■スペシャリティカーとして誕生したプレリュード
ホンダ「プレリュード」は、1978年から2001年まで5世代に渡って販売されたスペシャリティカーです。
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1978年に発売された初代プレリュードは、2ドアのノッチバッククーペスタイルで登場しました。日本初の電動サンルーフが採用され、集中ターゲットメーターと呼ばれるスピードメーターとタコメーターが一体化したメーターを採用するなど、ホンダの最新技術が投入されたモデルでもありました。
しかし、性能的には目をみはるものがなく販売は成功したとはいえず、1982年には2代目が登場。
リトラクタブルヘッドライトを装備した低いボンネットがスタイリッシュなフロントスタイルを作り出し、ワイド&ローのプロポーションが若者にうけ、総生産台数60万台以上の人気のモデルとなりました。
そして、1987年には3代目プレリュードが発売され、リトラクタブルヘッドライトやスポーツカーのような低いボンネットなど、2代目で人気を獲得した要素をふんだんに盛り込んだ、キープコンセプトのモデルに仕上げられました。
エンジンは、2リッター直列4気筒SOHCツインキャブと、DOHCで電子制御燃料噴射装置を備えた2タイプが用意され、2代目よりもさらに低いボンネット高を実現するため、前側に15度傾けていたエンジンを後側に18度傾けるといった工夫も図られました。
サスペンションは、2代目でフロントに採用されたダブルウィッシュボーン式サスペンションをリアにも採用して4輪ダブルウィッシュボーンとなり、走りの質もさらに向上。
高性能なエンジンと優れた足まわり、そしてスタイリッシュなスタイルから、3代目プレリュードは売れるべくして売れたクルマでした。
また、単なるデートカーというわけではなく、技術的にも意欲作といえるモデルとなっていました。
■量産車で世界初の舵角応動型機械式4WSを採用
3代目プレリュードで目玉となったのは、量産車では世界初採用となる舵角応動型機械式4WS(4輪舵操舵)が搭載されたことです。当時4WSによる後輪の動きがクローズアップされたCMが印象的でした。
ちなみに4輪操舵としては、1985年に発売された日産「スカイライン」に搭載された「HICAS(ハイキャス)」がありましたが、高速走行時の安定性を追求した同位相(フロントタイヤと同じ方向にリアタイヤが操舵される)のみの作動タイプでした。
プレリュードに採用された舵角応動型機械式4WSでは、高速走行時の安定性を高める同位相だけでなく、低速走行時の小回り性を高める逆位相(フロントタイヤとは逆方向にリアタイヤが操舵される)も採用されたのが特徴です。
その後、同年には世界初の車速感応式4WSを採用したマツダ「カペラ」が発売されましたが、コストパフォーマンス面で機械式を採用したプレリュードの4WSが優れていたといえます。
1989年のマイナーチェンジでは、リトラクタブルヘッドランプの通常モデルのほか、薄い横長形状の固定式ヘッドライトを採用した「プレリュード inx(インクス)」が追加ラインナップされました。
プレリュード inxはシックな印象のデザインで、より幅広い年齢層のユーザーに向けたモデルといえます。
また、1990年には3000台限定で特別仕様車の「Si States(ステイツ)」を発売。このモデルは全幅が5ナンバー幅を超える1715mmのワイドボディに加え2.1リッターエンジンを搭載し、シリーズ初の3ナンバーモデルとして投入されました。
3代目プレリュードは1988年に登場した日産S13型「シルビア」と人気を二分しましたが、2代目以上の生産台数を達成し、成功を収めたといえます。
その後、1991年には4代目へバトンが渡され、スペシャリティクーペからスポーツクーペへとコンセプトが変更され、全車3ナンバー化が図られました。
しかし、3代目ほどセールスは伸びず、1996年に登場した5代目では3代目のスタイルに回帰したものの、販売の低迷は回復せず、2001年にプレリュードの23年の歴史は幕を閉じました。
※ ※ ※
時代とともにクルマへの価値観が変化し、今では2ドアクーペのスペシャリティカーは風前の灯火という状態です。
しかし、その代わりにクロスオーバーSUVが人気となっており、スタイリッシュで使い勝手もよく、デートでも長距離の旅行でも似合うとあって、ある意味現代のスペシャリティカーともいえるでしょう。
トヨタ「クラウン」がSUVになるという噂もありますが、もしかしたらプレリュードがSUVになって復活するなんていうことも、あながち冗談ではなくなるかもしれません。
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みんなのコメント
本当はソアラだったがそんなものは買えるはずもなく初マイカーとなったのはインテグラZS
キャブ仕様の安いやつ
でもカッコ良いと思ってた
この頃のホンダが一番輝いていた