この記事をまとめると
■数あるボディカラーのなかでも人気が高い黒が似合うクルマを紹介
じつは世界で1番の人気色! どのクルマにも似合うけど乗るなら「やっぱり白だよ」なクルマ5選
■特別な塗装であるケースも多く、塗装方法や塗料にこだわった黒も多い
■世界一黒いと言われている特殊塗料を用いたコンセプトモデルも登場している
どんな場面でも似合う「黒」がオススメのクルマたち
もともとは19世紀頃から喪に服すための色とされてきた黒を、一躍ハレの日の色に昇華させたのは、1926年に発表されたシャネルのブラックドレスだったと言われています。日本では冠婚葬祭をはじめとするフォーマルな場で、黒は欠かせない色。その一方で、風水では黒は陰の気を持つ色に分類されるため、運気の流れを断ち切ってしまったり、気を遠ざけてしまう色ともいわれ、ここぞというときに取り入れる色とされています。
そして、クルマのボディカラーにおける黒は、威厳や迫力、高級感をまとう色と言えるのではないでしょうか。そのため、白や赤だと華やかさが前面に出ていたり、青や黄色だとカジュアルなイメージが強くなるデザインが、黒いボディカラーになると一変して大人っぽく、カッコよく映えるようになることがあるのです。今回はそんな、ダントツで黒が魅力的なクルマたちをピックアップしてみましょう。
まず1台目は、普段は黒いクルマは絶対に選ばないという人まで、「これは黒一択」だと口を揃える、フォルクスワーゲン・アルテオン。低くワイドでクーペライクなルーフラインを持つフォルクスワーゲンのフラッグシップモデルですが、フロントグリルが大きく、太めのメッキバーが何本も重なるデザインや、ちょっと下向きのワルっぽいヘッドライトが、黒いボディカラーだとものすごくカッコよく見違えるようになります。
「ディープブラックパールエフェクト」という名前のとおり、少し艶やかな深みのある黒は、シーンによっては要人を乗せるショーファードリブンがヨーロッパの街中を走るような、洗練された高貴な印象を与える黒となっています。2リッターのTSIエンジンがもたらす走りも力強くスポーティなアルテオン。ぜひ黒に注目してほしいと思います。
2台目は、ビッグマイナーチェンジをして迫力満点なフロントマスクが「プチレクサスか!?」と話題を集めた、ダイハツ・タントカスタム。グッと地面に向かって伸びるような、斬新なデザインのフロントグリルは、白や赤など派手な色味にすると少しやりすぎな感じを受ける人もいるなか、これが黒いボディカラーだとまさに「小さな高級車」の誕生。
色そのものはダイハツでは伝統的なブラックマイカメタリックなんですが、いい感じに迫力あるフロントグリルをプレミアムな印象に変化させ、フォーマルな場でもまったく浮かない、大人のスーパーハイトワゴン軽になるのです。タントといえば、助手席側の真ん中の柱をスライドドアに埋め込んだ「ピラーイン」構造の採用で実現した、ガバッと大きな開口部のミラクルオープンドアが代名詞。
乗り降りがラクなだけでなく、大きな荷物だってサイドからラクラク積み込めてすごく便利です。黒のタントカスタムなら、大切なゲストを迎えるようなシーンから、日常の買い物、レジャーまでオールマイティにこなせるはずです。
高級車のように見えるのも黒ならでは
3台目は、大きく迫力満点のフロントグリルが「斬新」だと話題を集めたトヨタのミドルクラスミニバン、ヴォクシー。このデザインは、ただでさえプレミアム感がアップしているのですが、新開発された「グリッターブラックガラスフレーク」という黒を選ぶと、もはや「プチアルファード」的なレベルになって超クールだという声が多くあがっています。
これまでのミニバンにありがちだった、ベッタリとしたチープな黒でもなく、不自然なほどにラメが主張するヤンキーっぽい黒でもない、まさに「格上げしてくれる」黒。薄型のヘッドライトが未来的な要素を添え、ド迫力のグリルも神々しい印象となるのは、黒というボディカラーの効果かもしれません。光の当たり方によってきらめきや深みが変化し、豊かさが感じられるところも魅力です。
新しいヴォクシーは、ハイブリッドとガソリン、7人乗りと8人乗りが設定されており、2列目シートの超ロングスライドや、オットマン、シートヒーター、大型テーブルといった豪華装備が備わるグレードが用意され、乗り心地もプチアルファードになっています。
4台目は、威風堂々としたデザインに生まれ変わった、2代目の三菱アウトランダーPHEV。三菱伝統のフロントマスク、「ダイナミックシールド」も新たなデザインとなって、厚みのあるボディが存在感を高めているモデルです。
三菱といえば浦和レッズなどでも親しまれている「ダイヤモンド」のエンブレムですが、以前からボディカラーにも「ホワイトダイヤモンド」「レッドダイヤモンド」がラインアップされていました。そこに満を持して登場したのが、「ブラックダイヤモンド」という黒。これがものすごく、アウトランダーPHEVのデザインと合っていて、プレミアム感がアップして見えるのです。このブラックダイヤモンドは3コートで、ガラスを使った高密度の光る層が加えられたところがこだわり。夜間など光の当たらないところでは漆黒となり、光が当たると輝きを増す黒となっています。
20kWhのバッテリーを搭載し、電気だけで最大87km(WLTCモード)の走行距離を実現しているアウトランダーPHEVは、ロングドライブにも最適なSUV。黒を選べば、フォーマルなシーンにも似合うことでしょう。
5台目は、この世でもっとも黒い「黒」だとして話題となった、BMW X6。その黒は「ベンタブラック」といって、もともとは航空宇宙向けに開発された特殊な塗装です。この黒で塗装された表面を見ると、人間の目は3次元感覚を失って、物体は2次元に見えるといいます。脳が、この黒は「穴だ」と認識してしまうのだそうです。反射率が1%なので、ボディ表面に当たる光は反射せずにほとんど吸収されて熱に変換されるのですが、この塗装は耐熱性が高いことも特徴。
自動車として初めてベンタブラックが塗装されたX6は、キドニーグリルやヘッドライトがより強いコントラストを表現して、見つめていると不思議な空間に迷い込んだかのよう。X6といえば、クーペライクでスポーティなデザインが大きな魅力ですが、ベンタブラックのX6はただ美しいだけでなく、吸い込まれそうなほど釘付けになってしまう1台です。ただし、このボディカラーを市販するには課題があるようで、まだ選ぶことはできないそう。
ということで、どのモデルにも必ず用意される黒いボディカラーですが、デザインや開発者のこだわりなどによって、情熱がこもった黒があるように思います。黒を選んだだけで、高級感がアップしたりカッコよくなるなら積極的に選びたいものですね。
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