トゥアレグよりひと回り小さい3列シートSUV
最近中国を訪れたなら、フォルクスワーゲンと第一汽車(FAW)が共同開発したSUV、タイロンを目撃されたかもしれない。その名前が、世界進出を果たすことになった。少々手が加えられて。
【画像】ティグアンとトゥアレグの隙間に 新型VWタイロン 3列シート選べる競合たち 最新ティグアンも 全174枚
中国市場のタイロンは2列シートのSUVで、全長は4595mm。最近モデルチェンジした、ティグアンより僅かに長いボディを持つ。だが、世界市場向けのタイロンは4792mmへ伸ばされ、3列シートへ仕立てられている。
欧州市場では、ティグアン・オールスペースという3列シートのSUVが、ティグアンとトゥアレグのギャップを埋めていた。新しいタイロンは、その後を継ぐモデルになる。
プラットフォームは、MQBエボ。スタイリングはティグアンと似ているが、フォルクスワーゲンによるとボディパネルは別物とのこと。フロントバンパーに、巨大なエアインテーク風のガーニッシュが収まる。
主なライバルは、プジョー5008や日産エクストレイル、ヒョンデ・サンタフェなど。パワートレインは、ガソリンとディーゼルの他、マイルドとプラグインという2種類のハイブリッドも用意される。同社の中では、最も選択肢が多い。
プラグイン・ハイブリッドは、1.5L 4気筒ガソリンと、6速デュアルクラッチATに内蔵される114psの駆動用モーター、19.7kWhのバッテリーという組み合わせ。システム総合で、203psか271psの2段階の最高出力が設定される。
ただし、駆動用バッテリーの都合で、プラグイン・ハイブリッドは2列シートへ限定される。他方、電気だけで112km以上走れるという。
ソリッドな内装 AI利用のインフォテインメント
インテリアは、フォルクスワーゲンらしくソリッド。ただし、高級感はほどほど。ダッシュボード上面やドアパネルはソフト加工されているが、全体的にはプラスティックであることを隠さない領域も多い。
トゥアレグとの差別化が、図られたのだろう。それでも、ダッシュボード中心には12.9インチのタッチモニターが鎮座し、ドライバー正面には10.25インチのメーター用モニターが据えられる。
オプションで、センターモニターは15.0インチへ拡大でき、ヘッドアップ・ディスプレイも追加可能。エアコンの温度などは、タッチセンサー式のスライダーで操作する。バックライト内蔵で、夜間でも場所がわからなくなることはない。
インフォテインメント・システムは、同社の最新。AIを用いた音声アシスタント、アイダも実装されている。
センターコンソールには、スタート/ストップとパーキングブレーキのハードスイッチ。中央部分には、再生メディアの選択や音量、ドライブモードなど、複数の機能が割り当てられるロータリーダイヤルが備わり、直感的に操作できる。
車内空間は、1列目と2列目は広々。3列目は5008より狭く、大人向きとはいいにくい。空間の全体的な余裕ではサンタフェの方が大きく、USBポートなど装備も充実することは否めない。
荷室の容量は、2列シート仕様で885Lだが、試乗したプラグイン・ハイブリッドは705L。3列シートの場合は345Lへ狭まるが、最後列を倒せば850Lへ拡大できる。
静かで上質なプラグインHV 優秀な乗り心地
車重が1864kgあるSUVで、203psの最高出力は物足りなく思えるものの、駆動用モーターは出だしから力強い。静かに発進し、途中でエンジンが加勢する。本気を出せば、0-100km/h加速は8.6秒で処理するという。
ちなみに、271psのプラグイン・ハイブリッドなら7.3秒、150psの1.5L 4気筒マイルド・ハイブリッド、1.5 eTSIは9.4秒とのこと。265psの4気筒ガソリンターボ、2.0 TSIは6.1秒へ縮める。
ドライブモードがハイブリッドの場合、電気モーターとガソリンエンジンとの協調性は良好。静かで滑らかに、主役が切り替わる。急加速時には、エンジンから少し荒っぽいノイズが響くものの、ディーゼルエンジンより遥かに静か。サンタフェより上質だ。
カーブでは、スロー気味のステアリングは正確に反応するものの、ハイブリッド・システムの重さは隠せない。狙い通りのライン取りは難しくないが、ボディロールは小さくなく、活発とは呼びにくいだろう。
試乗車には、アダプティブシャシー・コントロールが与えられ、非実装のタイロンより乗り心地は明確に優秀だった。柔らかいモードでも、しなやかでありつつ浮遊感は皆無。速度抑止用のスピードバンプや、鋪装の剥がれた穴にも、しっかり対応していた。
風切り音やロードノイズを高度に遮断する、防音ガラスも同じくオプション。これは、RラインかRラインエディションでのみ指定できるそうだ。
好印象な走りが強み 優れた選択肢として歓迎
タイロンの英国価格は、7シーターの1.5 eTSI マッチで3万9850ポンド(約777万円)から。エクストレイルは3万5175ポンド(約686万円)と更にお安いものの、お値打ちなモデルと呼んでいいだろう。
1度の充電で走れる距離は、203psのプラグイン・ハイブリッドで80km前後。かなり有能といえ、平均的な通勤ならガソリンエンジンを回さず対応できるはず。
念のため3列シートを希望するものの、実際にはその出番が少ないようなドライバーにとって、タイロンは望ましい1択になるだろう。サンタフェと異なり、プラグイン・ハイブリッドでは、2列シートへ制限されるが。
インテリアの質感は、フォルクスワーゲンとして不足ないものの、競合以上に上質なわけではない。それでも該当クラスの中では、好印象な走りが強みといえる。ファミリーSUVの需要が高止まりする今、優れた選択肢が増えることを歓迎したい。
◯:選択肢の多いパワートレイン プラグイン・ハイブリッドの電気だけで走れる距離 広々とした車内 運転のしやすさ
△:広くはない3列目 プラグイン・ハイブリッドでは2列へ減る 運転が楽しいとはいえない
フォルクスワーゲン・タイロン 1.5TSI eハイブリッド204PS(欧州仕様)のスペック
英国価格:4万6880ポンド(約914万円)
全長:4770mm
全幅:1849mm
全高:1660mm
最高速度:209km/h
0-100km/h加速:8.6秒
燃費:200.0km/L
CO2排出量:12g/km
車両重量:1864kg
パワートレイン:直列4気筒1498cc ターボチャージャー+同期モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:204ps(システム総合)
最大トルク:25.3kg-m/1500rpm
ギアボックス:6速デュアルクラッチ・オートマティック(前輪駆動)
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
日産『マイクラ』新型先行発表…マーチ復活はあり得るのか[15秒でニュース]
【BMW】新型「M 1000 RR」「M 1000 R」「S 1000 R」の注文受付を開始
アストンマーティンの高級パフォーマンスカー「ヴァンキッシュ」のオープントップモデルが登場
ヤマハ YZF-R9をイギリス人レーサーが分析!「スパルタンなR6的要素がある。カウル付きMT-09と思うと大間違いだ」
スバル インプレッサ(2023/04-)の最新値引き&納期情報〈いま新車で買えるクルマカタログ〉:スタイリッシュなスポーツハッチバック。現行モデルは、最新機能の搭載で利便性も大幅強化
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
それよりティグアンとトゥアレグの販売促進に尽力した方が良いのでは?
トゥアレグはフラッグシップらしく貫禄あるデザインにすべき。