電動化に向けた最適解? 注目のハイブリッドSUV
走行性能、快適性、使い勝手の良さなど、さまざまな観点から特に優れたPHEV(プラグインハイブリッド)のSUVを10台紹介する。
【画像】日本のPHEVも負けていないぞ! 世界で売れる電動SUV【トヨタRAV4 PHVと三菱アウトランダーPHEVを写真で見る】 全57枚
PHEVは、内燃エンジン車とバッテリーEVの特徴を併せ持った存在で、エンジン、モーター、駆動用バッテリーを搭載している。電気の力だけで比較的長い距離を走れるほか、充電器でバッテリーを充電できる。万一、バッテリー残量が減ってもエンジンで走り続けることが可能だ。
車両重量や販売価格といった課題はあるものの、環境規制が厳しい地域における1つの「最適解」と見る向きもある。国や地域によっては税制優遇や補助金を受けられるため、多少価格が高くても売れている。
特に電動化が叫ばれる欧州市場では、排気ガスを出さないゼロ・エミッション走行とエンジンの安心感(航続距離の不安を解消できる)から、新車販売でも大きな比率を占める。自動車メーカーもかなり力を入れており、小型車から大型高級車まで多くのモデルにPHEV仕様が用意されている。
今回は、数多くのPHEVがしのぎを削る欧州市場から、特に注目すべきSUVモデルを10台取り上げたい。
1. メルセデス・ベンツGLC 300e
長所:電気のみの航続距離が長い、充実した車載技術、高級感あふれるインテリア
短所:重さを感じる走り、高価
電気のみで走れる航続距離をハイブリッドSUVで求めるなら、メルセデス・ベンツGLC 300eがイチオシだ。31.2kWhという非常に大きな駆動用バッテリーを搭載し、欧州WLTPサイクルで130kmの電気航続距離を謳っている。この点において、今回紹介する10台の中でもずば抜けている。
オプション装備を付けなくても非常に高価なのがネックだが、メルセデス・ベンツらしく、車載のマルチメディア・システムや高級感あふれるインテリアデザインなど、優れた点も多い。
パワートレインは、2.0L 4気筒ターボガソリンと、出力136psの電気モーターを組み合わせる。ただし、車重は2.3トン近くあり、ダイナミックな走りは期待できない。凹凸の激しい郊外の道路では縦方向のボディコントロールに少々苦戦している。しかし、乗り心地はスムーズかつ静かであり、大容量バッテリーに見合った電気の力強さがある。
2. BMW X5 xドライブ50e
長所:乗り心地とハンドリングが良好、十分な電気航続距離、スムーズでパワフルな直6エンジン
短所:7人乗りのオプションがない、トランクスペースが少し狭い
最近改良新型が導入されたBMW X5は、クリーミーでなめらかな3.0L直6エンジンを電気モーターと連動させることで、驚異的なパワーと低いランニングコストを両立している。
合計出力490psと非常にパワフルで、モーターが低速から太いトルクを発揮してくれるため、街乗りでも爽快な気分にさせてくれる。25.7kWhバッテリーにより、X5 xドライブ50eは最長105kmを電気だけで走行することができる。
車重2495kgとかなり重いが、従来のX5と同じくらいよく走る。洗練されているだけでなく、質量をうまくコントロールし、大型車としてはすっきりとして落ち着いたハンドリングを見せる。
駆動用バッテリーで3列目シートは装備できず、トランク容量も小さくなるが、それでも実用性は十分に高い。
3. キア・スポーテージPHEV
長所:比較的高いコストパフォーマンス、特徴的な外観、インテリアの質感も上々
短所:乗り心地とハンドリングはあまり期待できない
エンジンとモーターを搭載し、大きな駆動用バッテリーも備えたPHEVは、一般的に安くはない。燃費や税金面でメリットがあるとしても、高い価格に躊躇してしまうこともある。
従って、PHEVでコストパフォーマンスを追求するなら電気航続距離と価格を両立させなければならない。キア・スポーテージPHEVは、65km以上の電気航続距離を持ち、なおかつライバルに比べて手頃な価格設定を特徴とする、実用的なファミリーカーだ。
かなりコンパクトな部類に入るSUVだが、後部座席も大人がしっかり座れる広さがあり、インテリアの品質も高い。パワートレインは、48Vマイルドハイブリッドやフルハイブリッド、1.6LガソリンベースのPHEVが設定されている。中でもPHEが最もパワフルで、安価なフルハイブリッドよりも性能とドライバビリティが優れている。
やや無機質なハンドリングには喜びを見いだせないかもしれないが、スタイリングは実に個性的であり、所有感は高い。
4. レンジローバー・スポーツ P460e
長所:滑らかな6気筒ガソリンエンジン、豪華なキャビンと乗り心地
短所:とにかく高価
レンジローバー・スポーツP460eの最大の魅力は、3.0L直6ターボガソリンエンジン「インジニウム」と電気モーター、そして38.2kWhの大容量バッテリーを組み合わせた、最新ハイブリッド・パワートレインだ。
電気航続距離は110km以上という驚異的なものだ。あまり重いオプション装備や大径アルミホイールを装着しなければ、メルセデス・ベンツGLC 300eと十分に相対することができる。
広々としたインテリアには、リッチな素材がふんだんに使われ、さまざまな最新技術が盛り込まれている。走行中の静粛性と快適性は、兄貴分レンジローバーとほぼ同等だが、四輪操舵(4WS)とアクティブ・アンチロールを追加することで、俊敏性とドライバビリティをさらに高めている。
決して安くはないが、最高のクルマにはめったに出会えない。
5. ポルシェ・カイエン
長所:性能の高さ、インテリアの高級感、優れた車載技術
短所:高価、洗練性では一部ライバルに見劣りする
