■インド発の映像から見えるジムニー5ドアの魅力とは?
2023年6月7日、ついにインド国内でスズキ「ジムニー5ドア(インドではジムニーとして販売)」がローンチされました。
インドでは、かつての「ジプシー」というロングバージョンの新型として期待が高まっています。
【画像】ドアが「5枚」のジムニー発売! デザイン凄い…迫力ある姿を写真で見る!(70枚)
5ドアモデルのフロントグリルのデザインについては、最初は疑問に思ったかもしれませんが、オフロード走行でも力強さと存在感を放ち、高級感も備えていることが分かりました。
日本では多くのユーザーがアフターマーケット品に交換するかもしれませんが、5ドアではそのままのデザインでも十分な印象を与えるでしょう。
内装については、オーディオ以外は相変わらずの質感とデザインですが、その古さが受け入れられるという利点もあります。
新型のタッチセンサーパネルユニットは、インパネの中で存在感を放っていました。
Apple CarPlayやAndroid Autoとの連携やBluetooth接続は、特に目新しいものではありませんが、上位グレードの「アルファ」にはフランスのアルカミス社の高級オーディオシステムが標準装備されているので興味が湧きます。
現行モデルではジムニーのサウンドシステムがユーザーから不評で、高速道路ではほとんど聞こえないという声がありました。
新しいシステムではどんな音場になっているのか、非常に楽しみです。
注目すべきは、車内後部のユーティリティです。
写真では「開口部が小さく乗り降りしづらそう」という印象を持っていましたが、動画では意外にも乗り降りしやすそうです。
ただし、雪道やオフロード走行後はドア内側のアーチ部分が汚れているため、衣服に付かないように注意が必要です。また、高齢者が乗り降りするのはやや困難かもしれません。
後席は2段階のリクライニングが可能で、3ドアモデルの後席よりも快適そうです。
ルーフトリムもえぐられ、レッグスペースも広く見えますが、身長175cm以上の人にとっては微妙な広さかもしれません。それでも、ロングドライブに耐えるだけの居住性は確保されているでしょう。
残念なことに、ドリンクホルダーが依然として少ない点です。
後部座席の利用機会が増えることを考えると、フロアトンネルの2つのホルダーだけでなく、後部ドアトリムにポケットが付いていると便利であったと思います。
ラゲッジルームは、ようやく「普通」の大きさになりました。
ある動画では、1泊2日の荷物を数個載せることができましたが、シエラではそれすらも載せられなかったため、収納力が大幅に向上したと言えるでしょう。
なお、現地のデータによれば、セカンドシート利用時のラゲッジルーム容量は211L、セカンドシートを収納した場合は322Lです。
シエラよりは広いですが、アウトドア派のユーティリティニーズを完全に満たすかどうかは微妙なところです。
■5ドアでも走行性は損なわれていない? どんな感じになっている?
評価できる点は、5ドア化してもオフロード性能がほとんど損なわれていないことです。
日本では「5ドアはオフロード性能を期待していない」と考えるジムニーファンもいますが、動画を見る限り、十分な走破性能を持っているようです。
実際、重量増によってシエラよりもサスペンションの動きが改善されているように見えます。
シエラではダート走行時にリアが跳ねてしまうことがありますが、ジムニー5ドアでは脚が路面を追従していることが分かります。
さらに、オンロードでもロングホイールベース化による直進安定性の向上が明らかです。
また、重心が高いと言われる現行型ジムニーですが、ロングボディになったことでバランスがよくなったように思われます。
バネレートや減衰力のセッティングは変更されているかもしれませんが、おそらくハンドリングと乗り心地はシエラよりも良いでしょう。
見た目のバランスでも、5ドア化による恩恵がありそうです。
3ドアの場合、ノーマルサスペンションのままではローフォルムで、オフロード4WDとしては正直物足りない印象を受けます。しかし、5ドアは不思議とノーマルでも十分な印象を与えます。
1インチくらいのリフトアップは良いかもしれませんが、2インチや3インチと上げすぎると見た目が悪くなってしまうかもしれません。
その意味では、タイヤをラギッドなパターンに変えるだけでも、見た目上のオフロード4WDとしての魅力が引き立つかもしれません。
既に、現地のメディア向けの試乗会も開催され、その模様がインターネットに次々とアップされています。
これらの映像から、ジムニー5ドアには予想以上の魅力があることが分かりました。
5ドアボディ以外の基本メカニズムは、ジムニーシエラと同様ですが、エンジンスペックはわずかに向上しており、最高出力は77.1kW、最大トルクは134.2Nmです。
ただし、インドモデルには日本仕様の標準装備であるデュアルセンサーブレーキサポートなどは採用されていません。
※ ※ ※
価格については、インド国内での車両価格は最も安い「ゼータ・5MT」が127万4000ルーピー(約215万7400円)から、最上級グレードの「アルファ・4AT・ツートーンカラー」が150万5000ルーピー(約254万8753円)となっています。
もし日本でも同じ価格で発売されるのであれば納得感がありますが、安全装備などが追加されることを考えると、最上級グレードは300万円近くになる可能性もあります。
ただし、その価格でもジムニー5ドアは魅力的な車両であることは間違いありません。
ショールームに展示されているだけでなく、実際に走っている姿はさらに魅力的です。シエラよりもさらに使い勝手や魅力が高まったクルマに仕上がっていると感じました。
ただし、もし日本で発売後にまた1年待ちになることがあるのであれば、我慢できるかどうかは個人の判断次第でしょう。
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