トヨタ RAV4 PHV 「今最も万人に勧められるプラグインハイブリッドSUV」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西川 昇吾
西川 昇吾(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

5

デザイン
5
走行性能
5
乗り心地
5
積載性
4
燃費
5
価格
4

今最も万人に勧められるプラグインハイブリッドSUV

2022.6.20

年式
2020年6月〜モデル
総評
電気自動車(BEV)のトレンドが来ていると言われてはいるものの、今後長い目で見るとそれも疑問だ。そう考えると日本市場で実用的な最先端のトレンドはプラグインハイブリッドSUVとなるのではないか。今後このジャンルは活発化していくと思うが、RAV4 PHVはこのジャンルで今最も多くの人にオススメできるモデルと言える。また、現状でも他のライバルよりも頭一つ抜けた性能を持っているので、今後他のライバルが登場しても古臭くささを感じることは少ないと思われる。
満足している点
プラグインハイブリッドSUVのライバルたちと比べても一歩抜きんでた高性能、しかも燃費やEV航続距離、動力性能など分かりやすい性能を身に着けているという点が魅力的だ。また、もともとRAV4の素性が良かったためプラグインハイブリッド化という少し特殊性があるパワーユニットであっても、万人に勧めやすいモデルとなっているバランスの良さも良いポイントと言えるだろう。現状プラグインハイブリッドSUVの中でも最も死角がないモデルなのではないだろうか。
不満な点
ベースとなるRAV4の出来が良いためプラグインハイブリッドSUVとして見ても、正直言ってあまり欠点は見受けられない。強いて言えばRAV4と同じだが、ラゲッジスペースの汎用性があまりないところだろう。ラゲッジスペースにフックやRAV4と同じように裏面が樹脂のデッキボードなどがあればSUVとしてもっと魅力的なモデルになるはずだ。また、これはしょうがない部分でもあるが、2トン近い車重も気になると言えば気になるポイントだ。もう少し軽量ならば走りももっと良くなるはずだ。
デザイン

5

基本的なデザインはRAV4 と同じでオフロード向けSUVの王道デザインを各所に採用しながらも、各所で先進性やイマドキ感を出しているデザインは素晴らしいと感じる。PHVの専用デザインとしては専用のグリルやフロントリップ周り、専用のLEDデイライトそして新デザインの19インチホイールなど。PHVというパワーユニットにふさわしく、RAV4 よりも一歩進んだ先進的なイメージに仕上がっているが、どちらかと言えばRAV4 の最上モデルというようなイメージを演出しているところに交換が持てる。
走行性能

5

もともとRAV4 も背が高く、重たい車重であることを考えると走行性能はとても素晴らしいと感じるものであった。プラグインハイブリッド化により重量が増えたのは否めないが、バッテリーが床下に敷き詰められたことにより、低重心感は増した気がする。しかし、プラグインハイブリッド化によって恩恵を受けた走行性能は動力性能に関してだろう。1900kgという車重ならが0‐100加速6秒というのは国産SUVとしては驚異的なレベルと言える。かっとびSUVという感じだ。
乗り心地

5

もともとRAV4が乗り心地に優れたモデルであったため、乗り心地に関して不満が出ることはないだろう。RAV4と比べれば低扁平のタイヤを装着しているため、ゴツゴツ感があるという意見もあるかもしれないが、欲を言えばというレベルだ。このようにプラグインハイブリッド化しても上質な乗り心地はそのままというのは、現行から採用されたTNGAプラットホームの剛性の高さというか、懐の深さを感じる。
積載性

4

プラグインハイブリッド化によりノーマルのRAV4と比べると積載性に関しては劣っている。ラゲッジスペース容量にするとRAV4が580LでPHVが490Lだ。高さと奥行きがノーマルモデルに比べて小さくなった。それでもノーマルのRAV4はクラストップレベルのラゲッジスペース容量を誇っていたので、不便を感じるということはないだろう。できれば通常のRAV4と同じように、裏面が樹脂のデッキボードも用意して欲しかったという気持ちはある。
燃費

5

WLTCモードで22.2㎞/Lという燃費性能はノーマルのRAV4はもちろん、他のプラグインハイブリッドSUVと比べても優れた性能となっている。バッテリー容量も現状プラグインハイブリッドとしてはトップクラスの18.1kWhで、EV航続距離も95㎞というスペックを誇る。プラグインハイブリッドSUVに日々の経済性を期待するのであるならば、RAV4 PHVがオススメの選択肢と言えるのが現状だ。優れた動力性能とこの経済性の両立は素晴らしい。
価格

4

正直言ってプラグインハイブリッドモデルが安いとか高いとかいった結論は、まだまだライバルの数が少ないためなんとも言えない状況ではあるものの、性能と装備を考えれば500万円前後という価格はお得な部類と言えるのではないだろうか。プラグインハイブリッドSUVの中でも随一のスペックを持っているのはもちろん、RAV4を単にプラグインハイブリッドにしただけでなく、装備面や内外装の質感を向上させている点を見ても価格設定はユーザーに優しいと言える。プラグインハイブリッドを買うならば多くの人にとって一番損した感が薄いはずだ。
西川 昇吾
西川 昇吾
自動車ジャーナリスト
1997年生まれ、大学時代から自動車ライターとしての活動をスタート。現在はWEB・紙の各種媒体で様々なジャンルの記事を執筆するほか、車両解説動画にも出演し、喋りの分野にも挑戦中。愛車のマツダ・ロードスターで定期的にサーキット走行をし、ドラテクの鍛錬も忘れない、目指すは「書けて、喋れて、走れるモータージャーナリスト」
トヨタ RAV4 PHV 新型・現行モデル

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