フルモデルチェンジを果たしたマツダ3代目アクセラの試乗インプレッションをプレイバック! 自動車評論家 国沢光宏が、ガソリン、ハイブリッド、ディーゼルを乗り比べてガッツリ味見してみました!!!(本稿は「ベストカー」2013年12月10日号に掲載した記事の再録版となります)
文:国沢光宏/写真:藤井元輔
ガソリン ハイブリッド ディーゼル……中古選びの「正解」は!!? 超絶進化のマツダ3代目アクセラ 各モデル比較試乗をプレイバック!【ベストカーアーカイブス2013】
【画像ギャラリー】室内の居住性に不満なしか? ラゲッジスペースの比較も掲載!(26枚)
■2種類のガソリン、ディーゼル、ハイブリッドの走りを徹底比較!
2種類のガソリン、ディーゼル、ハイブリッドの走りを徹底比較!
クルマ好きにとって今年一番気になる存在がアクセラでございます!
最近の日本車は燃費やコストパフォーマンスを熱心に追求しているものの、欧州車とガチで“クルマの奥行き勝負”できるかとなれば厳しい。
今年のフランクフルトショーでもアクセラは元気ない日本勢のなかで唯一、光っていました。すでにベストカーでもプロトタイプの試乗レポートをお届けしているけれど、残念ながらディーゼルとハイブリッドが間に合っていなかった。
改めて、ガソリン、ハイブリッド、ディーゼルを乗り比べて、ガッツリ味見してみました。
1.5Lと2Lのガソリン、2LのHV、2.2Lディーゼル、どれが一番?
【画像ギャラリー】室内の居住性に不満なしか? ラゲッジスペースの比較も掲載!(26枚)
■1.5L、2Lのガソリン仕様は?
1.5Lは5ドアハッチバックのアクセラスポーツと4ドアセダンに搭載
JC08モード燃費はアクセラスポーツが19.2~19.4km/L。セダンが19.2~19.6km/L
1.5Lは111ps/14.7kgm、2Lは155ps/20.0kgm。1.5Lは排気ガスの圧力を高効率に低下させるプリサイレンサー付きの専用排気システムを採用
ピアノブラックのパネルにシルバーの加飾でとても170万円台からのクルマに見えない。Aピラーが細く、圧迫感が少ないのが特徴
まずガソリンから。予想以上に元気だったのが新登場の1.5LのSKYACTIV-G(111ps/14.7kgm)搭載モデル。この1.Lエンジンはアクセラスポーツとセダンに搭載。中回転域まで賑やかな音を出すも、1.6L級エンジンと同等のトルク感!
高回転域になれば音質よくなり、なかなかの好印象である。CVTとの相性がよく、普通に走るならこのエンジンで充分といった感じ。足回りもすばらしい!
ボディの剛性感が高く、欧州車風。2LSKYACTIV-G(155ps/20.0kgm)は乗り心地もエンジンも普通の仕上がり。
個性という点で弱く、ベストカー読者からすれば縁遠いかもしれません。
【画像ギャラリー】室内の居住性に不満なしか? ラゲッジスペースの比較も掲載!(26枚)
■ハイブリッド(2L SKYACTIV+THSII)の走りは? プリウスとどう違う?
7インチモニター内のドライブモード表示、メーター内のパワーモニターがハイブリッド専用
右側がR-N-D、左側がBのシフトモード。最初はぎこちないが慣れれば平気
ダッシュボード中央にある7インチモニターにはエネルギーフローモニターを表示。メーター左側にはパワーメーター、電池残量などを表示、右側は燃費計がある
メーター右側下にはEVモードのスイッチを配置。プリウスはパワーモード/エコモード/EVモード(モーター走行)があるが、アクセラはEVモードのみ
アクセラハイブリッド(4ドアセダン)
アクセラハイブリッド(4ドアセダン)
続いてハイブリッドのセダン! システム自体はプリウスとほぼ同じだと思ってよい。モーターも動力分割機構もインバーターも共通。
99ps/14.5kgmのエンジン出力とトルク、モーター出力とトルクの82ps/21.1kgmまで同じ(プリウスは1.8L、アクセラは2L)。味付けのみマツダのオリジナルだと思っていただければよかろう。
参考までに書いておくと、プリウスの場合、同じアクセル開度でもECOモードだと出力を抑えてあり、パワーモードだとパワー出す方向。マツダは切り替えモードをやめアクセル開度に対し素直なパワー特性を持たせたそうな。プリウスの通常モードに近い。
ということでドライバビリティは大差なし。しかし!
