トヨタ RAV4 PHV 「何が起こっても大丈夫だと思える1台」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

何が起こっても大丈夫だと思える1台

2022.6.20

年式

2020年6月〜モデル

総評

RAV4のハイブリッドモデルよりも高出力化され、スポーツカー並みの俊足と機敏な運動性能を手にしているRAV4 PHV。いざとなればオフロードも雪道も安心して走れる4WD性能を持つこともあり、いつでもどこでも1500Wの電源があると思うと、これまで躊躇していたことにもチャレンジできそうな勇気をくれる1台です。

満足している点

後席まで天井が高く頭上スペースにゆとりがあり、後席シートヒーターも標準装備。リクライニング機能があり、リラックスできる空間です。USBは前後に2個ずつ、1500Wのコンセントも標準装備で便利に使えるのも魅力的。

不満な点

急速充電に対応していないので、外出先で素早く繰り返し充電しながら走りたい人には向かないかもしれません。普通充電の100Vなら約27時間で満充電、200Vなら約5.5時間で満充電。V2Hにも対応していませんが、付属のヴィークルパワーコネクターを使った外部給電ができ、1500Wまで家電が使えます。

デザイン

4

エンブレムにブルーがあしらわれたり、フロントグリルがメッキで囲われたりというさりげない変更はありつつ、通常のRAV4とは大きく変わらないデザイン。もう少しPHVとわかる特徴が欲しいと思いつつも、SUVらしさが強調されたタフな印象が持ち味のRAV4から、PHVは全体的に高級感がアップした印象はあります。

走行性能

5

RAV4 PHVに搭載されている、新開発のプラグインハイブリッドシステム「THS Ⅱ　Plug-in」で最も重視されたのは、燃費でも航続距離でもなく、実は「走りの楽しさ」だったと言われています。信号待ちから発進するだけでも、瞬時に猛烈な加速フィールが得られ、そのままなめらかで伸びやかな加速が続きます。SUVらしいドッシリとした安定感が加わるのも特徴的。0-100km/h加速が6.0秒という、豪速球のようなスポーティでパワフルな加速は、一度味わったら病みつきになりそうです。

乗り心地

5

静かさやフラットライド感はもちろん、後輪をモーターによって駆動するE-Fourと呼ばれる4WDシステムは、オフロードや雪道などで高い走破世を発揮するだけでなく、オンロードでの乗り心地アップにも貢献。しっかりとした接地感が続き、路面のギャップのいなし方も上手なので、快適な乗り心地です。

積載性

5

後席使用時でも690LとSUVトップレベルの荷室容量を確保。開口部はほぼスクエアで、奥行きも996mm確保されています。横幅が広いものの、奥にいくとやや出っ張りが大きな部分もあります。後席は6:4分割で倒せて、しっかりフラットに。

燃費

5

EV走行だけでもクラストップレベルの最大95km、ガソリンと合わせると最大1300kmの走行距離を実現。普通充電で繰り返し充電すればモーターのみでずっと走行できますが、ハイブリッドでもWLTCモード22.2km/Lと、このクラスのSUVではなかなか希少な低燃費。エンジンでの発電でモーター走行もでき、シーンに応じて使い分ければ賢い走行が可能です。

価格

4

ライバルとなるアウトランダーPHEVと比較すると、トップグレード同士ではRAV4 PHVの方が約6万円高くなっています。ステアリングヒーターや9インチのディスプレイオーディオなど快適装備はさすがの充実度ですが、誤発進抑制機能がつかないなど、やや安全装備が手薄な印象です。