試乗記です 意外といいかも
新型パッソKGC30 1.0+Hana(2WD)を試乗してきました。試乗はカローラ店ではなく、アムラックス東京の45分無料
2010.3.8
- 総評
- 試乗記です 意外といいかも
新型パッソKGC30 1.0+Hana(2WD)を試乗してきました。試乗はカローラ店ではなく、アムラックス東京の45分無料試乗キャンペーンを利用しました。
http://autos.yahoo.co.jp/news/detail/0/136649/
興味のある方はアムラックス東京のWebサイトで詳細ご確認下さい。
アムラックスのタイムレンタルはいいですね(注1)。1人や知人同士で気兼ねなく長時間試乗出来るのはグッドです。こういう顧客目線のサービスは、さすがトヨタと感心しました(注2)。
さて本題のパッソ1.0+Hanaの走りの質感ですが、結論から言うと個人的には「予想より意外といいじゃない」という感想でした。CVT化によって、現所有車の初代KGC10パッソ(イロドリ)とは別のクルマになった印象です。これにはCVT化による直接的なメリットと、副次的な(やむを得ずもたらされた)メリットがあると思いました。詳しくは長所・短所にて。
また東京都心部を試乗してみて、やはりパッソのボディサイズや小回り性能は魅力満点と再認識しました。アムラックス東京の試乗は高速道路禁止のため、高速性能だけは試せませんでしたが、都心部とはいえ日曜日は空いているので少し飛ばしてみることも出来ました。リッターカーとしては、少なくとも下道の常用域における走りの質感は、十分満足できるものでした。
まあ冷静に見れば、希望小売価格が129.5万円のクルマですから、価格性能比でやっとフツーのトヨタ車になったか、というレベルかと思います。私が試乗経験のあるクルマでは、同価格帯なら現行GE6ホンダフィットの方が、明らかに絶対性能が高いです。しかしトヨタ車ユーザーには、ホンダ車の様なキレ味やゴツゴツ感はむしろイヤ、という方も多いと思います。そういう方には、パッソ1.0+Hanaの乗り心地と操縦性のバランス感覚は好印象かもしれません。
なお、外観・内装・装備についてのレビューは2月21日に投稿していますので、そちらをご覧下さい。内装・装備については、今回の試乗で確認した点のみ追記します。
(注1)新型パッソは試乗キャンペーン中で無料でしたが、通常はタイムレンタル料金が必要ですのでご注意下さい。
(注2)よくよく見ればタイムレンタル料金は時間対比で割高と思うのですが、さりげなく取っちゃう抜け目のなさも、さすがトヨタ(グループ各社)ですね。商売がうまいです。
- 満足している点
- 【CVT化の直接的なメリットと思われたところ】
■初代KGC10の4ATと比べて、非力な1リッターエンジンのパワーを無駄なく使えるようだ。パワー伝達のダイレクト感が増し、アクセル開度に対する加速反応が良くなった。
■3気筒独特のエンジン音や振動が余り気にならなくなった。CVT化による平均回転数の低下だけでなく、遮音やエンジンマウントの改良など理由は複数あるのかもしれない。
■平均燃費計は12.8km/Lを表示した。東京都心部で試乗だけに使われていることからすれば、好燃費と言えるのでは。
■CVTの弱点である、クリープの弱さや低速時のギクシャク感はうまく消されていると思った。よく注意すればクリープ発生までの若干のタイムラグや低速時のギクシャク感もわかるのだが、実用上問題無いレベルと思う。坂道発進時にもズルズル下がる様なことは無かった。
【CVT化の副次的なメリットと思われたところ】
■ブレーキの効きが良くなった。効きそのものは並だが、初期制動力が向上し軽い踏力で普通に止まる。踏力の加減によるコントロールもしやすくなった。但しこれはCVT化の副次的な(やむを得ずもたらされた)メリットではないかと試乗の最後に気がついた。そこは短所にて。
【その他長所】
■初代KGC10に比べてサスペンションが締められた感じがした。相変わらずスタビライザーは前後とも無く、ロールはそれなりに大きいが、初代KGC10のノーマルサスで感じられる「常用域での腰くだけ状態」は、1.0+Hanaでは見られなかった。中速域でのコーナリングや、ちょっとした回避操作の際にもクルマの動きが読め、怖さは感じなかった。ゆれ具合は初代KGC10とさほど変わらないが、ゆれの収束が良くなった感じ。165/70R14のタイヤも効いているのかも。
【内装・装備の長所追記】
■着座位置、アイポイントは初代KGC10にも増して高くなった印象。小柄な女性にはとても運転しやすいクルマだろう。
■窓が大きく室内が明るい。トヨタ車には、スタイリング優先でボディの大きさに対して窓面積が相対的に小さいクルマが多いと思うが、パッソは例外で個人的には好印象。
■新型でもリヤドア窓がほぼ全開まで下がる。
■スピードメーターは、やはり新型のインパネ装着が見やすいことを実感した。
■スカッフプレートが標準装備となっていた。プラスチックの安物だが、あると無いとでは大違い。
- 不満な点
- 【CVT化による短所と思われたところ】
■CVT化により、エンジンブレーキが余り効かなくなった。アムラックス東京は地下に駐車場があり、入庫時には急勾配を下るのだが、シフトレバーをSレンジやBレンジに入れてもエンジンブレーキが効く感じがせず、どんどん加速してしまいフットブレーキに頼らざるを得なかった。なるほどブレーキ強化は、これを補うためなのかもしれない。
■CVT自体のチューニングはトヨタ式。発進直後はエンジンがうなり、すぐさま強制的に回転が落とされる。非力なエンジンゆえ余り気にならないが、ある程度パワーのあるエンジンでは違和感があるかも。
【その他短所】
■ゆるい登り勾配や、流れの速い片側2車線道路で周囲の流れに乗ろうとすると、エンジンのパワー不足が顔をのぞかせる。まともに走れるアクセル開度では、ECOランプ点灯は望めない。
■ステアリングは初代KGC10と同様、中立付近が甘く切れもスローである。但しホイールベースが短く軽量なこのクルマにクイックなハンドリングは危険であり、受容すべき短所と思う。
■最小回転半径4.7mと、小回り性能は155/80R13タイヤ装着車よりは一段落ちる。対向2車線道路での一発Uターンを試してみたが、さすがに無理だった。とはいえ、いつでもどこでもクルクル回れる痛快さは変わりない。
【内装・装備の短所追記】
■チョコ色2トーンの内装は、日中の光を浴びると安っぽさが倍増する感じ。しょせん低コスト車なのだから、ダークグレーなど平凡な内装色の方がどう見ても無難と思う。この安っぽさでは、新型のターゲットである女性の皆さんこそ欲しがらないのではないかと、いらぬ心配をしてしまう。
■オートエアコンのパネル式スイッチは、どこを何回押せば良いのか瞬時にわからず使いにくかった。風量・風向・温度など多段階選択するものはダイヤル式で、エアコン本体や外気導入/内気循環の切り替えなどオン・オフを選択するものはボタン式で、と操作性が分けられた方が使いやすい。(前車EU1ホンダシビックがこの方式で、とても使いやすかった。)
■ルームランプが天井中央に無いとかグローブボックスが無いなど、伝統的なクルマの内装をハズしている部分は、やはり今一つと感じた。フロント天井部のルームランプ兼マップランプだけでは、後席はさぞ暗かろう。小家族のファミリーカーにもなり得るクルマなのだから、そういうところにも配慮が欲しい。
- デザイン
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- 走行性能
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- 乗り心地
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- 積載性
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- 燃費
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