ポルシェ・カイエンは、このクラスを代表する高性能SUVであり、常にあっと言わせるようなパフォーマンスを提供してきた。しかし、最新の2024年モデル(改良された第3世代)では、ハイブリッド技術にもかなりの重点を置いている。
カイエンEハイブリッド、カイエンS Eハイブリッド、カイエン・ターボEハイブリッドと、3種類のPHEVモデルがある。前者の2モデルは、V6ターボガソリンと電気モーターを組み合わせ、S Eハイブリッドで合計出力500psを発生し、0-100km/h加速を5.0秒弱で走破する。
一方、ターボEハイブリッドはPHEVとしては珍しくV8エンジンを搭載し、合計出力700ps超、0-100km/h加速わずか3.7秒、最高速度は290km/hに達する。
インテリアも一新され、上質な素材とデジタル技術を満載している。これほど明確かつ直接的なスポーツ性能を誇るSUVは他にない。
6. BMW X1 xドライブ25e/xドライブ30e
長所:80km以上の電気航続距離、比較的手頃な価格、よくまとまったパッケージング、
短所:タッチスクリーンのマルチメディア・システムが使いづらい
ほんの数年前まで、ハイブリッドの小~中型SUVで60km以上の電気航続距離を持つモデルはほんの一握りで、価格もかなり高価だった。しかし現在では、激しいインフレにもかかわらず、電気航続距離80km以上を誇るモデルも比較的手頃な価格で入手できる。
その一例がBMW X1だ。2022年に登場した現行型では、標準の純エンジン車に加えて、2種類のPHEVモデルが用意されている。X1 xドライブ25e/xドライブ30eだ。どちらも1.5L 3気筒ターボガソリンエンジンで前輪を、電気モーターで後輪を駆動する。
このクラスのSUVとしては非常に広いキャビンを持ち、正確なハンドリングを誇る。優れたパッケージングとパワートレインを武器とする、有望な選択肢である。
7. レクサスNX
長所:洗練された高級感、スマートな車載技術の数々
短所:室内がやや狭い、パワートレインの不自然さ
ハイブリッドSUVは「洗練」されていて当然のようにも思われるが、レクサスNXの右に出るものはほとんどない。レクサスは他社よりも長くハイブリッド車を販売してきたが、外界を遮断し、リラックスできるドライビング体験を生み出すために細部にまで細心の注意を払うというこだわりが、NXでも光っている。
レンジローバー・イヴォークからBMW X3まで、あらゆるモデルに対抗できる5人乗りSUVである。欧州ではフルハイブリッドのNX 350h、またはPHEVのNX 450h+が選べる。充電が要らず、購入費用を抑えられる350hもいいし、450hは約70kmの電気航続距離を持つ。
レクサスおなじみのハイブリッド・パワートレインは、少しよそよそしいドライビング・エクスペリエンスをもたらすが、特に刺激を求めていないのであれば十分だろう。一方、アダプティブダンパーを装着した「Fスポーツ」グレードのハンドリングは、整然としていて正確だ。
8. ヒョンデ・サンタフェ
長所:手頃な価格、7人乗りの実用性
短所:電気航続距離が短い
ヒョンデ・サンタフェは純エンジン、ハイブリッド、PHEVなど、パワートレインが豊富に用意されている。この3種類の中で、日々の通勤をこなしながら高速道路巡航にも耐えうるのはPHEVだ。
合計出力265psで十分な加速性能を持ちながら、正確なハンドリングと適度な快適性を兼ね備えている。残念な点は、電気のみの航続距離が60kmを下回っていることだ。ただ、今回紹介する10台の中ではかなり安価な部類に入る。
スマートで広々としたインテリアには高級感もある。ヒョンデは近年、プレミアムな演出が上手くなったようで、製造品質も優れている。3列目シートは窮屈だが、装備も充実しており、子育て中の家族には十分な広さが確保されている。
9. ボルボXC60
長所:十分な電気航続距離、落ち着いたキャラクター、魅力的なインテリア、高い汎用性
短所:「T8」バージョンは高価、ドライビングの魅力には欠ける
XC60のPHEVモデルは、18.8kWhバッテリーを採用し、電気航続距離は80km弱とされる。静かでリラックスした走りが可能になるだけでなく、燃料代もある程度節約できる。
合計出力400psを発揮するフラッグシップのXC60 T8もあるが、残念ながらかなり高価である。ベターなのはT6で、BMW X3などが狙っているコーナリング性能よりも、快適なクルージングを優先したモデルである。基本的なパワートレイン構成は上位グレードと変わらないので、洗練性は非常に高い。
XC60は適度な価格設定と十分な広さ、そして高級感を兼ね備えている。売れ筋となるのも不思議ではない。
10. キア・ソレント
長所:手頃な価格設定、ハンサムな外観、7人乗りの実用性
短所:電気航続距離が短い、サスペンションが柔らかすぎる
キア・ソレントは、数少ない7人乗りPHEVの1つであり、キアらしく手頃な価格設定が特徴的だ。家族連れで節約志向のドライバーにとっては、これがちょうどいいのかもしれない。
1.6Lターボガソリンエンジンと電気モーター、13.8kWhバッテリーを使用し、電気航続距離は55km以上とされる。走行性能は良好で、気合の入ったドライビングは難しいものの、安定感のある走りを見せてくれる。
エントリーグレードでも標準装備が充実しているほか、インテリアも実に広い。内装材の質感は欧州のライバル車には及ばないが、実用性の高さは群を抜いている。3列目シートに大人がゆったりと座れる7人乗りSUV(しかもPHEV)は、そう多くはない。
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みんなのコメント
脳神経が腐ってる情弱は知らないらしい