カーライフ [2025.03.27 UP]
気になるEV、1週間徹底試乗レポート![日産 アリア]
文と写真⚫︎ユニット・コンパス ※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。
日産 「R32型GT-R」がEVで蘇る!東京オートサロン2025でコンセプトモデル披露!
電気自動車のある生活をレポートしてきた「リアルEVライフ」。 ホンダeを購入して1年以上経過した編集部 大塚。シーズン2では、そんな彼が違う電気自動車に乗って何を感じるのか? いろいろなEVを1週間ほど借り出して、シチュエーション別にテストしていきます。テーマはもちろん「徹底的にユーザー目線」で!
前回の記事はこちら▼
https://www.goo-net.com/magazine/knowhow/carlife/247282/
[今回のテストモデル]日産 アリア B9 e-4ORCE プレミア(91kWh)4WD
全長4595mm全幅1850mm全高1665mmホイールベース2775mmトレッド (前/後)1575mm/1580mm車両重量2210kg乗車定員5名最小回転半径5.4m駆動方式四輪駆動サスペンション(前/後)独立懸架ストラット式/独立懸架マルチリンク式ブレーキ前後Vディスクバッテリー総電力量91kWhバッテリー種類リチウムイオン電池電動モーター種類交流同期電動機最高出力(前)160kW(218PS)/5950-11960rpm最高出力(後)160kW(218PS)/5950-10320rpm最大トルク(前)300Nm(30.6kgf・m)/0-4392rpm最大トルク(後)300Nm(30.6kgf・m)/0-4392rpm充電方式普通充電:AC200V/急速充電:DC(CHAdeMO)一充電走行距離560km(WLTCモード)交流電力量消費率187Wh/km(WLTCモード) ・市街地モード183Wh/km(WLTC-L) ・郊外モード185Wh/km(WLTC-M) ・高速道路モード196Wh/km(WLTC-H)タイヤサイズ255/45R20 101V【メーカーオプション(消費税込み)】合計53万9000円
・クリアビューパッケージ(ワイパーデアイサー、リヤLEDフォグランプ〈運転席側〉) 3万3000円
・BOSE プレミアム サウンド システム&10スピーカー 13万2000円
・シート地(ナッパレザー)+抗菌仕様〈シート〉(ナッパレザー) 14万3000円
・プリズムホワイト(3P)/ミッドナイトブラック(2P)2トーン〈特別塗装色〉 9万3500円
・パノラミックガラスルーフ(電動チルト&スライド、電動格納式シェード付、リモート機能付)+ルーフレール 13万7500円
【ディーラーオプション(消費税込み)】合計18万1055円
・ウインドウ撥水 12カ月(フロント+フロントドアガラス撥水処理) 1万3255円
・日産オリジナルドライブレコーダー(フロント+リヤ) 9万1900円
・フロアカーペット(石庭調) 7万5900円
車両本体価格が860万3100円(消費税込み)のため、合計932万3155円となる車両。
日産 アリアの新車情報を見る
今回テストするのは、日産自動車のクロスオーバーEV「アリア」。2010年にリーフを世に送り出した日産自動車が、本格的なEV時代の到来を前に開発したモデルということで、2020年に市販モデルのお披露目では大きな注目を集めた。しかし、その後世の中がコロナ禍へ突入したため、テストの遅れや半導体不足の影響を受け、実際に街を走りはじめたのは2022年春ごろとなった。
アリアのプラットフォームはEV専用に開発された新しいもので、リーフを販売することで得たノウハウや各種データ、EVに対するユーザーニーズなどが反映された。将来的にこのプラットフォームを採用する電動車を数多く販売する計画で、その意味でもアリアは野心的なクルマづくりが行われた1台だといえるだろう。
そんなアリアのエクステリアは、弧を描くルーフラインが特徴だ。大人5人がしっかり乗れる居住空間を確保しながら、どことなく建築物を思わせる美しさが感じられ、ライバル車と比較してもその存在感は際立っている。日産車のアイデンティティであるフロントのVモーショングリルもそのデザインにしっかり溶け込んでいる。
フラットなフロアを実現したインテリアは、広々と開放的な空間に仕上がっている。運転席まわりで印象的なのは、物理スイッチの代わりにアイコン類がパネルに浮かび上がる操作系。メーターパネルとセンターディスプレイには、それぞれ12.3インチの液晶パネルを配置する。
駆動方式はFWDと4WDの2タイプで、モーターは新タイプを採用。バッテリー容量は66kWhと91kWhの2種類が用意されている。なかでも今回のテスト車である“e-4ORCE”と呼ばれる4WDを搭載する仕様は、前後モーターと4輪のブレーキをそれぞれ制御することで、意のままのコーナリングを実現。0-100km/h加速は最速5.1秒と、スポーツカー顔負けのデータをマークする。ちなみに一充電当たりの走行可能距離は、66kWh仕様で最長470km。91kWh仕様は最長640kmをマークしている。
【通勤テスト】自宅~勤務先の片道約25km(往復約50km)をテスト! 普段使いの電費や乗りやすさをここでチェック!
