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【アキュラにも影響!?】アメリカンEV キャデラック・リリック 量産は2022年頃 ハマーとの違いは?

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【アキュラにも影響!?】アメリカンEV キャデラック・リリック 量産は2022年頃 ハマーとの違いは?

リリック、次世代キャデラック幕開け

text:Kenji Momota(桃田健史)

【画像】そもそもキャデラックSUV アメリカで何種類ある?【全車紹介】 全167枚

エレクトリック・ラグジュアリー。「リリック」が掲げる、次世代キャデラックの戦略名称だ。

果たして、その思いはユーザーに届くのだろうか?

また、この戦略はGMブランド全体、さらにはEV技術で連携するホンダに対してどのような影響を及ぼすのだろうか?

ゼネラルモーターズ(GM)は米時間の2020年8月6日、キャデラック初となるEV(電気自動車)「リリック」をオンラインで世界初公開した。

スタイリングのカテゴリーとしては、いわゆるクロスオーバーSUVのイメージ。サイドビューでわかるように、ウエストラインが高く上屋(うわや)が小さい。

全体的な雰囲気としては、未来感や都会派といったキーワードが連想される。

GM幹部は「アメリカにおけるラグジュアリー感性を根底から覆す」といったニュアンスを使い、リリックは自動車の領域を超えて、人間にとってのラグジュアリーという概念に対する新たなる提案だと主張する。

デザイナーは「新しい顔」という表現を使う。たんにフロントマスクのデザインについてではなく、フォルム全体がキャデラックの、GMの、アメリカの、そして自動車を超えた世界中のラグジュアリーブランドおいて、リリックが新しい時代の幕開けであると強調する。

インテリアについてはどうか?

キャデラックらしさ継承しつつ次世代化

ドアパネル、フロントシート、センターコンソール、そしてリアシート周りを見ると、これまでGMが提案してきた様々なコンセプトモデルで試みたデザインが、ほぼ量産の形となっているのがわかる。

インテリアという、人とクルマが直接触れる空間において、キャデラックならではの世界感を描いてみせた。

ドライバー目線では、眼前には33インチの大型曲面ディスプレイが広がる。新型エスカレードでも曲面ディスプレイを採用しており、キャデラックでは今後、サイズの違いはあってもこうした手法が主流になりそうだ。

リリックの特長としては、ディスプレイでの表示色や、視線の誘導方法についても開発者のこだわりがある。いわゆるHMI(ヒューマン・マシン・インターフェイス)における視覚の影響を科学的に分析した成果だ。

むろん、自動運転技術を使った高度な運転支援システム「スーパークルーズ」のさらなる進化とも同調する。

こうしたエクステリアとインテリアという静態では、ラグジュアリーな造形物として、キャデラックユーザーに対するアピールは大きい。

その上で、動態であるEVとしてのドライビングパフォーマンスはいかがなものか?

アルティウムの量産第1弾か?

リリックの車体(プラットフォーム)には当然、GMが独自開発したアルティウムが採用されている。

2020年3月に公開された技術詳細では、韓国LG化学製のリチウムイオン電池セルをモジュール化した電池パックを車体床面に設置。

駆動方式は、後輪のモーター駆動を基本として前輪にモーターを持つAWDの2系統を量産する。

電池パックの容量については、採用する車種の商品性に応じて決定するとしてきた。

リリックでは電池容量を100kWhとしており、これはテスラや中国のEVベンチャーなどが採用する最上級モデルと容量としては同等だ。

日産が2021年に発売する「アリア」は最上級グレードで90kwhとしている。

同じく、アルティウムを使うGMC「ハマー」については、発表予定が変更され今秋に技術詳細が明らかになるが、こちらも100kWh級の電池容量となる可能性が高い。

キャデラック幹部はリリックの走りについて、低重心かつ前後重量バランス50/50によってドライバーの操作に対する応答性が優れ、スポーティな感性を味わえるとしている。

EVの場合、モーターの制御によって車種毎に走りの味付けを細かく変えることができるため、リリックとハマーで実際にどのような差をドライバーが感じることができるのか、試乗がいまからとても楽しみだ。

では、ホンダはどうなる?

アメリカでの展開となれば……

GMは2020年4月、ホンダと次世代EV技術で協業すると発表している。

アルティウムを使い、ホンダ独自のドライビング・キャラクターを創出すると、プレスリリースに記載がある。

発売時期については、2024年モデルイヤー(2023年夏発売)としており、リリックやハマーが2022年頃の発表と予測されていることから、こうしたGM量産車の出来ばえや、ユーザーからの反応を十分に吟味したうえで、ホンダらしい走りのアレンジに入ることだろう。

高級ブランドのアキュラで先行採用するのが妥当か? それから、EVで気になるのは充電インフラについてだ。

今回GMが明らかにしたのは、出力150kWの直流式急速充電である。日本でも、ポルシェ「タイカン」や日産「アリア」が、日本が推奨するCHAdeMO(チャデモ)方式による150kW化して使用するとしている。

アメリカの場合、日本とは規格が違い、充電ポートに急速充電と交流普通充電のプラグが併存するコンボ方式を使う。

こうした充電インフラについて、GMはインフラ事業者のEVgoと連携し、今後5年以内に全米2700カ所で公共的な充電器を配備することを、今回のリリック発表と時期を合わせて明らかにした。

ここ数年、テスラの独壇場だったアメリカンEV。フォードとGMの本格参戦で市場は活性化するのか?

今後の動向を注視していきたい。

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
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