1980~90年代にかけて流行した2トーンカラー、なぜ今になってツートンカラーが復活の兆しを見せているのだろう。過去のツートンカラーのトレンドと違いはあるのか。クルマの印象を大きく変える、ツートンカラーについて考えていきたい。
文:佐々木 亘╱写真:ベストカーWeb編集部、トヨタ自動車
往年の2トーンと全然違くね!? クラウンなんて衝撃の塗分けよね? 昔と今のツートーンの違いってなんだ!?
■ボディ下部だけ違う色!! 全然今のと違うじゃん
パンダカラーの相性で親しまれるレビン
ツートンカラーのクルマは、1950年代には既に存在していた。
しかし、広く好まれるようになったのは、1970年代の後半から80年代にかけて。
2ドアのスポーツクーペや3ドアのスポーツモデルで、多く採用されていたツートンカラー。
Z10系のソアラ、AE86でおなじみのレビン・トレノもツートンカラーの代表的なクルマである。
当時は、ボディを横から見たときに、上3分の2がボディのメインカラーで、下3分の1をサブカラーに塗り分ける手法が多かった。
ボディ下部を、黒やガンメタ系の暗い色に変えることで、キャビンが大きく見え、足元を引き締める。
余裕のある室内空間を予感させるとともに、疾走感を感じさせる配色がツートンカラーには多かった。
90年代には、スポーツモデルだけでなく、高級セダンやクロカンでもツートンカラーが増えていく。
例えばクラウンでは、ホワイトパールのボディ色に金色味のあるメタリック系のシルバーを配色するツートンが大人気になった。
少し変わり種としてパジェロにもツートンカラーが登場する。上部と下部の色はメインのボディカラーで、差し色の様にサイドボディ中央部に2つ目の色が入るのが特徴。
背が高く、ボディ側面の面積が大きいからこそ成立するツートンカラーである。腰高感が色によって上手く調整され、ボディ全体に軽快さが生まれた。
盛り上がったツートンカラーだが、2000年代に入ると、急激に数を減らす。しかし、2015年以降、軽自動車を中心にツートンカラーが復活し始めているのだ。
■過去とは違うツートーン! 時代は上へ
特徴的なカラーリングで目を引く現行型クラウン
ボディ下部やバンパーを塗り分けるのが主流だったツートンカラーだが、最近のトレンドはボディの上を塗り分けるものになった。
この礎を作ってきたのが、Aピラーのブラックアウト処理だろう。ZC11S型スイフトなどで使われ、現在も残る表現方法である。
その効果は、箱型のイメージが強いクルマのAピラーを黒くすることで、フロントウィンドウガラスからサイドウィンドウガラスが1枚もので繋がっているような流れが出来上がるというものだ。
次第にBピラー・Cピラーもブラックアウトするクルマが増えていき、最終的にルーフ全体が黒くなることになる。
ボディのメインカラーと、真っ黒に塗られたルーフが最近のトレンドだ。ブラックルーフは軽自動車から広がっていき、SUV、コンパクトカーなど様々な車種に用意されてきた。
さらに大胆なツートンカラーに仕上げているのが、かつてツートンカラーを大ブームにしたクラウンである。
クラウンクロスオーバーは、ルーフ・ボンネット・テールランプ周辺までブラックで統一されるバイトーンと呼ばれるツートンカラーを準備した。
Aピラーをボディカラーと同色にして、あえてブラックアウトさせていないのが特徴的だ。
対してB・Cピラーがブラックアウトしており、通常のブラックルーフとは見た目の印象が変わってくる。
カーボンボンネットやカーボンルーフを想起させる色使いは、新しいクラウンの名にふさわしい。
現在のツートンカラーは、オプション設定で5万円~10万円前後で設定できる。オプションとしては少し高いが、注目度は抜群だ。
時代を先取りしたツートンカラーのクルマに乗り、周囲から向けられる注目の視線を一手に受けるのも、また気持ちいいと思う。
お気に入りの1台にツートンカラーの設定があったら、選んでみてほしい。ツートンカラーは、今しかできないクルマのオシャレである。
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みんなのコメント
かつてボディ下方での塗り分けが多かったのは、バンパーがボディからデザイン的に独立していたりプロテクションモールが付いていたりしたのが大きかったのでは。
モノフォルム化が進んだ今のクルマで自然に見せるには塗り分け方が異なるのも当然のことでしょう。
サイドミラーだけ赤いとかwアレ辺りからそうだった。
コストカットなんだけど…まず、似合ってるのなんて無い!www