2列目は快適に仕上げた。Lサイズの上級ステーションワゴン的な価値観を備える。
●シートで選ぶSUVベスト3
1位:CX-8 2位:ヴェゼル 3位:レクサスRX
シートで選ぶSUVベスト3 順位表
座り心地良ければみんな幸せ!! シートで選ぶ軽自動車ベスト3
クルマ選びで重要なのは座り心地とシートアレンジの使い勝手!! シートで選ぶコンパクトカーのベスト3!
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4人がゆったり乗って荷室も広々
CX-8をお勧めします。