2021年11月15日、ツインリンクもてぎ南コースで開催された『ワークスチューニンググループ合同 試乗会』で試乗した下記 計8台のデモカーをレポート!
●ラインナップ
・NISMO スカイライン400R ニスモパーツ装着車
・NISMO ノートオーラNISMO ニスモパーツ装着車
・STI BRZ S STIパフォーマンスパーツ装着車
・STI フォレスター STIパフォーマンスパーツ装着車
・TRD ヤリス ラリー仕様(1.5L・FF)TRDテスト車両
・TRD ハイラックス オフロードレース仕様
・無限 シビック MUGENパーツ装着車
・無限 ヴェゼル MUGENパーツ装着車
スポーツカー不況なんのその?? 86もロードスターもあるニッポンは世界最“幸”国だ!!!
※本稿は2021年12月のものです
文/武井 寛史、写真/ベストカー編集部 ほか、撮影/平野 学
初出:『ベストカー』2022年1月10日号
[gallink]
■NISMO
●スカイライン400R ニスモパーツ装着車
NISMO スカイライン400R ニスモパーツ装着車。ブースト圧と点火時期のチューニングを行う「NISMOスポーツリセッティング TYPE-2」を装着
最も刺激的だったのがこの400R。NISMOでは400R専用のフロントアンダースポイラーを新開発。空力性能を損なうことなくダウンフォースを得られる自信作だ。
イチ推しはスポーツリセッティングと名付けられたCPUチューニング。最高出力を変更することなく中間域のトルクを増大させることでノーマルを超える瞬発力を得ている。
実際ドライブしてみるとピークパワーが変わっていないのに馬力が上がった感覚。サスペンションはノーマルだったけどトラクションコントロールをオフにしてコーナーを攻めたい気にさせられた。
コーナーでアクセルを踏み込むとテールがスライドして立ち上がっていく感覚はFRスポーツの醍醐味だ!
調子にノリ過ぎてスピンしてしまったのはここだけの話……。
●ノートオーラNISMO ニスモパーツ装着車
NISMO ノートオーラNISMO ニスモパーツ装着車。Cd値は悪化せずにダウンフォースを得られるフロントスポイラーなどを装着
検索サイト『グーグル』で日産と入力すると予測でトップに出てくる注目のオーラのNISMOバージョン。コーナリング性能が抜群だった。外から見るとロール量は多くタイヤに負担がかかっているようだけど、ドライバーに伝わるフィーリングは破綻することなくスムーズに曲がる印象。
そもそもトルクが高く瞬発力が魅力のオーラだけど、ホイールの素材を鍛造に変更し1輪あたり4kgの軽量化に成功したことでさらに駿足に仕上がっている。NISMOがチューニングしたらこうなるというお手本のような仕上がりだ。オーラNISMOは『静かで速い』。
■STI
●BRZ S STIパフォーマンスパーツ装着車
BRZ S STIパフォーマンスパーツ装着車。フロント~リアにかけて空気の流れを整流して前後の空力バランスを最適化するフロント、サイド、リアのアンダースポイラーを装着
いち早く新型BRZのパフォーマンスパーツをラインナップしたのはさすが。STIが特に推すパーツは「フレキシブルドロースティフナー」だ。近年、流行っているパフォーマンスダンパーに似たようなパーツだがSTIが開発したのは、それとは違う。
ステアリングラックのような形状で、適切な個所に装着しテンション(引っ張り)をかけることでシャシー剛性を補強する。これによりステアリングの初期入力とハンドリングが向上して意のままに操作できる感覚を目指した。
この日はノーマルのBRZも用意されていて乗り比べができた。
ノーマルでもハンドリングや旋回性はよくサーキット走行でも楽しくドライブできる仕上がりだが、STIは20km/hという低速域でも違いがわかる凄いパーツを開発。STIはすでに『変態』の域に達している。
●フォレスター STIパフォーマンスパーツ装着車
フォレスター STIパフォーマンスパーツ装着車。フォレスターは接地性を高めるため前後のリフトバランスにこだわったエアロパーツを装着
フォレスターにおいても妥協はない。オリジナルのデザインを損なわない空力パーツを備え、より精悍なイメージに変貌。
スポーツユーティリティ分野でもハンドリング向上を目指した結果、BRZでも述べた「フレキシブルドロースティフナー」を装着。ありがたいことに、こちらもノーマル車が用意され比較テストができた。
