■都会派ワゴンSUVの「レイバック」何がいい?
スバルのステーションワゴン「レヴォーグ」に追加された「レヴォーグ レイバック(以下、レイバック)」の開発コンセプトは「土の香りがしないクロスオーバー」。つまりオンロード主体のSUVとして投入されました。
スバルの歴代SUVを振り返ると、初代「インプレッサ」に設定された「グラベルEX」など似たポジションのモデルも存在しましたが、自ら公言したのはレイバックが初となります。
【画像】 超カッコいい!これがワゴンSUVの「レイバック」です! 画像を見る
そして、そのコンセプトがユーザーに支持されており、レヴォーグシリーズの中でのレイバックの販売比率は49%と、多くの人に選ばれていることがわかります。
ただ、SUVである以上は舗装路以外の走りも気になるところでしょう。そこで雪道の走りを検証するために、青森県の豪雪地域(酸ヶ湯温泉)を中心に試乗を行なってみました。
ちなみに今回の試乗車は、ディーラーオプションの「プレミアムアーバンパッケージ」が装着された、よりオンロード向けのルックスにコーディネイトされたモデルで、スタッドレスタイヤはヨコハマ・アイスガード7を装着しています。
まずは青森市内でクルマを受け取り、試乗をスタートしました。
2025年の1月初旬には記録的な大雪に見舞われた青森市ですが、試乗時は雪が少なく、市内はほぼ舗装路面。一方で、気温はさすがに雪国ということもあり、こんな時はシートヒーターがあると嬉しいものですが、スバルのそれは他のメーカーのものより効きが良いことはあまり知られていません。
しかし、残念なのはステアリングヒーターが未装着なところ。スバルの末っ子SUVの「クロストレック」には設定があるのに、レイバックにも装着してほしかったです。
レイバックの走りはレヴォーグよりも穏やかな特性ですが、そもそもレヴォーグがかなりスポーティな味付けなので、むしろ「いい塩梅」といえる走りです。
具体的には、レヴォーグは姿勢変化が少なめで路面にピターッと張り付いて曲がるのに対して、レイバックは逆にロールを活かし(といっても一般的なクロスオーバーよりは小さめですが)路面をしなやかに捉えながら曲がるイメージで、「より自然」、「よりスッキリ」したハンドリングです。
今回はスタッドレスタイヤ装着ですが、それを感じさせないレベルでした。
快適性は入力がマイルドな上に時間をかけて減衰させる特性で、街中では多くの人が「乗り心地がいい」と感じるはずですが、緩い凹凸が続くような路面だと少々バネ上が動きすぎる時も。この辺りは「レヴォーグ STIスポーツ」の電子制御ダンパーが使えると解決できそうな気がします。
パワートレインは1.8リッター水平対向直噴ターボ(CB18)+リニアトロニックの組み合わせ。単体で乗る限りはパフォーマンスの不満はないのですが、2モーターのシリーズパラレル式ハイブリッドを搭載する最新の「クロストレックS:HEV」を体感してしまった今だと、もう少しパンチが欲しいところです。
ちなみに試乗会の意見交換会で開発陣は「レイバックにもS:HEVを!」という声をさんざん聞いたとのこと。筆者(山本シンヤ)としては、CB18を活かすためには1モーターのパラレル式(もちろん現行よりも出力アップはマストですが)のほうが良いかなとも思いました。
■スバルSUVらしい頼もしい走破性が魅力的
酸ヶ湯温泉へ向かう山に登るにつれてウエット、ブラックアイスバーン、シャーベット、圧雪と路面状況は時々刻々と変化していったのですが、レイバックは何事もなく“普通”に走ることができます。
もちろん雪道では無理な走りは禁物ですが、普通に走る限りは危険な思いやドキドキ・ハラハラすることは無く、常に冷静にドライビングが可能でした。それは結果として安全運転にも繋がっています。
それはなぜかというと、レイバックにはスバルの他のSUVに装着される悪路走破性をより高めるデバイス「Xモード」こそ非装着ですが、伝統のシンメトリカルレイアウト+常時四駆(ACT-4)であることに加えて、最低地上高はクロストレックと同じ200mmなど、基本的なメカニズムは他のスバルSUVと同じところにあります。
要するに、レイバックはスバルラインナップの中では「オンロード主体」ですが、「乗用車+α」といった感覚のライバルのそれとは根本的な考えが異なり、中身は想像以上にガチなのです。つまり、スバルAWDの原点である「ジープ並みの悪路走破性」と「乗用車の快適性」の両立という思想は、レイバックも例外ではないというわけです。
ただ、その頑固さが故にオンロードでは少々不便なこともあり、そのひとつが最低地上高。200mmを実現させるために全高が1570mmとなっていて、1550mm以下のタワーパーキングに駐車できないのです。
開発陣に「オンロード主体ならば最低地上高180mmでも十分なのでは?」と聞くと、「スバルSUVの条件は最低地上高200mmなので」との回答。この辺りの課題は過去のスバル車に採用されていた車高調整可能な電子制御エアサスペンション(E-PS)の進化系などがあると解決できるかもしれません。
※ ※ ※
レイバックは、ただ単にレヴォーグを“クロスオーバー化”させただけのモデルではなく、個人的には現時点でスバルSUVラインナップの中でオンロード~オフロードを最も「気負いなく」「シームレス」に走ることができるモデルだと感じました。
現在はモノグレードの設定ですが、国内販売が終了する「レガシィ アウトバック」のユーザーの受け皿になるようなハイグレードなモデルや、STIスポーツのようなスポーティなモデルなど「選択の幅」が広がると、さらに魅力が増すのではないでしょうか。
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