ボルボ V60 「日本市場に合わせたちょうどいいボディサイズ」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

一条 孝
一条 孝(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

4

デザイン
5
走行性能
4
乗り心地
5
積載性
4
燃費
3
価格
3

日本市場に合わせたちょうどいいボディサイズ

2023.6.23

年式
2018年9月〜モデル
総評
SPAプラットフォームを核とする新世代ボルボのステーションワゴン。ドイツのプレミアム勢とはひと味異なる上質な仕上がりで、世界最高峰の先進安全装備「シティセーフティ」の採用、電動化の推進によってボルボのブランドイメージは変わりつつある。日本市場の要望に合わせたV60は「ボルボと言えばワゴン」の言葉どおりの出来映えだった。
満足している点
V60の全幅は、日本の都市部にあるマンションの立体駐車場に1850mmの制限が多いという日本市場の要望を踏まえた結果という。デビューからすでに4年以上が経過しているにもかかわらずスタイリングは相変わらず魅力的。内装も上質に仕立てられている。
不満な点
全幅が抑えられたことは朗報だが、取り回し性についてはもう一息。最小回転半径は5.7mと大きめで、FRレイアウトのドイツ勢プレミアムセグメントのほうが扱いやすい。
デザイン

5

先代よりもワイド感が強調されていて、エクステリアデザインも洗練されている。インテリアのコーディネートも豊富で、ドリフトウッド(流木)をイメージした木目調パネルが心地よさを誘う。
走行性能

4

試乗したのはデビュー当初に設定されていた2リッターガソリンターボ(254ps)を搭載するT5インスクリプション。8速ATとの組み合わせにより街中での走りはスムーズそのもの。回せば心地よい吹き上がりが得られ、上質で余裕のある走りが確かめられる。減衰力可変ダンパーの「FOUR-C」は、しなやかで快適な乗り心地をもたらす。
乗り心地

5

室内空間は大人4人乗車でもゆとりが感じられる広さを確保。先代(V60)よりもホイールベースが長く、ゆったりくつろぐことが出来る。前席は適度なサポート性と座り心地のよさが好印象。足まわりは乗り心地と操縦安定性をうまく両立させている。
積載性

4

ラゲッジルームは先代の430リットルから529リットルに拡大。フロアにはショッピングバッグなどが倒れないように収納できるグロサリーバッグホルダーを備えている。後席シートバックを倒すことで、かさばる荷物に対応するフラットなフロアが出現する。
燃費

3

最新のV60シリーズには48VハイブリッドのB4(WLTCモード燃費15.4km/L)、プラグインハイブリッドのV60リチャージ(同15.6km/L)がラインアップされており、プラグインハイブリッドはEV走行換算距離91kmの走行が可能だ。
価格

3

デビュー当初は500万円を切る499万円のT5モメンタムもあったが、現在は最安のプラスB4が559万円、AWDでもっとも安価な48VハイブリッドのクロスカントリープラスB5 AWDが639万円。注目のプラグインハイブリッドも769万円からと、以前よりも高価な印象を受ける。
一条 孝
一条 孝
自動車ジャーナリスト
自動車専門誌の編集&ライターとして活動後、自動車ジャーナリストとして専門誌やWeb、タブロイド紙などに寄稿。運転する楽しさを追求するとともに、環境性能やパッケージングにもこだわりを持つ。これまで保有した車の大半はFRレイアウトのマニュアル車。日本自動車ジャーナリスト協会会員
ボルボ V60 新型・現行モデル

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