思うように動いてくれない車
そもそもABS(アンチロックブレーキシステム)とは、低μ路(雪道など)で急ブレーキを踏んだときに、タイヤがロックするのを防
2010.2.17
- 総評
- 思うように動いてくれない車
そもそもABS(アンチロックブレーキシステム)とは、低μ路(雪道など)で急ブレーキを踏んだときに、タイヤがロックするのを防ぎ、急ブレーキとハンドルによる操作で危機回避しようというシステムです。
周知の通りタイヤがロックしてしまうと、ハンドルによる操作はほぼ受け付けません。慣性の法則のまま、滑っている方向に進んでいくだけです。
そして、あまり知られてはいませんが、ABSは決して制動距離を短くするというわけではないのです。特に低速時の雪道などでは逆にタイヤをロックさせたほうが制動距離は短くなります。
つまり、ABSとは基本的には急ブレーキによる制動とハンドル操作による危機回避を両立させるためにあるのです。
さて、プリウスのABSですが、上記の事にプラスして回生ブレーキというものがついています。
普段使いでは、ABSは作動しませんのでブレーキを踏むとフットブレーキと回生ブレーキが作動して、それが制動力となって減速します。回生ブレーキは感覚的にはエンジンブレーキのような感じです。
そして、ABS作動時ですが、この時は回生ブレーキは作動しません。フットブレーキのみで制動します。ABSが作動するという状況では、力いっぱいブレーキペダルを踏み込んでいるわけですから、これは大抵の場合、特に問題はないのです。
しかし、低速時の低μ路では問題が出てきます。
例えば雪道やアイスバーンなどでは、普通の人はブレーキを踏むときはタイヤがロックしないようにゆるやかにブレーキをかけます。つまり、ABSが付いているからといっても、無意識のうちにロックを回避するブレーキ操作をしてしまうのです。
しかし、これがプリウスの場合はダメなのです。
ABSの介入が人間の感覚よりも早く、ゆるやかにブレーキを踏んでいるにも関わらず作動してしまうのです。
となると、ABS作動時には回生ブレーキはキャンセルされますから、どういうことになるかというと、それまでのゆるやかなフットブレーキと回生ブレーキによって生じていた制動力から回生ブレーキ分が引き算され、さらにABSによってタイヤの空転時という全くブレーキの効いていない時間帯も生まれるのです。
結果としては同じ踏力で踏んでいるのにも関わらず突然ブレーキが効かなくなったような状態になるのです。
(長所へ続く)
- 満足している点
- これはプリウス特有の現象で、回生ブレーキのない普通の車では、低μ路でABSが作動しても、エンジンブレーキはキャンセルされないのでブレーキの抜けるような感覚はそんなに顕著には現れません。
クセといえばクセなのでしょうが、ブレーキの効きがドライバーの予想を下回るというのは危険すぎます。
数センチが生死の境になるようなことも多々あるのですから、トヨタがリコールを決めたと言っても遅すぎます。決して褒められた対応ではないでしょう。
また、アメリカのトヨタつぶしという感想もたぶんにあると思いますが、ことブレーキに関してはアメリカの言い分は間違ってはいないでしょう。レクサスのフロアマットがアクセルに引っかかるというのは、言いがかりに近いような気もしますが。
- 不満な点
- 回生ブレーキは普通に走っていても停車する直前ではキャンセルされます。
多くの人が感じる停車する瞬間のギクシャク感、同じ踏力でブレーキを操作しても機械が介入し同じ制動力は得られないため、運転が下手になったように感じる違和感はこのためだろうと思われます。これは運転がうまい人ほど感じると思います。
プリウスはアクセルもブレーキもドライバーの思うようには動いてくれないようになっており、低燃費運転をドライバーに強要するのです。
もともとアクセルワーク、ブレーキワークが下手な人はそれでもいいのですが、上手な人にとっては思うように動かない違和感がつきまといます。そして、プリウスは運転を下手にさせる車といえます。ラフにアクセルを踏んでも、ゆるやかに踏んでも大して変わらない加速をするのですから、アクセルワークが荒くなるのは自明の理でしょう。
プリウスから普通の車に乗り換えた直後の人が一番危ない運転をするドライバーになっていると思われます。
機械の介入が多すぎるドライバーを下手にする車。
ハイブリット車ということで時代の最先端をいっているような気がするが、ハイブリットシステム以外は普通の廉価車。
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