プリウスの大逆襲
発売前からずいぶん話題が先行していたが、ようやく新型が発売。とある事情でカミさんの車を手放したばかりなので、代替候補の一つとして早速
2009.5.25
- 総評
- プリウスの大逆襲
発売前からずいぶん話題が先行していたが、ようやく新型が発売。とある事情でカミさんの車を手放したばかりなので、代替候補の一つとして早速、試乗に出かけた。とにかく人は多く順番待ち。
さて、試乗の結果は、従来の「自動車」を基準にした場合、いろいろと不満もあるが、「移動手段」としてのコストパフォーマンスをみれば、「この値段で、良くぞここまで」と言うのが正直な感想。
新型は低価格ばかりが注目されているが、電気駆動システムの性能もあがり、小型軽量化された。バッテリー、モーターの能力がそれぞれ向上。モーターは従来よりも回転数が約2倍(13500rpm)に高まったことでかなり小型化。バッテリーも小型化したおかげで、トランク容量も旧型からはちょっとばかり拡大した。ゴルフバックなら3つ?は収納できそう。
先代で気になった居住性は、オーリスがベースなので余裕が出た。基本デザインは大きく変わらないけど、ルーフの頂点も前席頭上からキャビン中央に移動したので、後部席の頭上も先代よりは若干余裕がでている。前席のシートバックが薄くなり、ひざの前にも空間が残っている。1.8Lのセダンとしてはとりあえず合格だと思う。
ちょっと面白いと思ったのは、新たに採用された「ソーラーベンチレーション」。ルーフに設置した太陽電池を使って空調ファンを駆動させ、車内の換気が出来る。暑くなる夏場には役立ちそう。ただ、結構値段が高い(21万円!)のと、せっかく発電した電気をバッテリーに貯められない点は残念。
インサイトのレビューで「プリウスの逆襲が楽しみである」と書いた。車格も車の目指す方向も違うので、それほど競合しないと思っていたが、まさかここまで価格を下げてモロにぶつけてくるとは思わなかった。それだけ、インサイトのヒットがトヨタにとっては脅威だったのでしょうね。
僕が見た範囲では性能、価格も含めて先代より悪くなったという点は見当たらなかった。それでは、めでたく「ご契約」、我が家にプリウスかというとそうはならなかった。残念ながら今発注しても4~5ヶ月待ちだという。そうなると、今更慌てて契約することもないな。「ハイブリッド車」の違和感も気になるし。燃費と価格以外に長所がないのも寂しい。と言うわけで、もう少しじっくり考えることにした。
- 満足している点
- ・価格:
ベース車両とはいえ、205万という価格には、さすがに文句のつけようが無い。ホンダとしては「低価格」だけでは勝負が出来なくなった。
少なくともカローラ、プレミオクラスの存在感がなくなった。
・HVとしての信頼性:
今回のモデルチェンジでは「Liイオン電池+プラグイン(家庭での充電可能)」という大幅なシステムへの移行は見送り。その分、従来のTHSを熟成、進化させたことになる。累積100万台の信頼性は大きい。
・燃費:カタログ値(38km/L)は、よほど条件が揃わないと無理だと思うが、試乗した限りでは、普通に乗っても24~25km/Lは行きそう。
・ソーラーベンチレーションシステム:
我が家の駐車場は屋外なので、炎天下の駐車場に止めてある車に乗ったときの、あの暑さから開放されるのはありがたい。夏場はあると便利だ。ただし、ソーラーパネルはバッテリーには繋がっておらず、発電した電力は全てベンチレーションの作動に消費されると言う。つまりバッテリーへの充電は行われない。何故?しかも価格は21万円!それだけの価値はあるか、とちょっと考えてしまう
- 不満な点
- ・ブレーキの感触
乗っていて一番気になったのがここ。やはり踏み込んだときに違和感がある。慣れてしまえば気にならないかもしれないが、ブレーキから回生エネルギーを得るというシステム上、これは割り切るしかしょうがないのか。
・後方視界:
これも基本デザインが変わらないのでしょうがないが、後方視界の悪さは相変わらず。雨の日はちょっとつらい。バックモニターも必須だな。
*車本来の性能としての欠点は上の二つぐらい。
・納期:
バックオーダーがなんと8万台!営業さんの話では今から頼んでも4ヶ月待ちだと。他の車が売れないので、トヨタでは生産を月5万台以上に増やすらしいがそれでも間に合わず。よく実車も見ずにこれだけの人が注文を出したものだ。
・まわりはプリウスだらけ?
今年度のトヨタでの国内生産は50万台予定。なんと、トヨタ車の国内生産の5台に1台がプリウスになる勘定。一部販売店では注文の8割がプリウスだという。今でも結構見かけるけど、周りと一緒というのもあまり面白くない。
・このままだと車が電化製品になってしまいそうなこと
デジカメができて、カメラが家電になってしまった。エンジンだけで走る普通の車は一部のマニアのものになってしまうのでしょうか。
・下請け部品、素材メーカーへのさらなるコストダウンの要請が・・・・・。
車を安く買うことが出来るのはユーザーとしては嬉しいのですが、自動車素材産業の末端で仕事をしている身としては・・・・。価格競争が度を超して、液晶テレビやパソコンみたいなことになって欲しくはない。泥沼の価格競争だけはやめてもらいたい。
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