初期のハンドリングにおいてサスペンションが変更されているかのような反応。コーナーのボトム域でステアリングを切り足すとロール感はあるもののタイヤの接地感があるから安心してトラクションがかけられるのは魅力だ。
■TRD
●ヤリス ラリー仕様(1.5L・FF)TRDテスト車両
TRD ヤリス ラリー仕様(1.5L・FF)TRDテスト車両。TRDラリーチャレンジと全日本ラリーのために開発され、グラベルからターマックまで対応する
国内向けラリー仕様のヤリス。入門カテゴリーの車両ベースとしてはちょうどいい。ラリーではターマック、グラベルでサスペンションを交換するのは常識。
しかしTRDではスプリングを交換するだけで両ステージに対応できるサスペンションを開発。エントラントの参戦コストを抑えてくれる嬉しいサスペンションが完成した。
フラット路面のサーキットでは適度にロール感があり乗りやすい『足』だ。
ロールケージが入っていると旋回方向のリアタイヤが浮いてしまうが、このヤリスは常にタイヤが路面に接地していてサスペンションがしっかり仕事をしている。
アクセルのオン/オフで自在に曲がれる感覚はラリー経験のないオレでも参戦したくなるほどの仕上がりだった。
●ハイラックス オフロードレース仕様
TRD ハイラックス オフロードレース仕様。同乗試乗したのは、2019年にオーストラリアで開催された「Tatts Finke Desart Race」でクラス優勝を飾った車両だ
海外でも活躍している塙郁夫(はなわいくお)選手のドライブでTRDハイラックスのポテンシャルを体感させてもらった。活躍している選手の助手席に乗せてもらうことがないので新鮮だった。
乗用車とは違いトラック並みに目線が高いのに瞬発力が抜群。ノーマルの6速ATをマニュアルモードにして走行していたが、シフトアップダウンともにクイックなのも速さを感じる要素。聞くとCPUチューニングでシフトタイミングを変更しているとのことだ。
コーナーの進入ではフルブレーキングでフロントに荷重を移行させ、リアをリフトさせて曲げる。車体が大きいハイラックスはブレーキを巧みに使い荷重移動で曲がるのがコツだそうだ。慣れないドライバーだとアンダーステアでまったく曲がらないらしい。
■無限(MUGEN)
●シビック MUGENパーツ装着車
無限 シビック MUGENパーツ装着車。エアロパーツに加え、ステンレス製スポーツエキゾーストシステムや18インチ鍛造アルミホイール「FS10」を装着
無限としても新型シビックのパーツ開発はマスト。車両価格は税込みで319万円~と、20~30代の若年層が購入するには少しつらい価格帯だが、運転して楽しいのがシビックというクルマだ。
試乗車はマニュアル。サスペンションはノーマルなのに旋回性能がよくて剛性感がある。コーナーのターンインでフロントタイヤの接地感がステアリングに伝わり、ロール感はあるものの攻めた走りでもバランスが破綻することがなかった。これはパフォーマンスダンパーの効果のようだ。
純正同インチのホイールを鍛造にすることで1輪4kgもの軽量化を実現。ばね下を軽くしたことでCPUでも変更しているのか!? というくらいの瞬発力。アクセルを床まで踏み込んだ際、タコメーターの動きとともに室内に響くエキゾースト音がカスタムした喜びを感じさせる。
●ヴェゼル MUGENパーツ装着車
無限 ヴェゼル MUGENパーツ装着車。ヘッドライト下のフロントロアラインデカールや、フロントグリルガーニッシュによってより精悍な顔つきに
フロントマスクが特徴的なヴェゼルは、いかついマスクのわりに女性人気が高い。
無限ではさらにダイナミックなスタイリングを意識した空力パーツを製作。一つひとつのパーツを見ると派手さはないのにフル装着すると精悍なヴェゼルに変身する。
SUVはロールセンターが高いからミニサーキットでの旋回性には期待はしていなかったけど、予想に反し意外と悪くない。テールエンドをチタン製にしたスポーツサイレンサーが装着されハイブリットでもエキサイティングな音が楽しめるのも魅力的だ。
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みんなのコメント
ギリギリとんがった性能じゃないけど、踏んでも壊れない安心感がある。
エンジンまで手を加えた車種が多かったのに、今やパーツを交換しただけ。