アルファロメオのコンパクトSUVトナーレにPHEVモデルが追加されており試乗してきた。
トナーレはCセグメントサイズで、ジープコンパスと共通のプラットフォーム「スモールワイド」を大幅改良して採用し、ガソリン、ディーゼル、マイルドハイブリッド、そしてプラグインハイブリッドをラインアップしている。
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今回試乗したのはPHEVで1.3Lのマルチエアで、15.5kWhのバッテリーと128ps(94kW)/250Nmのモーターを組み合わせている。総合出力は280psで0-100km/h加速は6.2秒と瞬足だ。
2023年3月に1.5Lターボに48Vのマイルドハイブリッドを搭載したモデルを試乗していて、その時、印象に残っていたのは、ハンドリングがシャープでアルファロメオらしい操舵フィールであることと、ネガな印象として、アクセルレスポンスに不感帯があることが気になっていた。
PHEVの場合、モーター出力が大きく、どのような走行フィールになるのか興味深くテストドライブをしてみた。
まずはハンドリングが「フツー」のフィーリングで、以前の切れ味鋭く、スパッとコーナーに切り込んでいく姿は影を潜めていた。ただし穏やかということではなく、異常なほどの切れ味は薄くなったというイメージだ。言い換えれば、運転がしやすくなり、誰がドライブしても思ったとおりに回頭を始めるわけで、思った以上のことは起こらないということ。これは歓迎すべきことと感じている。
もう1点気になっていたアクセルの不感帯だが、これも全くなくなっており、ターボラグなのか、レスポンスしないエリアを高出力モーターがカバーしていて、いつでもレスポンスする乗りやすい反応になっていたのだ。
つまり、コンパクトSUVでヤンチャな走りが持ち味のガソリンターボ系と、少し穏やかで大人な性格で環境も考えているよ、といったメッセージを受け取っているような走りをするPHEVという違いがある。
この性格の違いをつくる理由のひとつとして、前述のモーター駆動があるが、さらにPHEVモデルには「Q4 All-Wheel Drive System」を搭載しており、あらゆる路面において、走行中のトラクションをコントロールし、パフォーマンスと効率の面で高い性能を発揮するよう制御されていることがある。
モーターはリヤに搭載されており、エンジン駆動はフロントタイヤという構成のため、前後駆動力の制御には緻密さが求められ、その結果、だれもが運転しやすい、そして機敏に、期待通りに操舵応答し、コーナーを駆け抜けていく姿になっているのだ。
さて、基本情報としてボディサイズは全長4530mm、全幅1840mm、全高1600mm、ホイールベース2637mmで、EV走行の航続距離は72km。日常はEVで賄うことができる距離を持っている。ちなみに、急速充電には対応しておらず、200Vの普通充電だけだ。
日本の急速充電に対応しない理由としては、CHAdeMOへの対応が非常にハードルが高く、開発時間と費用がかかることがある。さらに日本のインフラの課題もある。そしてもっとも大きな理由としては、台数が出ないことがある。少数台数のために、それだけのリスクを背負って販売してもメリットは小さく、開発費を車両価格に上乗せしてしまえば、さらに販売は伸びない結果になるからだ。
ときどき「エンジンを搭載しているのに、急速充電を使うのは道徳的ではない」という意見を述べる人もいるが、CO2削減にどんな手段で行なうか?という根本を忘れているからだろう。フランスや中国のように原発での発電が活発な国であれば、積極的に電力を使ったほうがCO2削減には貢献できる。さらに中国の高速道路にある急速充電設備は充実しており、数十台の充電設備が常時稼働しBEVを待たせるような環境にはない。
話を戻して、トナーレPHEVにもドライブモードとして「d、n、a」が備わっている。dはダイナミックでエンジンとモーターで駆動し、アクセルレスポンスもクイックになる。ギヤシフトもクイックに感じられ、やる気モードという雰囲気が感じられる。
nはナチュラルでノーマルモードだ。日常はこのモードが乗りやすく、動き出しはモーターで走り、バッテリー状態に合わせてエンジンが稼働する。実際の走行では、ほとんどモーター走行なので静粛性も確保される。
そう、静粛性といえば、ガソリンMHEVのときは高級車としてはノイズが入り込んでいた印象を持ったが、PHEVは、その静粛性も高いと感じており、車両重量の重さも含めて全体が上質に感じるのだ。
さてaモードはアドバンスド・エフィシェンシーで、EV走行を積極的にするモードで最高速は135km/hまでEV走行をする。バッテリー残量が低下したときや、フル加速をした場合などは自動でエンジンが稼働するが、その際、モードも自動でnに戻るのだ。
だから当初aモードを選択してEV走行をしていても、いつのまにかnモードに戻っているという場面があり、結局、深夜の住宅街とか、エンジン音を消したいときに使うモードというのが実用なのかもしれない。
諸元
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