エンジンの始動が驚くほど滑らかだったりして。考えてみたらマツダってアイドルストップ技術を構築する際、再始動のタイムラグを減らすためエンジン停止時のシリンダー位置コントロールまで行っていた。その技術を投入したという。
加えて直噴だから燃料の吹き方も細かく制御できる。エンジンフィールはプリウスより良好。JC08モード燃費はアクセラHVが30.8km/L、プリウスは燃費スペシャル車のLは32.6km/L、ほかのグレードは30.4km/L。
HV専用のSKYACTIV2.0。エンジンは99ps/14.5kgm、トヨタから供給を受けたモーターは82ps/21.1kgm、システム出力136ps。燃費は30.8km/L
参考までに書いておくと、プリウスより燃費いいのは主としてタイヤの差だと考えます。システムとしてはイーブンかと。
アクセラHVの圧倒的な優位点が乗り心地!
現行プリウスが出た時から「これでシャーシがVWゴルフと同等だったら世界一の実用車なのに!」と書いてきた。アクセラHVのハンドルを握って走り出すや「コレでしょ!」。正しくゴルフのシャーシを持つプリウスだ!
乗り心地、圧倒的に違う。路面からの細かい入力はキッチリと抑え込んであるし、そもそも質感からして高い。静かなハイブリッドの持ち味を存分に引き出せている。
それでいて装備を合わせればプリウスよりお買い得なのだった。
アクセラハイブリッド(4ドアセダン)・エンジンの始動、停止を含む全速度域で協調制御を極め、マツダ独自の味を実現
【画像ギャラリー】室内の居住性に不満なしか? ラゲッジスペースの比較も掲載!(26枚)
■2.2Lディーゼルの走りにタマげる
アクセラスポーツXD(クロスディー/6MT/6AT=298万2000円)。「ディーゼルのMTが一番」(国沢光宏)
よく見ないとわからないがフロントグリル(シグネチャーウイング)の内側部分が赤い塗装になっている
XDはスポーティな位置付けのため高輝度アルミホイールやピアノブラック塗装のリアバンパー、専用サスなど装備満載
スムースレザー&クロスレッドステッチのステアリング、ラックススウェード/レザーシートが特徴
低圧縮比14.0を実現したSKYACTIV-D2.2。外ではさすがにディーゼルとわかるが走行中は気にならない
最後は全国30万人のベストカー読者にとって一番気になるディーゼルであります!
まだ型式認定されていないということで燃費は未発表。聞けば11月中旬には認可が取れるらしい。「燃費より走りです! 数値はアテンザと同等と考えてください。22km/Lあたりかと思います」。
6速AT車から味見しましょう!
Dレンジをセレクトして走り出すと「おおぅ!」。トルクフル。スペックは175ps、42.8kgm。なんたってトルクは4.5Lのガソリン車に匹敵。普通に踏んでも元気一杯!
踏めば怒濤のようにトルクが出てくる。ギアの繋がりも文句なし。走行中、ディーゼル特有の音は気にならず、振動は皆無に近い。
何より乗り心地が上質だ。聞けばディーゼルだけ専用のダンパーを奢っているそうな。微少入力をキッチリといなし、大きな入力が入ればドッシリ受け止めてくれる。正統派の足回りである。どうしてこんなによい足に仕上げられたのか不思議。
CX-5もアテンザも、発売後もサスペンションを進化させ、相当よいレベルに仕上げてきていた。されど新型アクセラのディーゼルは一段とレベルが高い。現在発売している日本車で最も快適だ。300万円の予算があるなら、迷うことなくアクセラのディーゼルを買うべし!
そんなことを考えながらマニュアル仕様に乗り換え、走り出す。するとどうよ!「コレっきゃないでしょう!」。ユーチューブ用の動画を撮ったのだけれど、走り出した瞬間から国沢光宏、大喜びしちゃってる!
トルク特性がグループNのラリーカーに極めて近い(車重も1430kgでラリーカーと同等)。2000rpmくらいで最大トルクになり、4500rpmまでパワーダウンしない。
ガソリン車より早めにシフトアップしたって充分以上に速いのだった。しかも6速AT車よりタイムラグが小さく、意のままに操れる感じ。
アテンザにも言えることながら、ディーゼルエンジンはマニュアルで乗ったほうが圧倒的に楽しいし、実用燃費だってよい。
最近のガソリンエンジンを見るとマニュアルよりATのほうがカタログ燃費で優れているけれど、ディーゼルについちゃ逆転する。しかもアテンザのシフトフィールときたら「すばらしい!」というレベル。日本車のマニュアルミッションのなかじゃNO.1といってよかろう。
価格は298万円と安くないが、BOSEのオーディオから自動ブレーキ、ナビ、アダプティブクルコンすべて標準です。
ディーゼルに限らず新しいアクセラは全般的に装備内容が充実している。ハイブリッドもナビ標準装備。インテリアなんかCセグメントなのにソフトパッドを使っている!