~まずは引き渡しで第一印象を~
編集部 大塚「やはり存在感がありますね。この彫刻的というか建築的なデザイン、個人的にとても好みです」
アリアのスリーサイズは全長4595mm×全幅1850mm×全高1665mmですから、これまでテストした車両と比べると、フォルクスワーゲンのID.4(全長4585mm×全幅1850mm×全高1640mm)、メルセデス・ベンツ EQB(全長4685mm×全幅1835mm×全高1705mm)と近いサイズとなりますね。
重いバッテリーを車体中央に配置し、低重心でいて前後の重量配分が均等になるように設計されている。
編集部 大塚「そう考えると、アリアのデザインはとても近未来的というか、ハイテクな感じが漂っていますね。発表から5年経っていますが、まったく古さを感じません」
アリア発表時に日産は、「新しい日産とニッサン インテリジェント モビリティ」を体現したデザインと説明していて、アリアの先進技術やコネクテッド技術のイメージをデザインで伝えているとしていますから、まさに狙いどおりの印象ですね(笑)。全体的なプロポーションもそうですが、グリル部分はスモークがかったパネルでカバーされ、そのなかに日本の伝統的な組子パターンを立体的に表現するなど、ディテールにもかなりこだわっているのがわかります。また、2022年4月にドイツの「レッド・ドット・デザイン賞」と「iEデザインアワード」、2022年10月に日本の「グッドデザイン賞」など多くのデザイン賞を受賞しています。
編集部 大塚「エクステリア同様に、インテリアにもこだわりを感じます。デザインや照明はとてもオシャレですし、フロントシートの左右でウォークするできるのもいいですね! 大人っぽくもあり、とてもリラックスできる空間に仕上がっていると感じました」
バッテリーケース内にクロスメンバーがあるため、フロアトンネルがないフラットなフロアを実現。ボディの高い剛性にも寄与している。
~いよいよ通勤テストスタート~
編集部 大塚「見た目の印象そのままで、オシャレなインテリアは気分がアガりますね! まず感じたのは取りまわしがしやすいこと。Aピラーとドアミラーの間に空間があるおかげで見切りがよく、臆することなく運転できます。また、シフト部分がアームレストと一体になっているため、前後に動かせるとは思いませんでした。私、この体験は初めてです」
アリアの最小回転半径は5.4mで、同等のサイズと先ほど記したフォルクスワーゲン ID.4は5.4m、メルセデス・ベンツ EQBは5.5mとなっています(じつはこの企画、いきなり乗ってどう感じるか、素直な印象をレポートしようということで、事前にあれこれ調べないようにと伝えています)。
編集部 大塚「タッチパネルですが、各種操作系がわかりやすいのもいいですね。車種によってはどのボタンにどの機能があるということや、電費計算のメーターリセット方法なども直感ベースで行なっているのですが、アリアは直感的に操作ができて、UIがとても優秀だと感じました」
乗り味と電費はどうでしょうか?
編集部 大塚「255/45R20というサイズだけにハードな乗り味を予想していましたが、どっこいゴツゴツ感はあまり感じられず、通勤領域ではいたって快適です。タイヤは『ダンロップのSP SPORT MAXX 050』でした。静粛性の高さも車格相応の素晴らしいものがありますね。また、気になる電費は片道21kmの通勤路で5.6km/kWhでした」
フロント=ストラット、リヤ=マルチリンクを採用したサスペンションの部品も高剛性のものが使用され、揺れにくさと快適な乗り心地を実現したとしています。
編集部 大塚「テストで毎度気になるのが、停車時に便利なオートホールド機能。アリアは一度セットすると、出先で再始動するときにキャンセルされず、機能が維持されたままなのがいい。ガソリン車でいうアイドリングストップ機能なども、毎回OFFに設定するのは小さなストレスですからね。また、アリアは『e-Pedal』が搭載されていて、アクセルペダルの踏み加減の調整だけで、加速に加えて減速もコントロールできて運転しやすく、とくに通勤時にはそのストレスフリーさが際立っていると感じました。最初はいろいろ試しましたが、最終的にはBモードばかりで走りました。このBモードだと、アクセルペダルをふいに放してもテールランプが点灯することもなく、後続車への配慮もできるなと」
【寄り道テスト】/会社からの帰り道、買い物やちょっとした寄り道での、使い勝手やワクワク感をチェック!
