軽量な3ドアの消滅は惜しい
FF3ドア(写真は5ドアロングボディ)の特徴は、広いトレッドの軽いボディと、相対的に短いホイールベースを前輪が駆動する事で
2007.11.25
- 総評
- 軽量な3ドアの消滅は惜しい
FF3ドア(写真は5ドアロングボディ)の特徴は、広いトレッドの軽いボディと、相対的に短いホイールベースを前輪が駆動する事です、類似モデルは意外にも、ホンダのCR-X(クローズドボディ)でしょう。
運転してみると、SUVのイメージのどっしりとした感触は薄く、やはりホイールベースの短いクルマらしく右へ左へ身軽に動き、おつりも感じません。
FFという事で、法定速度を大きく超えるような領域までの矢のような直進スタビリティを期待すると、少し裏切られるかもしれません(それでも、一昔前の中型FRセダンよりはずっと安心感があります)
見た目通り、「チョコマカと動き回る都会の足」といったところでしょうか。
短いホイールベースから想像されるような、落ち着きの無いピッチングは、車高が高いにもかかわらず、うまく抑えられていますが、やはり急加速/急制動時の姿勢変化は大き目に出る事を理解しておいた方が良いでしょう。
- 満足している点
- ・デザイン
・1.1tの軽量ボディ
・トルクフルな軽量アルミブロックのVVTエンジン
・ワイドトレッド/ショートホイールベースの組合せ
やんちゃなデザイン、他の方もおっしゃっているように「リアルチョロQ」です。
目の吊り上ったヘッドランプや、大きく張り出したフェンダー、抑揚を付けたアクセントラインなど、現在見ても古さを感じさせません。
ボディサイドの、後ろに行くほど高くなる凹凸の造形は、現在多くのクルマが採用しています。
セリカやMR-Sも積む、軽い1ZZエンジンは、低い位置にマウントされ、重量物であるバッテリも、左前輪の後ろ、助手席前に置かれており、重量バランスの適正化に配慮したようです。
輸出用にはターボモデルもありますが、国内のターボレスのエンジンルームは、ハッキリ言ってスカスカです。これは確実に排熱性の良さに貢献しているはずです。
軽い車重のせいで、VVT-i 1.8Lエンジンでも必要充分なパフォーマンスを示し、ここ1番の瞬発力もある上、燃費も満足できます。
燃費重視の人は、加速が終わればスロットル位置を意識的に固定または戻し加減にすると良いでしょう、ATのロックアップ領域が、極めて低い回転数(1500rpm)から始まるようプログラミングされており、しかも一旦ロックアップすると、かなり踏み込まない限り解除されません。
軽量でワイドトレッドな上に、215サイズのタイヤを採用しているため、限界そのものは低くありませんが、高い車高と大き目のロールが、シャカリキになって走る車でない事を知らせてくれます(もっともこれは、2インチ程度車高を落とすと、ガラリと変わり面白くなります)
独立式のリアシートは、2座ともアタッチメントから取り外す事ができます。
同時に背面タイヤも外してしまえば(法令違反注意)、トータルで人間1人分の軽量化ができます(この状態では、軽1ボックス車と同等にまで軽くなっています)
リアサスは、世界に輸出するためだったのでしょうか、独立式、しかもWウイッシュボーンが奢られ、コイルの乗り心地はしなやか、追従性も良いです。
最近はSUVにも大径ホイールを履かせますが、このクルマもホイール・タイヤサイズとも選び放題の楽しみがあります(個人的には、純正よりも幅広タイヤを選んだ時の感触はよくありませんでしたが)
- 不満な点
- ・後輪からのノイズ
・姿勢変化の大きさ
・エンジン音
ワイドトレッドですが、かなりをデザインに振り向けているため、外寸ほどのゆとりは室内には感じません。3ドア車の場合、基本は2人乗り、たまに4人乗る機会が、といったユーザ向けです(見た目通りです)
この手のボディの宿命で、リア周りから侵入する音はセダンユーザからは容認できないレベルかもしれません。リアタイヤが運転席のすぐ後ろにある事も、ノイズを大きく感じる原因と思います(このクラスに絶対的な静粛性を求めるユーザが少ないと考えれば、妥協できるレベルでしょうか)
日常で感じる事は少ないでしょうが、緊急操作時には、短いホイールベースの影響と思われる典型的挙動を示します。
急加速時には、現代の車にしては珍しいほどのトルクステアが顔を出します(フロントを持ち上げ、ステアリングをしっかり持っていないと外側に飛び出しそうな勢いです。これは車高を調整し、前傾姿勢を取るとガラリと変わります)
急制動時のABSは、1度でも作動させると前輪がドタバタして心が萎えます。「つんのめり」も大きいです(絶対的な制動距離はともかく、フィーリング面では、後席に人を乗せるとガラリと印象は良くなります)
緊急停止時のリアのロックを防ぐ意味でも、ABSは必要な装備なのかもしれません。
エンジン音は、これはもうトヨタの実用エンジンそのものです。
もっともこれをチューニングしようとする人はいないと思いますが。
4WD車が積むD-4エンジンの初期ロットには、アイドリング不調のクレームが度々上がっていたようです、ディーラで、インジェクタの燃料圧力センサやコンピュータを交換した個体は、症状が消え、低速トルクや燃費が向上などの嬉しいオマケが付いてきたようです(ノーマル燃焼の1ZZエンジンには、その兆候はありません)
・個人的には、ここまでまともに走るのであれば、MTにしておけば良かったと後悔しきりです。
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