輸入車 [2024.08.13 UP]
人気中古車実車レビュー【BMW iX3】初めての電気自動車にも最適なプレミアムSUV
街乗りからレジャーまで…日々のシチュエーションに華を添えるおすすめドイツ車5選
今回の人気モデル:BMW iX3
[BMW iX3]自動車ジャーナリスト 竹岡 圭と巡る人気中古車実車レビュー
文●竹岡 圭、ユニット・コンパス 写真●ユニット・コンパス
※中古車参考価格はすべてグーネット2024年7月調べ。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2024年9月号の内容です)
試乗レポートではわからない、身近でリアルな使い勝手を実車を取材してレビューするのが、「人気中古車実車レビュー」。デザイン、装備、使い勝手をレビューしつつ、中古車相場についても中古車販売店に取材し掘り下げます。
Profile:自動車ジャーナリスト 竹岡 圭
カーライフのサポーターとしてTVやラジオなどでもお馴染みの人気自動車ジャーナリスト。全日本ラリーにも参戦経験を持つ。2024-2025 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
緻密に計算されたBMWの電動化戦略
今回チェックする中古車は、BMWから発売されている、プレミアムSUVのiX3。取材させていただいたのは、2023年登録の「iX3 Mスポーツ」で、走行距離は5000km、支払総額は568万円。実車チェックを行うのは、自動車ジャーナリストの竹岡圭さん。
「X3かと思ったら、iX3、つまり電気自動車ですね! BMWというと、走りにこだわりの強いスポーティなブランドというイメージがあるけど、じつは欧州ブランドのなかでもいち早く電気自動車を市販化(i3:2014年)してるのよね。新しいことに挑戦するだけでもすごいんだけど、着実にノウハウを積み重ねてきて、電気自動車が本格的に求められるようになったら、セダンからSUV、クーペまで一気にラインアップを拡大したんだよね」
現在日本で購入できる電気自動車『BMW i』は7モデル。今回取材するiX3は、3代目X3をベースにしたもので、エンジンの代わりに最高出力286馬力を発生するモーターと80 kWhの駆動用バッテリーを搭載し、517km(現行モデル)の航続距離を実現しています。
「BMWは、最高の効率性と最大限の駆け抜ける歓びを目指しているのね。でも現状を考えると、すべてのクルマを今すぐ100%電気自動車にするのは難しい。そこで、ユーザーが自分のライフスタイルに合うパワートレインを選べるよう、『パワー・オブ・チョイス』という考え方でガソリン、ディーゼル、そして電気自動車と選択肢を用意しているの。それだけじゃなくて、どのパワートレインを選んでも後悔しない、満足できるのがBMWのすごいところ」
現行型X3(G01)が登場したのは2017年のこと。従来モデルに対して内外装の質感や走行性能を大幅にレベルアップしたことに加えて、自動運転技術「ドライビング・アシスト・プラス」を搭載。高い安全性能とドライバーの負担軽減を実現しています。そして2020年にはプラグインハイブリッド車「xDrive30e」を追加。2021年のマイナーチェンジではデザインを磨き上げ、音声認識システムやハンズオフ運転支援システムが加わりました。ほぼ同じタイミングで、電気自動車である「iX3」が登場しました。
「改めて考えても、今のSUV人気にXシリーズがおよぼした影響はすごく大きい。初代X5が従来のSUVのイメージをくつがえして、すかさずコンパクト版である初代X3が登場して大ヒットしたでしょ。それを見てあわてていろいろなブランドがSUVを開発して追随したけど、やっぱり元祖は強い(笑)」
むしろX3のライバルは、身内のX1だと竹岡さんは言います。
「新型X1の出来がすごく良かったから、モデル末期のX3が見劣りするかもって心配だったけど、そんなことはなかった。特にインテリアの質感や作り込みはさすが。レザーとウッドパネルの組み合わせも上品だし、操作系の作り込みとか細かいところまで文句なし。これぞプレミアムSUVって感じ。取材車両は2023年登録で568万円ということだから、初めての電気自動車としてもすごく魅力的な選択肢になるんじゃないかな」
プレミアムSUVとして買い頃を迎えたX3
現行X3(G01型)はBMWの主力モデルのひとつで、2017年から販売されていることもあり中古車市場には豊富に物件が存在。高年式のディーゼルモデルは認定中古車で600万円台が相場。「iX3」の中古車物件数はX3全体の2割弱といったところ。基本的にモノグレードなので、比較的中古車選びはシンプルなモデルだ。
中古車参考価格帯:510万円~670万円(21年~24年 iX3のみ)
取材協力|Ikebukuro BMW BMW Premium Selection 池袋
「首都高速 西池袋・北池袋出口より2km、東京メトロ有楽町線・副都心線 要町駅より徒歩約3分と、徒歩でも気軽にお立ち寄りいただけます。認定中古車の展示場と新車ショールームが同じ敷地にあり、商談スペースもリラックスいただける環境です」とセールスコンサルタントの赤木さん。購入者からの評判もよく、信頼の厚い販売店だ。
SHOP DATA
住所:東京都豊島区要町1-23-1
TEL:03-5986-0281
定休日:水曜日
営業時間: 10:00~18:00
URL:https://autoplatz.bmw.jp/ja/ikebukuro_bps
BMW iX3の実車をチェック!