編集部 大塚「毎週のようにある出張では、早朝に新幹線に乗る必要があります。その際、自宅から新横浜まで片道55kmを首都高~東名高速と走るのですが、この速度域でのアリアの走りの素晴らしいですね。EVらしいドシっとした安定感に加え、ハンドリングも秀逸。イメージしたラインをスパっ!とトレースしてくれ、朝からテンションを上げてくれます。オートハイビームも、テスト中に対向車からのパッシングも一度もなかったことから、適切に機能してくれていたのだと思います。逆に、買い物でよく立ち寄るカインズや移動先では、フロントサイドにある充電口の関係で、充電ケーブルを引っ張ってなんとか差し込むなどの対応に迫られました。個人的に充電口はフロントかリヤに集約していたほうが使いやすいと思っています」
【お出かけテスト】ロングドライブでの電費や、快適性などを同乗者の意見も交えてチェック!
今回は自宅から河口湖へ
編集部 大塚「今回は河口湖を目指しました。妻と息子は後席の快適さに大喜び。足元は広いですし、背もたれの角度も自然。そして、ラゲッジが広いのもいいですね。ファミリーユースでの満足度はかなり高いと思います」
新しい日産車を語るうえで外せない「プロパイロット 2.0」の効果も知りたいですね。あらためての説明になりますが、「プロパイロット 2.0」は日産の最新運転支援技術の名称。クルマに搭載された7個のカメラ、5つのレーダー、そして12個のソナーで路上の白線、標識、周辺車両を検知。ナビゲーションシステムと3D 高精度地図データ使って道路状況を把握しながら、同一車線内でハンズオフ走行と可能としたものです。このアリアには、準天頂衛星システムなどからの高精度測位情報を受信して、より自車位置をハイレベルに把握することが可能になったとされています。メーターとヘッドアップディスプレイの表示は「通常=白」、「ハンズオン時=緑色」、「ハンズオフ時=青色」と変化します。
編集部 大塚「アリアの未来的な雰囲気と「プロパイロット 2.0」と相性はいいですね。高速移動のときは積極的に使って走っていました。ステアリングからの起動も直感的でわかりやすく、初期のプロパイロットからの進化もあってなめらかに走り続けることに関心しました。ただ、今回のテスト中は私が走行する場所が悪かったのか、青色になってくれないシーンが多々あり、もう少し慣れが必要だなと思いました」
アリアは先進運転支援システムも充実。オプション設定となるが、高速道路などでのハンズオフドライブが可能で、高精度な自車位置把握を実現している『プロパイロット2.0』が採用されている。
給電口は車両の横より前か後ろ派だと編集部 大塚。横の場合だと、クルマの向きを変えても充電ケーブルがギリギリのことがあるからだという。
自宅で駐車の図。普通充電口が右前だったため、このような形で駐車。
購入後に『NissanConnect サービス』に加入すると、「充電スポット満空情報」や「リモート充電」などの機能を有したサービスが受けられる。また、有料オプションとなるが、ドコモとの契約でデータ量を気にせずオンライン会議やインターネットができる車内Wi-Fiも使用することができる。
~試乗を終えて~
編集部 大塚「とにかくカッコイイ。このデザインと存在感だけでもライバルに対するアドバンテージなると思いますし、後席の居心地のよさもグッド。家族はもちろん、ゲストを乗せても喜んでくれるはず。また、後日、雪上で『e-4ORCE』を試す機会があったのですが、終始安定した走りを実現していて頼もしいと思いましたね。『e-4ORCE』は雪があまり降らない地域でも、悪天候では縁の下の力持ち的に安全走行をサポートしてくれるはず。デビューから少し時間が経ちましたが、アリアは総合力が高い1台だと思います」
今回のまとめ
走りについて
○とにかくデザインが美しく個性的
○インテリアの上質感もハイレベルで、居心地がよい
○日産の底力を感じさせる走りのよさと、「e-4ORCE」による車両安定制御
△ウインカーレバーが物理的にカチっとせずウインカー音も小さいため、出しっぱなしにしたり、消そうとして逆に方向に指示してしまったりで慣れが必要
△状況によって、若干電費性能が低い(!?)
今回の充電データ
河口湖のペンション
普通充電(200V・3kWh)24% → 70%
今回の電費データ
ロングドライブ航路
自宅→新横浜往復/高速道85%・一般道15%110.3km電費4.7km/kWh借用期間中の合計530.6km電費3.8km/kWh(オンライ会議7時間含む)
次回予告
次回は「アウディ Q4 e-tron」をじっくりテストします!
編集部 大塚リポータープロフィール:自他共に認めるクルマ好き、キャンプ好き、ウインタースポーツ好きにして、気になることは徹底的に調べるのがモットー。今回は企画を成立させるために、ローンを駆使して自らEVを購入。これからEVにまつわる諸問題に体当たりしていきます! プロトコーポレーション 執行役員/2024-2025 日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。
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