2021年6月、ホンダはオデッセイ、レジェンド、クラリティを2021年末で生産終了すると発表した。レジェンドはレベル3の自動運転を実現したばかりだし、オデッセイは2020年11月にビッグマイナーチェンジをおこなったばかりで、なぜ? という疑問が残る。
そこで、今回はオデッセイの歴史を振り返りつつ、生産終了発表後の中古車相場の動きや各世代モデルの中古車事情について紹介しよう。
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文/萩原文博、写真/HONDA
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ミニバンの常識を変えたオデッセイ誕生
初代オデッセイ(1994年10月~1999年10月)
1994年10月、ホンダ初代オデッセイが登場。初代モデル登場時、エンジンを運転席下に搭載するキャブオーバータイプの1BOX車がミニバンの主流だった。初代オデッセイは、1BOXカーの広い空間とセダンの快適さや走行性能を合わせ持つ新しいコンセプトを実現、厳しい開発費と生産する工場の制約からアコードのプラットフォームを採用。これはアコードと同じラインで生産するという理由だったのはご存じのとおり。
2.2L直列4気筒エンジンを乗用車と同じFFレイアウトを採用し、床を低くすることで1BOXカーのようなゆとりの空間を確保しつつ、3列シートレイアウトを実現。サスペンションには、4輪ダブルウィッシュボーン式を採用。
さらにリアには3列目の居住性など室内効率を高めるためにコンパクトなインホイール形式のサスペンションを新開発した。1997年にはマイナーチェンジを行い、内外装の変更に加えて搭載するエンジンを2.3L直列4気筒へと換装。加えて3L V6エンジンを搭載したプレステージを追加するなどラインアップを強化した。
1999年12月、2代目のオデッセイが登場。外観デザインは先代モデルを強く引き継ぎつつ、低重心&ワイドスタンスを基本テーマに確かな存在感のある力強さとともに空力性能を徹底追求し、上質感と安定感を両立した。エンジンラインナップは先代モデル同様、2.3L直列4気筒VTECエンジンと3L V型6気筒VTECエンジンの2種類。
走行性能を向上させるために、フロントにストラットタワーバーを装着。さらにリアサスペンションの取付部のクロスメンバーの強化などにより、曲げ剛性、捻り剛性を向上させている。2001年にマイナーチェンジを行い、内外装の変更とともに、ローダウンサスペンションや17インチアルミホイールなどを採用し、走行性能を向上させたスポーティグレードのアブソルートを追加した。
立体駐車場に入庫可能な全高とゆとりある空間を実現
3代目オデッセイ(2003年10月~2008年10月)
2003年10月、3代目オデッセイが登場。新開発のプラットフォームを採用し、先代モデルより全高を80mm(2WD車)低くすることで、一般的な立体駐車場に入庫可能な1550 mmとしながら、室内高は全モデルより5mm上回るゆとりの室内空間を確保した優れたパッケージングが特徴。
搭載するエンジンは、2.4L直列4気筒i-VTECの1種類だが、標準モデルはレギュラーガソリン仕様で最高出力160ps、アブソルートはハイオクガソリン仕様で最高出力200psを発生する2つの仕様がある。トランスミッションは標準系の2WD車が新開発の7スピードモード付CVT。その他はSマチック付5速AT。駆動方式は全グレードで2WD(FF)と4WDを設定。
安全装備は、ステアリング舵角に連動してヘッドライトユニットが動いて進行方向を照らすAFS(アダプティブ・フロントライディング・システム)をはじめ、ブレーキ制御を4輪制御としたVSA(横滑り防止装置)。ミリ波レーダーで前走車を検知し、追突の危険を警報や軽いブレーキでドライバーに知らせる衝突軽減ブレーキなどを採用している。
2006年にマイナーチェンジを実施し、内外装のデザインを変更。アブソルートは足回りの強化が施され、オデッセイ初の18インチアルミホイールを採用するなどさらに走りに磨きをかけている。
2008年10月に登場した4代目オデッセイは、先代同様に多くの立体駐車場に収まる1545mm(2WD車)という低い全高ながら、7人が快適に乗車できるゆとりの空間を実現。リアドア上部の開口幅を拡大することで、3列目への乗降性を向上させるだけでなく、2列目シート下の構造を工夫し、3列目乗員の足入れスペースを拡大するなど3列目乗員の快適性を大幅に向上させた。
搭載されているエンジンは2.4L直列4気筒 i-VTECエンジンを採用。レギュラーガソリン仕様の標準モデルは173ps。対してハイオク仕様のアブソルートは2WD車が206ps、4WD車は204psを発生。トランスミッションは標準モデルの2WD車はトルクコンバーター付きCVT、アブソルートの2WD車と4WD車は5速ATとなる。
運転支援機能として、高速道路での運転負荷を軽減する車速/車間制御機能(ACC)&車線維持支援システム(LKAS)を採用。さらに、車両挙動安定化制御システム(VSA)と協調制御し、車両の挙動をより安定化する操舵力アシスト制御「モーションアダプティブEPS」を全モデルに標準装備するなど高い安全性を実現。2011年にマイナーチェンジを行い、外観のデザインや装備の充実化を図った。
