2021年9月14日より発売開始となったトヨタ「カローラクロス」。広い室内空間を確保しつつ、都会的で上質な内外装デザインを採用、レジャーから街乗りまで幅広く対応できるクロスオーバーSUVとして、ライバルSUVたちを脅かす存在だ。
カローラクロスは、全長4490mm、全幅1825mm、全高1620mmと、サイズ的に見るとミドルクラスのSUVに近いが、価格帯でみたとき、ライバルとなるモデルは、日産キックス、ヤリスクロス、そしてホンダヴェゼルなど、比較的サイズの小さなSUVたち、となる。
コスパ抜群のクルマはトヨタ車に多い? どうみても激安なトヨタ車と対抗できるライバル車たち
この同価格帯のSUVたちに対して、カローラクロスはどれほどの戦闘力をもっているのか。燃費、室内の広さ、そして走行に関するスペック比較で、ライバルとガチンコ勝負をしてみよう。
文:吉川賢一
写真:TOYOTA、HONDA、NISSAN、SUBARU、MITSUBISHI、DAIHATSU、SUZUKI
[gallink]
燃費はヤリスクロスが別格
日産キックスはe-POWERかつ2WDのみという潔いグレード構成。ヤリスクロス、ヴェゼル、カローラクロスの3車種はガソリン仕様とハイブリッド仕様を持ち、また2WDと4WDもきちんと用意している。
ガソリンモデルのWLTCモード燃費(複合)は、ヤリスクロス19.8km/L、ヴェゼル17.0km/L、カローラクロス14.4km/L。ハイブリッドモデル(2WD)は、キックス21.6m/h、ヤリスクロス30.2km/L、ヴェゼル25.0 km/L、カローラクロス26.2km/L。ヤリスクロスの驚異的な燃費が際立っている。
これは、ヤリスクロスの車両重量1100kg台という驚異的な軽さと、排気量1.5Lの余力あるエンジンと、組み合わされるTHS-IIによるもの。そのヤリスクロスに続くのがカローラクロスだ。カローラクロスでも、キックスに対しては、20%近くも燃費が良いことになる。
ただ、ガソリン仕様だと、今度はヴェゼルに軍配が上がる。ヴェゼルのガソリン仕様が1250kg、カローラクロスは1330kgと、約80kgも重たいのでは勝負にならない。
しかし、燃費だけでパワートレイン性能を比較することはできない。カローラクロスには、排気量1.8Lの最高出力140ps、最大トルク170Nm級のパワフルなエンジンを搭載し、動力性能を補っている。キックスに関しては、現在E12ノート(先代)の第1世代e-POWERシステムを搭載しているが、現行E13型ノートより採用されている、第2世代e-POWERの搭載が待ち遠しいところだ。
ヤリスクロスの燃費の良さが際立っている。それを除けば、ハイブリッド仕様はカローラクロスが、ガソリン仕様はヴェゼルが燃費性能トップとなっている
広さはカローラクロスに軍配、だが使い勝手はヴェゼルが優秀
ボディサイズに関しては、全長はカローラクロス、ヴェゼル、キックス、ヤリスクロスの順で長くなる。全幅はカローラクロスが唯一、1825mmと唯一1.8m越えで、他の3車種は1800mm未満だ。全高もカローラクロスの1620mmが最も高く、その他は1600mm未満となる。
冒頭でも触れたように、カローラクロスは、RAV4(全長4600×全幅1855×全高1685mm、WB2690mm)といったミドルクラスのSUVのサイズに近い。そのため、この3車種との比較では、カローラクロスの車内空間はやはり圧倒的だ。
これといった弱点がないヤリスクロスだが、ボディサイズからもわかるように、室内空間はやはりちょっと狭い。ヤリスよりはまだましだが、荷室エリアも必要最小限ということは覚悟した方がいい。
ちょっとの旅行であれば問題ないが、キャンプ道具一式を満載していくにはちょっと無理があり、「SUV」としての用途に向いているとは言えない。むしろ荷室だけならば、ミニマムSUVのライズの方が広く感じるくらいだ。
ヤリスクロス唯一の弱点が、室内空間の小ささ。SUVとしての使い勝手を求めると、ちょっと物足りなさを感じるかも
ヴェゼルは先代に続いて「パッケージングのよさ」が光る。ホンダの得意とする、センタータンク方式と、後席のダイブダウン機構によって、フラットで広大な荷室を実現。このパッケージングのよさからくる、優れた使い勝手と居住性は、ヴェゼルの最大の魅力だ。
キックスも、開口部が広く、荷室スペースは十分にあるのだが、後席シートバックを倒してもフラットな荷室にはならない。やはり使い勝手はヴェゼルが圧倒的に優れている。