居住スペースも後席に身長175cmの大人が座っても膝前、頭上空間ともにこぶし1個分入る、ゴルフとほぼイーブンじゃなかろうか。
マツダというメーカー、少し収益に余裕できるとクルマに使っちゃう。そのあたりが弱点であり、クルマ好きからすれば魅力なのだった。
国沢は新しいアクセラを買うか? アダプティブクルコンが停止まで制御してくれ(現状は30km/hで解除)、自動ブレーキを歩行者でも行ってくれるようになれば最有力候補。アクセラのなかで間違いなくディーゼルがNO.1です!
【画像ギャラリー】室内の居住性に不満なしか? ラゲッジスペースの比較も掲載!(26枚)
■プリウスのTHSIIとどう違うのか?
青の部分がマツダ独自のユニット、緑の部分が供給技術を改良したユニット
アクセラのHVシステムはトヨタから供給を受けたプリウスと同じTHSIIだ。大まかにいえばほぼ同じといっていいがただ供給を受けたものを使ったわけではない。
まずHV専用に開発された2LSKYACTIV-Gエンジン。圧縮比が13.0から14.0に、4-2-1から4-1に変更された排気システム、排気の熱を利用して暖機を早めて燃費を向上させる排気熱回収システムなどが採用されている。
また始動/停止時の振動を抑制するi-stop、停止~EV走行~HEV走行の全速度域において、ドライバーの意思を最優先にしたリニア&スムーズな制御、回生ブレーキを最大限に使いながら油圧ブレーキとの協調制御を作り込みリニアな特性としたブレーキなど、マツダ独自の“走り”に重点を置いた制御系の改良が施されている。
【画像ギャラリー】室内の居住性に不満なしか? ラゲッジスペースの比較も掲載!(26枚)
■最後に各モデルの価格と主要諸元を比較!
各モデル主要諸元。ガソリン、ディーゼル、ハイブリッドが1車種から選べるのはアクセラだけ!
●アクセラスポーツ1.5L……171万1500~205万8000円
●アクセラスポーツ2L………220万5000~243万6000円
●アクセラセダン1.5L……171万1500~205万8000円
●アクセラハイブリッド(4ドアセダン)……237万3000~262万5000円
●アクセラスポーツXD(クロスディー/6MT/6AT)……298万2000円
※本誌掲載時の価格です。
アクセラの販売計画はハイブリッド40%、ディーゼル15%、ガソリン車45%(月販目標台数は3000台)。10月中旬現在の受注状況はハイブリッド23.5%、ディーゼル19%、ガソリン55.5%(うち1.5が33.4%)となっている
(写真、内容はすべて『ベストカー』本誌掲載時のものですが、必要に応じて注釈等を加えている場合があります)
【画像ギャラリー】室内の居住性に不満なしか? ラゲッジスペースの比較も掲載!(26枚)
投稿 ガソリン ハイブリッド ディーゼル……中古選びの「正解」は!!? 超絶進化のマツダ3代目アクセラ 各モデル比較試乗をプレイバック!【ベストカーアーカイブス2013】 は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
「もう少し前に詰めて…」 なぜ停止線の“かなり手前”で「止まる車」がいるの? “スペース空け過ぎ”な謎行為…実は他の車・人への気遣いだった!?
ロシア軍のヘリコプターが“一網打尽”に? 「ハイマース」の凄まじい威力とは 「18万個の弾片」が降り注ぐ
新車89万円で“3人”乗れる! めちゃ小さな「斬新トライク」って最高!「バックモニター」標準装備で安心・安全なダイゾー「NEO-ONE」ビー・アンド・プラスが販売スタート!
クルマの「車検制度」が4月から変更!? 実は「得する」場合も!? 地獄の「予約取れない」問題がついに解消へ 自賠責はどうなるのか
“ステルス機用”巡航ミサイルの発射に成功! しかし搭載予定のF-35購入は米国が却下 使い道は?
「もう少し前に詰めて…」 なぜ停止線の“かなり手前”で「止まる車」がいるの? “スペース空け過ぎ”な謎行為…実は他の車・人への気遣いだった!?
「GT-RやZは作らねばならない!」 窮地の日産が「改めて日本は重要な市場」と表明して今後の新車投入や戦略を説明
ホンダの大黒柱「フィット」はなぜ苦戦中なのか? 答えは市場の変化と開発コンセプトの両方にある
東武東上線の「斬新な新型車両」がスゴい! “おでこが出てる”特殊形状で車内も変化!既存車両の動向は?
盗難車の「アルファード4台」と「LX」 輸出間近でギリギリ発見! 「コンテナ詰め」タイ輸出を阻止! “最後の砦”横浜税関が「ファインプレー事例」を発表
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
因みに6速ATです