eパワーはハイブリッドではない?
text:Kenji Momota(桃田健史)
【画像】アレ? そっくり? ノート/アリア/リーフ【3台を比べる】 全190枚
日産は、三連休明けの2020年11月24日、新型ノートをオンラインで発表した。
今回のモデルチェンジでは、プラットフォーム(車体)の刷新、さらにeパワーが第2世代へと進化するなど、近年の日産コンパクトカーでは最大級の大転換である。
日産の内田誠社長が11月12日の2020年度上期決算発表で「まったく新しいコンパクトカーを年内に国内で発売する」と表明したように、「まったく新しい」というポイントが多数ある。
なかでも、注目は第2世代eパワーだ。
初代eパワーは2代目ノートのマイナーチェンジ要因として2016年に導入され、ノート大躍進の礎を築いた。
日産はeパワーを「リーフで培った日産のEV(電気自動車)技術を活用した、新しい電動車」という表現をしている。
電動車といえば、王道のプリウスがいる。プリウスは1997年に初代誕生以来、ハイブリッドという電動化技術を世界的に広めた。
自動車技術におけるハイブリッドとは、広義において、複数の種類の原動機を駆動に用いることを指す。
そのため、自動車技術領域では一般的にHEV(ハイブリッド・エレクトリック・ヴィークル)と呼び、トヨタはマーケティング用語としてHV(ハイブリッド・ヴィークル)としている。
では、eパワーとはなにか?
「レンジエクステンダー」ではない
eパワーについて、自動車技術領域では、シリーズハイブリッドの部類に属する。
シリーズハイブリッドの定義は、エンジンを発電機として用いて車載電池に蓄電し、駆動力はモーターによって行うこと、とされている。
繰り返すと、日産はeパワーについて「リーフで培ったEV技術を……」という枕詞をつけて説明することが多い。
そのため、ノートeパワーの登場の噂が市中に広まり始めた2016年中頃、自動車メディアや日産ディーラー、またユーザーの間では、eパワーはリーフ搭載の蓄電池をエンジンで蓄電するシステムという見方が広まった。
こうしたシステムは、一般的にレンジエクステンダーと呼ばれる。
例えば、BMW「i3」では排気量650ccの直列2気筒を車体後部に搭載するモデルが設定されていた。
ただし、2018年のモデル改良で、i3が搭載するリチウムイオン電池パックの電気容量が初期の33kWhから42.2kWhへと大きく拡大したことで、レンジエクステンダーモデルの生産は欧州では終了した。
これは、欧州で進むCO2規制において、フルEVが効果が大きいというBMW本社の判断である。
また、日本ではマツダが「マツダスモール商品群」と呼ぶBセグメントで、ロータリーエンジンを発電機として使うレンジエクステンダーが近年中に発売されることが決まっている。
ノート搭載の電池、リーフとは違う
多くの人が、eパワーをレンジエクステンダーだと思い込んだ理由は、やはりリーフの影響だ。
実際、2016年に日産本社で開催された、ノートeパワーのメディア試乗会で、技術的な説明で日産側は「リーフで培った……」とか「リーフと共通の……」という発言が目立った。
確かに、モーターやインバーターについては、リーフ向けとの技術的な共通項があるようだ。
また、未だに多くの人が勘違いしているのが、電池についてだ。
2016年のノートに始まり、「セレナeパワー」、「キックスeパワー」と続く初代eパワーで使われている、電気容量が約1.5kWhのリチウムイオン二次電池はパナソニック製であり、リーフ向けとはメーカーも電池特性も違う。
リーフ搭載の電池については2018年12月、当時の日産子会社オートモティブ・エナジー・サプライ(AESC:神奈川県座間市・現在は中国企業に売却されエンビジョンAESC)で電池製造の流れを詳しく取材したが、その際に筆者は同社関係者と、同社では製造していないeパワー向け電池に関しても意見交換している。
新型ノートでは、電気容量は1.5kWhを維持しているが、本稿執筆時点で供給メーカーや電池特性について技術詳細は日産から公表されていない。
eパワー4WDにアリアの技術応用?
では、第2世代eパワーのどこが優れているのか?
キーポイントは、高度な制御技術だ。
新型ノートのエンジンフードを開けると、電動化装置の背が低く、かなり小さくなったことが一目瞭然だ。
一体型インバーターにより質量で33%の軽量化と40%の小型化を行った。
また、モーターの実力としてトルクを従来比から向上。最大出力は80kWから85kWへ6%増、また最大トルクは25.9kg-mから28.6kg-mへ10%増となった。
注目されるのは、ホイールセンサーから路面状態を把握して、外力を大きく変動する荒れた路面での発電を重視すること。乗員の快適性を第一に考えた技術である。
さらに、初代との大きな違いは、後輪駆動モーターの出力が3.3kWから一気に50kWに上がったことだ。
アリアで採用する、電動四輪技術「eフォース」との技術応用とされている。
すでに試乗している日産関係者によると「雪道の安定性はもちろん、スポーティなドライブがワクワクする本格的な走りが楽しめる」と実体験を語ってくれた。
ボディサイズもキュッと引き締まった新型ノート。第2世代eパワーの大幅改良は、他社に対する強い差別化要因になることは間違いなさそうだ。
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