2021年末に生産終了する現行型オデッセイの魅力
5代目オデッセイ(2013年11月~)。写真は2013年発表時のモデル
2013年10月、5代目となる現行モデルが登場。上級モデル、エリシオンとのモデル統合によってオデッセイはシリーズ初となるリアスライドドアを採用した。さらに、天井高を上げるだけでなく、床面高を下げる「超低床プラットフォーム」を開発。
従来モデルをはるかにしのぐ広い室内空間と歴代オデッセイで定評のあった爽快で安定した走行性能を確保。搭載するエンジンは全車レギュラーガソリン仕様の新開発2.4L直列4気筒i-VTECエンジンだが、アブソルートには、力強い加速を発揮する2.4L直噴 i-VTECエンジンを搭載。トランスミッションは全車CVTで、アブソルートにはパドルシフトを採用した7スピードモード付CVTを採用している。
先進の安全装備として、リアバンパーに設置したレーダーで車両の後側方を監視し、死角エリアに存在する車両をドライバーに知らせる「ブラインドスポットインフォメーション」や前走車だけでなく、対向車にも作動し、誤発進抑制機能も備えるなどさらに進化した「衝突軽減ブレーキ(CMBS)」、前走車への追突や誤発進の未然防止をサポートするシティブレーキアクティブシステムなどを採用している。
2015年に行った一部改良で、オデッセイは先進の安全運転支援システム「Honda SENSING」を搭載。衝突軽減ブレーキ(CMBS)をはじめ7つの運転支援機能をパッケージ化して採用している。
2016年には「スポーツハイブリッドi-MMD」と呼ばれるハイブリッドシステム搭載車を設定。2Lガソリンエンジンと駆動、発電を行う2つのモーターを組み合わせたハイブリッドシステムは積極的にモーターによる走行を行い、JC08モード燃費で26.0km/Lを実現した。このハイブリッド車は2WD車のみの設定となる。
2017年11月には内外装の変更と同時に、機能性が向上した安全運転支援システム「Honda SENSING」を全車に標準装備化。そして2020年11月オデッセイはマイナーチェンジを行い、内外装のデザインを一新。
さらに、安全運転支援システム「Honda SENSING」に後方誤発進抑制機能を追加するなど商品力に磨きをかけている。同時にグレードの整理がおこなわれていて、アブソルートのみなり、直噴エンジンが廃止され、標準モデルに搭載されていた2.4L直列4気筒i-VTECエンジンのみとなっている。
いち早く、乗用車のプラットフォームを流用し、3列シートをレイアウトした広い室内空間とセダンに匹敵する高い走行性能でオデッセイは人気を博してきた。そこで、現在の中古車事情を見てみよう。
オデッセイ歴代モデルの中古車市場に変化があったのか
写真は2020年マイナーチェンジ後のモデル
オデッセイの中古車情報はこちら!
現在、オデッセイの中古車は約2950台流通していて、平均価格は約175万円だ。生産終了発表直後の2021年7月時点の平均価格を見てみると約184万円だったので、9万円ほどの値落ち幅を記録。S660の生産終了の時のような中古車相場の高騰は起きなかった。それでは、オデッセイの歴代モデルの中古車相場を見てみよう。
まず、初代モデルの中古車は約9台しか流通しておらず、平均価格は約40.3万円。価格帯は約32.5万~約68万円だ。2代目モデルは約17台流通していて、平均価格は約33.7万円。価格帯は約9万~約108万円となっている。
立体駐車場に対応した優れたパッケージが特徴の3代目モデルからは約297台とグンと流通台数が増加。平均価格は約31.8万円。価格帯は約7.7万~約121万円と2代目モデルと差がない状態だ。4代目モデルの中古車の流通台数は約591台と先代モデルより倍増。
それでも平均価格は約51.4万円と割安感が高く、中古車の価格帯は約15万~約147万円だ。そして現行モデルの中古車は約1985台と圧倒的に多く、平均価格は約216万円。中古車の価格帯は約50万~約497万円となっている。
最近になってすでにオーダーを受け付けていない2.4Lガソリンエンジン搭載車の高年式の未使用中古車が大量に中古車市場に出回っている。そういったクルマも新車の乗り出し価格より安くなっているので、今後も値上がり傾向にはならないと考えられる。
ただし、エポックメイキングな初代や2代目の流通台数は少ないものの、値上がり傾向となっており、今後は要注意だ。また、現行モデルは運転支援システムのホンダセンシング搭載車が多く流通しているので、安全性を重視するユーザーには歓迎すべき状況だ。
1994年に登場し、約27年間ファミリィカーの王道車種として君臨してきたオデッセイ。現在のミニバンブームの火付け役だったクルマが姿を消すというのはファミリーカー=ミニバンという時代の終わりの始まりなのかもしれない。
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みんなのコメント
ホンダ社内のマーケティングがうまくいってないのか、新しいブームを作りたくて失敗したのかわからないけど…
3代目以降はなぜオデッセイが売れたのかを
見失っている。