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今もある! 現代版「羊の皮を被った狼」!!

掲載 更新 47
今もある! 現代版「羊の皮を被った狼」!!

小型ファミリーセダンとして開発され、1.5Lの4気筒エンジンを搭載して1963年に登場した2代目スカイライン。この小型セダンにひとクラス上の6気筒エンジンを搭載してレースで活躍したスカイラインGTにつけられた愛称が「羊を被った狼」だった。

ボディタイプはセダンやハッチバック。つまり見た目はおとなしめではあるけれど、内に秘めた性能はスポーツカー並みのハイパフォーマンス。そんな「羊の皮を被った狼」ようなクルマは過去だけじゃなく現代にもある!

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というわけで、本企画では現代版の「羊の皮を被った狼」といえる5モデルをピックアップ。そのなかには意外なクルマも……!

文/片岡英明
写真/日産スバルホンダBMW、アウディジャパン、ベストカー編集部

【画像ギャラリー】本文未掲載のエンジン写真も!! 現代に生息する羊の皮を被った狼たちを見る

■見た目はおとなしく走りは勇ましい

日本での「羊の皮を被った狼」の元祖ともいえる2代目 スカイライン2000GT

クルマの世界で「羊の皮を被った狼」というのは、なんの変哲もないフツーのファミリーカーのボディに高性能エンジンを積み、サスペンションなども鍛え上げた硬派のスポーツモデルのこと。速そうに見えないが、走らせると速い、イジワルなクルマである。

その元祖は、フォードのコルチナにチューニングしたエンジンを組み合わせたコルチナ・ロータスだ。日本では2代目スカイラインのボンネットを延ばし、2Lの直列6気筒エンジンを積んだスカイラインGT、後の2000GT-Bが最初の作品。荒々しいが、公道でもサーキットでも速い。

今でも少数だが、ワクワクさせる速いクルマが存在する。魅力的な現代の「羊の皮を被った狼」は!?

■日産 スカイライン400R

日産 スカイライン400R。スポーツセダンという呼び方自体が羊の皮を被った狼を体現している

羊の皮を被った狼の熱い血は、現代のスカイラインにも引き継がれている。スポーツセダンの筆頭が、2019年夏に加えられたハイパフォーマンスセダンの「400R」だ。

外観はハイブリッド車とほとんど同じだが、VR30DDTT型と呼ばれるパワフルな3LのV型6気筒DOHCツインターボをボンネットの中に隠している。パワースペックは驚異の298kW/475N・m(405ps/48.4kgm)だ。最高出力は同じエンジンを積むGTより99ps引き上げられている。

トランスミッションは電子制御7速ATだけの設定だが、その気になれば6500回転まで軽やかに回り、加速も豪快だ。3000回転を超えたあたりから加速に弾みがつき、パドルシフトを駆使すれば、さらに刺激的な走りを楽しめる。滑らかさも直列6気筒と遜色ない。

可変機構を組み込んだサスペンションもいい仕上がりだ。ボディの大きさを感じさせない身のこなしを披露し、意のままの気持ちいい走りを楽しむことができる。

ランフラットタイヤを履くために乗り心地は今一歩だが、それを許せるほど走りは楽しい。高速道路運転支援技術のプロパイロット2.0が採用されれば、400Rは鬼に金棒だ。

【羊を被った狼度:★★★★☆】

■スバル WRX S4

スバル WRX S4。そもそも水平対向エンジンという存在に狼感が漂う

名機EJ20型水平対向DOHCターボに6速MTを組み合わせた4WDスポーツセダンのスバルWRX STIはカタログから消えた。今、羊の皮を被った狼といえるのは、FA20型水平対向DOHC直噴ターボに8速CVTを組み合わせたWRX S4だ。

しかも、現在WRX S4はモデル末期でグレードをSTIスポーツ アイサイトだけに絞り込んでいる。ただし、STIの名に恥じない装備内容だ。強靭でしなやかな走りを実現するためにサスペンションなどに専用チューニングを施し、インテリアは上質な仕立てとした。

ビルシュタイン製ダンパーとスプリングは、モータースポーツで得られた技術とノウハウを使ってチューニングされている。フロントストラットは「ダンプマティックII」だ。ステアリングの剛性も高めているから、ハンドリングはリニアリティあふれ、意のままの気持ちいい走りを存分に楽しめる。

駆動方式はVTD-AWDで、前45:後55の駆動トルク配分だからコントロールできる領域が広く、ライントレース性も素晴らしい。また、路面の段差や突起からの衝撃を上手に受け流し、乗り心地に粗さがないのも魅力のひとつだ。

エクステリアは、エアロパーツを装着しているものの、それほど派手ではない。まさに羊の皮を被った狼なのである。レカロ製パワーシートを装備するなど、大人のムードにまとめているのもマル。アイサイトを標準装備しているのもうれしい。

