トヨタ ヤリスハイブリッド 「国産Bセグ1番の尖り具合」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西川 昇吾
西川 昇吾(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

3

デザイン
5
走行性能
4
乗り心地
3
積載性
2
燃費
5
価格
2

国産Bセグ1番の尖り具合

2022.12.21

年式
2020年2月〜モデル
総評
Bセグメントこのコンパクトカーとして考えた場合、ヤリスは少し尖った存在と言える。それを良いと捉えるか悪いと捉えるかは人によると思うが、万人受けできるクルマではないことは確かと言える。しかしながら台数的にライバルに引けを取らないのは販売力と法人需要を手堅く抑えているからではないだろうか。トップクラスの燃費性能と気持ちの良いシャープなハンドリングを持っているので、走り好きな人の足車にピッタリ。そんな印象のクルマだ。
満足している点
単純に運転していて気持ちいい走りの良さが魅力的なポイントと言える。高速域のサーキットで走るならば別かもしれないが、一般道を走る上で気持ちの良いシャープさをもったハンドリングはコンパクトカーの中では唯一無二な印象だ。長所という面で言えば、やはり世界トップクラスの燃費性能は外すことができない。現状の交通事情やインフラを考えるとランニングコストの面でこれ以上の選択肢はないだろう。
不満な点
全体的に走りに振っていると感じさせるポイントとハイブリッド車の価格の高さはウィークポイントと言えるのではないだろうか。走りが好きな人は喜びそうな走行フィールだが、一般的なユーザーが多いこのクラスのクルマとしては、もう少し利便性や快適性にクルマ造りの舵を取っても良かったのではと感じてしまう。また、このクラスハイブリッド車全般的な問題だが、車両価格的にハイブリッドが選択肢から除外されてしまうようなプライスのハードルの高さを感じる。
デザイン

5

日本車のBセグメントコンパクトカーの場合、5ナンバー枠いっぱいいっぱいを効率よく使おうとする考えがデザインに表れてしまう。しかし、ヤリスの場合はよりワイドな欧州仕様のデザインがベースになっていて、サイズの枠組みのとらわれない走りやカッコよさ重視のデザインになっている印象だ。コンパクトカーながら、シャープで低重心を感じさせるデザインは良い意味で攻めていると思わせる。
走行性能

4

ハンドリングのシャープな印象はコンパクトカーピカイチで、ワインディングはもちろん交差点を曲がるのも楽しく感じる。ただ、市場を考えるといささかシャープ過ぎるというか、落ち着きがないと感じてしまうのも事実。走り好きならば大歓迎だが、一般ユーザーを考えるともう少しダルな方向に振った方が良いとは思う。ガソリン車でも加速性能に不満はないので、ハイブリッド車ならば車重に対して十二分の余裕がある動力性能を確保していると実感させられる。
乗り心地

3

コンパクトカー特有のコツコツ感はあるものの、剛性感の高さを感じさせ、振動の収束などが早いため不快感は少ない。ただ、ライバルたちと比べると乗り心地が若干ハードに感じてしまう声はあるだろう。ハイブリットシステムを採用しているため静粛性は高いが、総合的な乗員の快適性という面で言えば、ライバルたちに軍配があると言える。ハンドリングのシャープさが乗り心地に影響を与えているといった印象だ。
積載性

2

正直積載性は高くない。まず、ラゲッジスペースの容量そのものが小さいし、床面積も小さい。ラゲッジスペースを実際に見てみると、ライバルたちよりも利便性を捨てて、デザイン性と走行性能に振ったのかなと感じる。また、リアシートの居住性もあまり良くないので、複数人が乗車しての利便性はあまりないと言える。調整可能なデッキボードなどが用意されていて、床下収納も用意されているからある程度機能性は確保されているものの、荷物を積むということに関してはちょっと苦手と言える。
燃費

5

軽量な車体に燃費性能最強のトヨタのハイブリットシステムが組み合わされているのだから、燃費性能に関しては世界トップレベルとなっていて、文句のない仕上がりとなっている。このクルマで燃費性能に文句があるのであれば、BEVしか選択肢はないだろう。あらゆる場面で優れた燃費性能のバランスを実現していて、ランニングコスト的にはかなりリーズナブルと言える。
価格

2

ハイブリッド車に限定して言えば価格はネックなポイントと言える。上級グレードならば乗り出し250万円になろうかという価格になってくるので、そうなると車格が1つ上のモデルを考えてしまうのも致し方ないと言える。これはヤリスに限った話ではなく、このクラスのハイブリッド車全般的に言えることではないだろうか?たしかに、クラストップレベルの燃費性能は魅力的ではあるものの、リセールバリューなどを考えるとあまりハイブリッド車を狙う利点が少ないのがネックと言える。
西川 昇吾
西川 昇吾
自動車ジャーナリスト
1997年生まれ、大学時代から自動車ライターとしての活動をスタート。現在はWEB・紙の各種媒体で様々なジャンルの記事を執筆するほか、車両解説動画にも出演し、喋りの分野にも挑戦中。愛車のマツダ・ロードスターで定期的にサーキット走行をし、ドラテクの鍛錬も忘れない、目指すは「書けて、喋れて、走れるモータージャーナリスト」
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