【デザイン】X3シリーズとしてあえてEVらしさを抑えたデザイン
電気自動車イコール未来的な乗り物というイメージからすると、かなり控えめなiX3のスタイリング。もちろんこれは意図的なもので、内燃機関モデルから違和感なく乗り換えられるようにと考えられたもの。そもそも、ベースとなっているX3自体がBMWにとって主力車種だけあって、プロポーションやディテールもコンサバティブ。だからこそ、モデルライフ後半となってもデザインを古く感じさせません。そこはまさしく定番モデルならではのよさだといえるでしょう。
iX3は100%電気自動車。しかしデザイン的な主張はわずかに抑えられている。室内はウッドやレザーといった素材をふんだんに使う。
【装備】これぞプレミアム!足りないものが無いほどの充実度
「オーケー、BMW」の掛け声で作動するBMWインテリジェント・パーソナル・アシスタントを搭載。エアコンの操作やナビゲーションの目的地設定などを走行中にもステアリングから手を離すことなく可能にしてくれます。センターモニターは12.3インチのワイドディスプレイでタッチ操作にも対応。また、インテリアのマテリアルには上質な素材が使われており、ラグジュアリーな気分にさせてくれます。開口部の大きなパノラマ・ガラス・サンルーフは開放感たっぷりです。
装備は充実。12.3インチワイドコントロールディスプレイはタッチ操作のほか手元でも操作可能。ハンズオフ機能も備えている。
【使い勝手】操作の質まで上等!高級乗用車として満足できる心づかい
5人乗車時の荷室容量は510Lで、シートを倒すことで最大1560Lまで拡大可能。後席を倒すためのロックボタンは荷室内にあるため、後席ドアを開けずとも展開できるのが便利。床面がフラットで空間効率が高く、乗車人数に応じてシートが倒せるので無駄がありません。運転にまつわる使い勝手も考え抜かれていて、ほとんどの操作がステアリングから手を離さずに行えます。2021年10月の改良でハンズオフ機能を搭載。ロングドライブがさらに快適になりました。
プレミアムセグメントらしくシート調整など操作系は多くが電動化されている。セダンの快適性とSUVのゆとりが高次元で両立している。
ファミリーユースにも最適なプレミアムSUV
竹岡 圭 レビュー
デザイン[★★★★☆]
誤解を恐れずに言ってしまうと、最新のBMWフェイスに比べるとコンサバティブな顔つきなので、誰にも好かれやすいと思います。個性派もヴィヴィッドでいいんですけれど、親しみを持てるのはこちらかもしれません。インテリアも木目インパネやドアトリムなど高級感たっぷりで、所有欲を満足させてくれること請け合いです。
装備[★★★★★]
すごく細かいことなのですが、リアシートのリクライニングがレバーなんです。しかも手が届きやすいところにあるので、本当に使いやすいんですよね。これがiX1になるとシートに埋め込まれたヒモ式になります。もちろんヒモでもできることは同じなわけですが、やはり高級感ってこういうところに宿るような気がするんですよね。
使い勝手[★★★★★]
X1シリーズが大きくなってきたため、X5との間でちょっともがいている感じもあるX3ですが、荷室の広さなどを考えると余裕が違うんですよね。コンパクトクラスとは違う余裕のスペースや、ゆとりの装備などがX3の真骨頂。使いやすさと、いろんな意味でのお手ごろ感の高バランスさが魅力です。
編集部 レビュー
デザイン[★★★★★]
車体サイズは立派ですが、「3」のネーミングからイメージするとおりの若々しさがあります。多くの人にとって、BMWらしいスポーティかつ上質さを感じさせるスタイリングだといえるのではないでしょうか。SUVでありながら、都会がよく似合う洗練されたデザインとそれに見合った各部の質感は見事です。
装備[★★★★★]
インターフェースにデジタル技術を積極的に取り入れることで、多機能でありながらも使いやすくまとめられています。インフォテインメントシステムは表示も綺麗で画面サイズも適切。高速道路での渋滞時にハンドルから手を離すことができるハンズオフ機能も搭載。これはBMWならではの装備となっています。
使い勝手[★★★★☆]
全長約4.7m、全幅約1.9mと立派なサイズですが、カメラシステムが充実しているので、駐車時や狭い道でも安心して運転できます。シートや運転姿勢といった基本的な設計のレベルが高く、どのシートに座っても疲れにくいのも魅力。SUVの特徴でもある荷室も、広さだけでなく操作しやすく、フラットな形状で便利です。
ライバルモデルをチェック!
メルセデス・ベンツ EQC
2019年に導入されたSUVスタイルの電気自動車。メルセデスらしく細部まで作り込みにこだわっていて、電気自動車であることを言い訳にしない完成度の高さを誇っている。
中古車参考価格帯:500万円~750万円(19年~24年 EQC 全グレード)
アウディ Q4 e-tron
2022年にアウディの電気自動車第3弾として登場。ボディサイズはQ5よりも小さいが、EV専用プラットフォームを採用することで、インテリアの全長はQ5を凌ぐ広さを実現した。
中古車参考価格帯:400万円~580万円(22年~24年 Q4 e-tron 全グレード)
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