【羊を被った狼度:★★★★★】

■ホンダ e

ホンダ e。ゆるキャラ的な見た目にも羊っぽさがあるが、EVの鋭い加速は新世代の狼ともいえる

アクセルを踏み込んだ直後から力強いトルクが湧き上がり、鋭い加速を披露するEVは、まさに羊の皮を被った狼だ。ドライバーの運転の仕方でジキルにもハイドにもなる。

ホンダ初となる量産EVのホンダeは、ペット的な愛らしいルックスが人気だ。シティユースを狙った街中ベストのEVであり、ほのぼの系と見られている。だが、電費を気にしないで走らせると、驚くほど速い。特に上級グレードの「アドバンス」は俊足だ。

アコードe:HEVから譲り受けたモーターは高性能で、154ps/32.1kgmを発生する。アクセルを踏むと瞬時にパワーとトルクが盛り上がり、強いGを感じる。しかもシームレスな加速感だから気持ちがいい。

強力な回生ブレーキに加え、減速度の強弱をステアリングに付いているパドルで行う減速セレクターを駆使すれば、ワインディングロードや登坂路でも驚くほど速い走りが可能だ。ボディが身軽になったように感じられる。

サスペンションは前後ともストラットの4輪独立懸架だ。ホンダeの魅力のひとつは駆動方式がリア駆動だということである。コンパクトカーのクラスで後ろ足が大地を蹴っている快感を味わえるのがうれしい。

前後異サイズのミシュラン製スポーツタイヤや可変ステアリングギアレシオの採用と相まって、ヒラリとした軽やかな身のこなしを披露する。バッテリーをフロアに敷き詰め、重心が低いからロールを意識させず、一体感のあるコーナリングを見せるのだ。

サーキットに持ち込んでも、軽やかに向きが変わるし、加速もいいなど、操る楽しさは格別だ。

【羊を被った狼:★★★★☆】

■BMW M3

羊の皮を被った狼が多数あるイメージのBMW。その筆頭といえるM3だが、最近のM3は鼻先の羊皮が脱げかけたような顔つきだ

BMWには羊の皮を被った狼と言えるスポーツセダンとSUVが数多くある。

その筆頭が、BMWワークスのコンプリートカーとして送り出され、レースでも活躍したM3だ。最新のM3はエグい顔つきになった。が、それまでは平凡なキドニーグリルの表情だったから驚異的なパフォーマンスを秘めているとは思わない。

だが、スペックはビックリだ。ボンネットを開けると目に飛び込んでくるのは、化粧カバーに覆われた3Lの直列6気筒DOHC直噴ターボで、Mツインパワーターボと名乗っている。ブロックやピストンなどは専用設計だ。

M340iのxDriveは387ps/51.0kgmを発生する。これでもすごいと思うが、最新のM3コンペティションはなんと510ps/66.3kgmまでパワーを高めているのだ。しかもこちらは後輪駆動である。

トランスミッションは2ペダルのドライブロジック付き8速Mステップトロニックを組み合わせた。サスペンションを専用にチューニングし、タイヤも前後異サイズだが、違いに気がつかない人も多いはずだ。

まだ、ステアリングを握っていないから未知の部分が多い。だが、モータースポーツでの経験から生まれた数々のテクノロジーを盛り込んでいるから、走りの実力は推して知るべしだ。しかも輸入されるのは右ハンドル車である。

3シリーズのセダンだから前席だけでなく後席も満足できる広さを確保した。このさり気なさも魅力だと感じる。

【羊を被った狼度:★★★★★】

■アウディ RS3

アウディ RS3。外観と乗り味の良い意味のギャップに驚く

2020年7月、日本でRS3スポーツバックとRS3セダンが2年ぶりに復活を遂げた。ドイツでは新型A3が発表されているが、ここに紹介するRS3は先代のA3をファインチューニングしたスポーツモデルだ。

アウディ一族のなかではボトムに近いし、外観にも派手なところはない。まさに羊の皮を被った狼なのである。しかも最終モデルだから完成度は高い。マトリクスLSDヘッドライトやダイナミックターンインジケーター、マットアルミニウムパッケージなどの特別装備が加わったから、より魅力的だ。

インテリアではフルデジタルのバーチャルコクピットと赤で縁取りしたベンチレーションルーバー、カーボンパネルなどの採用が目を引く。先進性とスポーティさを売りにするアウディらしい演出だ。

また、アルカンターラの握り心地のいいステアリングや赤でパイピングしたスポーツシートなども気分を高揚させる。

心臓は驚いたことに2.5Lの直列5気筒DOHC直噴ターボのTFSIだ。パワースペックは400ps/49.0kgmだからパワーウエイトレシオは4.0kg/psになる。

トランスミッションはSトロニックと呼ばれるデュアルクラッチの7速DCTを組み合わせた。シャープな吹き上がりと豪快な加速、ビートのきいた5気筒サウンドなど、いい意味で裏切られ、とても新鮮だ。

駆動方式はアウディ伝統の4WDシステム、「クワトロ」。電子制御で前後のトルク配分を可変させ、気持ちよく曲がるなど、意のままの走りを楽しめる。

【羊を被った狼度:★★★★★】

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みんなのコメント

47件
  • BMW M3とアウディ RS3は狼そのものでは?
  • ずっと昔、学生なころ時々叔父に貸してもらったセリカのエントリーグレード。中央道の登り坂で先行車が譲ってくれたけど抜くことができず。密かに「狼の皮を被った羊」と呼んでいた。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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