この車に何を期待しているのだろう
プリウスのレビューを見ていますと、「燃費は良いのは認めるが、ハンドリングが・・・、加速が・・・、サスが・・・、内装が
2009.9.23
- 総評
- この車に何を期待しているのだろう
プリウスのレビューを見ていますと、「燃費は良いのは認めるが、ハンドリングが・・・、加速が・・・、サスが・・・、内装が・・・」という理由で結構低い評価が下されています。この車に何を期待していたのでしょうか?走りやハンドリングの軽快さを求めるならばインプレッサ、TypeR、ロードスター、スカイライン。内装や乗り心地を求めるならレクサス、クラウン、フーガ等々、他に選ぶ車は沢山あります。最初からプリウスなど買わなければよい。
確かに、もっさりとしたハンドリング、出だしに重さを感じる加速感など、今後改良して欲しい点はいくつもあります。燃費の良さと低速時の静粛性以外の部分で、他の車より「ここが優れている」という部分は少ないと思います。でもこの車はそれで良いのでは?
比較する車を何にするかで評価は変わってきますが、一つの基準として「カローラ」と比べた場合、加速やハンドリンクなど酷評されるような出来ではないと思いました。
遅ればせながら、休暇中に旅行先で3日間、約500kmをレンタカーとして使いました。4人の家族と荷物を載せての移動手段としては、特に不満はありませんでしたし、後部座席に乗る家族からも乗り心地が悪いという文句はありませんでした。最初は重さを感じさせる加速も、走り始めれば実用上気にはなりません。高速では追い越し車線ばかり走っていましたが、100キロ+αからの加速も普通にこなせました。
評論家の皆様が雑誌などで「プリウスの ~ が素晴らしい」と絶賛するので、ユーザー側に過剰な期待があったのだと思います。例えば、加速。「1.8Lでも2.4L級の動力性能」と各種雑誌では紹介されていますが、はっきり言ってそこまでは・・・。まあ、1.8クラス相応だと思います。
でも、あれもこれもと詰め込んでしまい、価格が高くなった割にはコンセプトがはっきりしなくなった車は、これまでにも結構ありました。ハイブリッドは魔法の車ではありません。「カローラのように使えて、ヴィッツをはるかに上回る燃費。しかもそれがこの価格で手にはいる」
この車の特長はそこにあり、それ以上でもそれ以下でもないと思います。
中途半端に高級感を出すよりも、プリウスのコンセプトはこれで良いのではないでしょうか?
ランニングコストを含めた道具としては優秀だと改めて思いました。
- 満足している点
- 以下の3点については本当に見事だと思います。
①燃費
今回走行したのは約500kmで一般道と高速道路がほぼ半々というルートでした。平地ばかりではなく途中、山道、峠越えも数箇所ありました。休日お約束の高速道路渋滞もあり、遅れを取り戻すために、残りをパワーモードで追い越し車線を飛ばすというかなり「エコ」ではない運転をしていました。
その結果、3日間で使用したガソリンは22L。満タン法での燃費は22.5km/Lとまずまずの燃費でした。500キロも走ってタンク半分のガソリン消費量というのはたいしたものです。高速を120キロオーバーで走っていてもモニターの区間燃費は20km/L以上を常にキープしていました。
ちなみに今回レンタルした車は、燃費計での通算燃費もほぼ同じくらいでした。
②発進時、低速走行時の静粛性
渋滞時などモーターで動いているときは本当に静かです。
モーターとエンジンの切り替え、併用もスムーズでした。
③ハイブリッドとしてのこの価格
インサイトと同様、この値段で出したことを高く評価したいと思います。
価格を抑えたと言うことは、それだけ部品の点数も少なく、手間ひま、コストを掛けていない、すなわち、旧型に比べた場合製造工程での環境への負荷も少ないのだと思います。その分内装はチープだとの声もありますが、まあ高級さを求める車でもないので、私はそれほど気にはなりませんでした。
- 不満な点
- 4人の家族と荷物を載せて移動する道具としては、特に不満はありませんでしたが・・・・
①後方視界
いかなる車であっても安全性の確保は最優先すべきだと思っています。特にファミリーカーであれば、なおさらです。試乗の時も気になったのですが、やはり雨の日の後方視界はファミリーカーとしては最悪です。
雨の中での運転を1日しましたが、夕暮れ時に車線変更をする際、左後方がよく見えず、接触しそうになりました。慣れの問題もあると思うのですが、これからお買い求めになるという方、できれば、雨の日の夕暮れ時の試乗でお確かめください。
それと車庫入れの際のバックモニター装着は必須ですね。
ちなみに、廉価グレートのLにはリアワイパーの設定がなく、オプションでも装着が出来ません。後方視界の確保という安全性に関する装備だけに、この点はコストダウンとは切り離して考えるべきだと思います。
②レンタル時の価格
これはTレンタカーに限っての話かもしれませんが、新型を3日間レンタルすると旧型よりも約5000円レンタル料が高くなります。私は新型に乗りたかったので、差額分については仕方がないと思いレンタルしました。でも、どちらでもよいという方は燃費も性能もそれほど変わらないので、旧型の方がリーズナブルだと思います。使ったガソリン代は22L、2800円弱ですみましたが、ガソリン代の差額を取り戻すことはできません。
1.8Lになって車両のクラスがあがったため、レンタル料金もあがったのだと思いますが、車両価格はほぼ据え置きなのに何故?(まあ、同じ値段なら当然みんな新型を選ぶので仕方がないと思いますが・・・)
③カーゴスペース
旧型よりはバッテリーも小さくなり、スペースも若干広くなったようですが、4人分の2泊3日の荷物(ボストンバック4つ+α)を入れると後ろはいっぱいです。旅行中に買ったお土産を「何処に入れたらよいのだろう?」とちょっと考えてしまいました。ファミリーユースのファーストカーとしては使うにはもう少し余裕が欲しいところです。
④ステアリングスイッチ
インフォメーションの切り替えなど確かに便利ですが、他に操作できるのはエアコン、オーディオなどアメニティ機能ばかり、エコモードとパワーモードの切り替えなど走行系の操作もできる方が良いと思います。
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