ヨーロッパでも屈指の技術立国であるドイツ。自動車産業のみならず、医療機器や次世代エネルギー開発などで他国をリードする、EUのリーダー的存在です。ところが、実際に現地で生活してみると、そんな最先端のイメージとは裏腹に、古き良きヨーロッパをイメージするような「昔から変わらないもの」にあふれた国であることに気付きます。今回ご紹介するのは、後継モデルがデビューした後もモデルチェンジなしで作り続けられたロングセラーモデル、フォルクスワーゲン・ゴルフ・カブリオの初代モデルです。
初代ゴルフ・カブリオは約39万台生産のロングセラー!
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初代ゴルフの登場は1974年。偉大なフォルクスワーゲン・タイプ1の後継車として、水冷エンジン、前輪駆動、2ボックスデザインなどのコンセプトを盛り込んで開発されました。ジウジアーロによるパッケージングとスタイリングは、発表から40年経った今見ても古さを感じさせず、その後のフォルクスワーゲンの進む方向を定めた名車と言えるでしょう。
そんな初代ゴルフに、オープンモデルであるカブリオが用意されたのは1979年のことでした。幌や開閉機構の製作を担当したのは、既にタイプ1のカブリオレで経験のあったコーチビルダー、カルマンです。写真ではわかりにくいですが、フロントフェンダー後ろに小さくカルマンのバッジが貼り付けられています。オープンモデルのスペシャリストであるカルマンとの関係は、2000年代に入ってからもニュービートル・カブリオレまで続いていましたが、残念ながらカルマンは2009年に倒産してしまいました。
初代ゴルフ・カブリオは1979年から1993年にかけて、約39万台が生産されました。ベースモデルである初代ゴルフは1983年にフルモデルチェンジを受け、2代目であるゴルフ2に進化しますが、ゴルフ・カブリオについては小変更のみで生産され続けることになります。初代ゴルフ・カブリオは結局、3代目であるゴルフ3をベースにしたゴルフ3・カブリオ登場まで、14年間製造されるロングセラーとなりました。
初代ゴルフ・カブリオは本国ドイツでも根強い人気!
初代ゴルフ・カブリオは日本の中古車市場でも、根強いファンがいることで知られるクルマですね。特に最終限定車であるクラシックラインは、本革シートやアルミホイールといった豪華な仕様で、名指しで探している方もいるとか。本国ドイツでも初代ゴルフ・カブリオの人気は高く、クラシック~ネオ・クラシックを扱う雑誌の個人売買のページでも比較的高値で掲載されています。
写真の個体は、バンパーやヘッドライトの形状から、1987年から1992年の間に生産されたモデルだと思われます。それなりに距離は伸びていそうですが、幌やホイールにも大きな傷はなく、オーナーの手によって丁寧に扱われながら年月を重ねている様子がうかがえますね。全長3815mm、全幅1610mmのコンパクトなボディは、肥大化してしまった現代のクルマと比べると、とても小さく魅力的に映ります。
ドイツの製品にはロングセラーが多い!
冒頭でドイツのことを「昔から変わらないもの」であふれた国、と書きましたが、クルマに関して言えば特にそう感じます。今回ご紹介したような「ちょっと古い車を大事に長く乗る」ことは日常的に見られる光景ですし、Hナンバー制度も古い車を維持するハードルを下げる一因になっているのかもしれません。
それから、「ロングセラー製品」がとても多いことも、ドイツの特徴のひとつです。クルマはもちろん、カメラや掃除機、キッチンツールにいたるまで、「各ジャンルの定番モデル」が10年以上の長きに渡り販売され、そのメインテナンス用パーツも作られ続けるというのは、あまり他の国では見られないことではないでしょうか。
100年以上経過した建物をコツコツ改装して使い続けたり、蚤の市で東西分裂時代の雑貨を買い求める人が後を絶たなかったり、これだけの先進国でありながら「支払いは現金のみ」のお店が主流だったり…「最先端の技術立国」ドイツは、一方で古くからのものを大事に長く使う、「温故知新」な二面性を持ち合わせているのです。
[ライター・カメラ/守屋健]
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