カローラクロスは、室内長1805 mm×室内幅1505 mm×室内高1265mmという室内寸法のスペックで比較すると、他の3台に比べて格段大きくなったようには見えないのだが、実際には後席空間は広い。ラゲッジ容量はVDAで487L。荷室長841mm、荷室幅は最大1369mm、荷室高は最大847mm。ヤリスクロス(371L)、キックス(423L)、ヴェゼル(390L)の3台に比べて、最も広いことが分かる。
デザインの上でも、ヤリススロスやヴェゼルのように、リアウィンドウの傾斜が緩めではないことも、カローラクロスの荷室容量が広いことに、影響していることだろう。
運転を楽しむヤリスクロスとキックス、安定性はカローラクロス
カローラクロスは、カローラツーリング(4495×1745×1460)と全長がほぼ同じ、ホイールベースは一緒、全幅が80mm広く、背が160mm高い、というサイズ感で、「カローラツーリングのSUV版」と考えていいだろう。また最小回転半径も5.2mと、実はヤリスクロス(5.3m)よりも小回りが効く。
E-Fourのリアサスは、他のカローラシリーズと同様のダブルウィッシュボーン式となる(2WDはトーションビーム式)が、アームの取付位置を変更して、カローラクロスの特性に合うように最適化したそうだ。その効果もあり、カローラクロスは乗り心地の印象が良い。通常は17インチ(215/60R17)、最大でも18インチ(225/50R18)に抑えた、良心的なタイヤサイズも影響している。
ヤリスクロスは、ヤリスに対してリアトレッドが50mmも広い、欧州版ヤリスのリアサスが使われていることもあり、走りの素性が良く、卓越したハンドリングも持ち合わせている。
1.5LのNAガソリンと1.5Lハイブリッド、それぞれにFFと4WDを設定するなど、日本の降雪地域の需要にも、しっかりと応えている。最軽量なボディのおかげでハンドリング性能は4台中ピカイチ。乗り心地は若干、落ち着きがないシーンもあるが、ギリギリ及第点だ。
キックスは、動力性能がピカイチ。1.2リッター3気筒ガソリンエンジンを発電機としたモーター駆動のe-POWERによって、低速域からのパワフルさ(最大トルク260Nm)は実に頼もしく、「胸のすくような加速」を味わうことができる。
また、きびきびとしたステアリング特性に仕立ててあるため、コーナリング時のハンドル角がビシッと決まりやすく、運転操作が楽しめるのも魅力だ。だが、日本市場を重要視するならば、いまからでもキックスに4WD仕様を用意してほしい。
キックスは運転操作が楽しめるのが魅力
ヴェゼルは、e:HEV の他に、1.5Lガソリンもあり、更には2WDと4WDも設定されており、いずれも走行性能にもぬかりはない。特にe:HEV仕様は、高い静粛性と乗り心地の良さを強く感じる。
しかし、先代のヴェゼルが持っていた若々しくキビキビしたフィーリングが抜け、全体的に丸められた印象となってしまった点もある。特にe:HEVが顕著で、キックスがもつパンチのある加速感や、ヤリスクロスのような軽快感が、感じられない。優秀なのだが、「正統派進化すぎて面白みが減っている」、というのが筆者の印象だ。
コスパはカローラクロスが圧倒的
ガソリン仕様が189.6万円(X 2WD)、ハイブリッド仕様でも228.4万円(ハイブリッドX 2WD)と、他メーカーのSUVよりも1ランク以上も価格が安いヤリスクロスはこれまで、「コスパ最強モデル」として人気を得てきた。しかしカローラクロスは、同水準の価格ながら、ボディサイズが大きくなって登場してきたのだから驚きだ。
ヤリスクロスよりもさらにコスパ高く登場した、カローラクロス
カローラクロスのガソリン仕様が199万円(2WD G X)、ハイブリッド仕様は259万円(2WD HYBRID G)、ボディサイズはCセグメントSUVに近く、車内も広く、荷物もたくさん詰める。
しかも、ベースグレードであっても、電動パーキングブレーキは標準、全車速追従式ACCやLTA(レーントレースアシスト)、オートマチックハイビームを含むToyota Safety Senseも、7インチのディスプレイオーディオまでも標準装備、という、他車メーカーでは、高額オプションとなる装備も含まれている。
このように比較してくると、カローラクロスが圧勝だ。デザインに関しては、人によって好みに違いがあるのでなんともいえないところだが、この4車種のスペック上での比較でいえば、間違いなく「買い」なモデルは、カローラクロスだ!!
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