■Zの永遠のライバルは 歴史あるアメ車3モデル
日産は、2020年9月16日に次世代モデルとなる「フェアレディZプロトタイプ」を発表した。
【画像】室内は未来っぽい! 新型フェアレディZがイケてる!(23枚)
公開された新世代モデルのデザインは、初代S30型フェアレディZを彷彿とさせるシルエットを持ち、ボディのあちらこちらに歴代モデルを思わせるアイコンが使われている。ボディカラーのさわやかな黄色からは、バブルのころ、1989年に登場した4代目Z32型を思い出した人も多いだろう。
ただし、公開されたのはデザインが中心で、メカニズム面はわずかなものであった。車両寸法は全長4382mm×全幅1850mm×全高1310・、搭載するパワートレインはV6ツインターボに6速マニュアルトランスミッション、タイヤサイズは前輪が225/40R19、後輪が285/35R19、といった程度だ。エンジンの出力や価格帯などの詳細は、まだ伏せられたままであった。
それでも、暗いニュースの多かった日産にとっては久しぶりの明るいニュースといえよう。とくに北米市場に向けては、大きなインパクトがあったはずだ。なんといっても北米はフェアレディZのメイン市場となるからだ。
フェアレディZは、過去50年以上にわたって世界中で発売されているが、全販売180万台のうち、130万台以上が北米で売れているのだ。そういう意味で、次のモデルも販売の中心は北米となる。
そして現在、業績が悪化している日産としては、北米での販売回復はもっとも重要なミッションであろう。その旗頭として期待されるのが、次世代フェアレディZといえる。そこで、次世代のフェアレディZのライバルとなるクルマはなにかを考察してみたい。
※ ※ ※
現在、アメリカで発売されている現行型のフェアレディZ(米名は370Z)は、最高出力332馬力を発揮する3.7リッターV型6気筒エンジンを搭載し、価格は3万ドルから3万4000ドル(日本円で約330万円から374万円)だ。次世代モデルが、いったいどれほどの価格帯になるのかは未知数だが、3万ドル台のままと考えれば、ライバルは絞られる。
それがフォードの「マスタング」、シボレーの「カマロ」、ダッジの「チャレンジャー」の3台だ。いわゆるスペシャリティカーの2ドアクーペとなる。
純粋な2シーターモデルとなった現在のフェアレディZと異なり、ライバルの3台は2+2を基本とする。また、「マスタング」と「カマロ」には、クーペだけでなく、カブリオレバージョンも用意されているのが特徴だ。
●FORD MUSTANG
マスタングは、1964年に誕生した元祖スペシャリティカーだ。
現在のモデルは2015年に誕生した第7世代になる。アメリカでは、最高出力310馬力の2.3リッター直列4気筒ターボ搭載モデルが、エントリーとして2万6670ドル(約290万円)から発売されている。
他にも460馬力の5リッターV型8気筒エンジンや、527馬力の5.2リッターV型8気筒エンジンなどバリエーションを豊かに揃えている。最強モデルの「マスタング シェルビーGT350R」は、7万3435ドル(約800万円)となる。
■日本車やドイツ車、英国車もZのライバルになってくる
●CHEVROLET CAMARO
「カマロ」は、1967年に初代が誕生。「マスタング」の良きライバルとして歩んできたモデルだ。
現行モデルは2015年に登場。2000年代に公開された映画「トランスフォーマー」にもロボットに変形するマシンとして登場したこともあり、アメリカでは若い世代にとくに人気が高いという。
エントリーグレードの最高出力275psの2リッターターボの価格は2万5000ドル(約275万円)からと、手ごろな価格からスタートする。ほかに最高出力335馬力の3.6リッターV型6気筒、最高出力455馬力の6.2リッターV型8気筒、650馬力の6.2リッターV型8気筒+スーパーチャージャーをラインナップ。最強モデルの「ZL1」は6万4700ドル(約710万円)となる。
●DODGE CHALLENGER
「チャレンジャー」は、FCAのダッジ・ブランドのスポーツカーだ。初代が1969年に誕生し、現在のモデルは2008年より発売が続くロングセラーモデルだ。
エントリーは最高出力305馬力の3.6リッターV6エンジンを搭載するモデルで、価格は2万8095ドル(約310万円)。ほかに、375馬力の5.7リッターV8、485馬力の6.4リッターV8を取りそろえる。最強モデルでも価格は4万5995ドル(約500万円)とライバルよりも安価な設定だ。
※ ※ ※
次に、もしも次世代のフェアレディZの価格が、より上のランクに上がった場合のライバルを考えてみたい。たとえば5万ドルから7万ドル(約550万円から770万円)程度と考えてみると、また別のライバルたちが登場する。
その筆頭となるのが、トヨタの「スープラ」だ。アメリカでのスープラの価格は2リッターモデルで約5万ドル、3リッターで約7万3000ドル。価格もパワーも車格もイメージも、かなり近い存在になるはず。同じ日本車ということで強力なライバルとなるだろう。
また、そもそも初代S30型フェアレディZは、ジャガーの1960年代のスポーツカーである「Eタイプ」がターゲットだった。
そういう意味では、現在のジャガーの2シータースポーツカーである「Fタイプ」こそ、歴史的なライバルと呼べよう。アメリカでのFタイプの価格は、最高出力380馬力の3リッターモデルで約8万2000ドル。価格面とパフォーマンスでは、よいライバルになるのではないだろうか。
さらにいえば、スポーツカーの代名詞的存在であるポルシェもライバルとなる。価格帯を考えると、4気筒エンジンをミドシップに搭載する「718ケイマン」が想定される。最高出力300馬力で6万ドル。パフォーマンスはより近いことが予想される。
新世代フェアレディZのライバルは、つまりは価格次第というのが答えではないだろうか。現行モデルと同等であれば、従来どおりマスタングやカマロ、チャレンジャーといった歴史あるスペシャリティカーがライバルとなる。もう少し上の価格帯になれば、スープラやFタイプ、718ケイマンがライバルと見なされるはず。
新世代フェアレディZの価格帯に注目したい。
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みんなのコメント
この条件に合った車は2002年8月に淘汰された。
18年ぶりにこのコンポーネントが復活する。
売れない訳がない。外人が中古のスープラやスカイラインGT-Rを買い漁ってるのも結局、6気筒ターボが日本の花形だからに他ならない。
Z34のデータから売れないとか考察してる奴はただのアホ。
シャーシが一緒だろうとターボのMTは別物だよ。
今回の新型Zの発表は当日ちょろっとニュースになった程度で、比較的冷めた反応なのが正直なところです。
マスタングの年間販売台数7万3000台に対して370zが2400台というところからもとっくに忘れられた存在なのがわかります。日本での注目度とは対照的ですね。
また、こちらでのZは昔から「安くて速い」が一番の売りなので5万ドル台というのはあり得ないかと思います。正直今の3万ドルの価格も、基本設計が古いのにマスタング・カマロに比べて高すぎると言われていますし、4万ドルのインフィニティQ60(スカイラインクーペ)より安い必要がありますから。アメ車以外で現行版が比較されやすいのはトヨタ86とスバルWRX(S4相当)ですね。