ボルボ C40 「守旧派な車好きも納得のドライビングフィール」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

伊達 軍曹
伊達 軍曹(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

4

デザイン
4
走行性能
5
乗り心地
4
積載性
4
燃費
5
価格
4

守旧派な車好きも納得のドライビングフィール

2022.11.21

年式
2021年11月〜モデル
総評
多くの人が簡単に入手できる類の車ではないが、その走りとデザインは「未来的でありながら、同時に伝統的でもある」といったニュアンスであるため、乗っていると根源的な心地よさを覚える。もしもお金と自宅の充電設備を持っていれば——という話にはなるが、多くの人が検討する価値のある「新時代のコンパクトクロスオーバー」だといえる。
満足している点
ジェントルに走ることも、まるでマッスルカーのように走ることも可能な「自由自在っぷり」は、さすがはピュアEVといったところ。車両重量約2.3〜2.4tの重い車ではあるのだが、運転中にその“重さ”を感じることはまったくない。またインテリアは大変趣味が良く、Googleのインフォテイメントシステムも、自宅で使っているそれとシームレスに利用できる。
不満な点
気になる点は特にない。「低速域での乗り心地は今ひとつ」と見る人もいるようだが、筆者はそうは思わなかった。気になる点を強いて挙げるとすれば「価格」だろうか。もう少し安いとありがたいが、まぁそうもいかないのだろう。
デザイン

4

EVであることを誇示するかのようなグリルレスのデザインをフロントまわりに採用しているが、クーペライクなフォルムと20インチの大径ホイールを採用することで、どこかトラディショナルな自動車デザインも想起させる。インテリアは、スカンジナビア西海岸の風景から着想を得た「フィヨルド・ブルー」のカーペットや、スウェーデン国内にある山岳風景をイメージしたとされる半透明のパネル類など、独自のテイストを採用。なかなかハイセンスであり、Googleと共同開発したインフォテインメントシステムもしゃれている。
走行性能

5

市街地や幹線道路、高速道路などを抑えめに運転している限りは「エンジン音がきわめて静かなガソリン車」にも近い乗り味で、伝統的なエンジン車に慣れている人でも、違和感はまったく感じずに乗れるはず。だが前後の車軸に各1基のモーターを搭載する408psの「Twin motor」は、アクセルペダルを踏み込めば下手なスポーツカー以上のダッシュ力を炸裂させ、231psとなるFF車「Single motor」のほうでも十分以上に速い。
乗り心地

4

約500kgのバッテリーを床下に搭載しているため非常に低重心で、クロスオーバースタイルの背が高い車であるにもかかわらず、走行時の挙動はきわめて落ち着いている。姿勢はほぼ常にフラットで、その結果としてドライバーも乗員も常に快適な身体状態でいることができる。
積載性

4

荷室容量は5名乗車時で413L。後席シートバックを倒せば最大1205Lまで拡大可能で、フロアにも開口部にも段差がないため、大きな荷物の出し入れも非常にスムーズ。またフロントにも31Lの小さなラゲッジスペースが確保されている。
燃費

5

一充電走行距離(WLTCモード)はTwin motorが484kmで、Single motorが502m。どちらも航続距離的には十分であり、急速充電器にも対応している。
価格

4

価格は「C40 Recharge Ultimate Twin motor」が759万円で、「C40 Recharge Plus Single motor」が659万円。いずれも庶民的なプライスではないが、この種の車の価格としては「妥当な水準」と言えるだろう。
伊達 軍曹
伊達 軍曹
自動車ジャーナリスト
外資系消費財メーカー勤務を経て出版業界に転身。輸入中古車専門誌の編集長を務めたのち、フリーランスの執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、さまざまなメディアに多数の記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツ。
ボルボ C40 新型・現行モデル

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

※ 掲載しているすべての情報について保証をいたしかねます。新車価格は発売時の価格のため、掲載価格と実際の価格が異なる場合があります。詳細は、メーカーまたは取扱販売店にてお問い合わせください。