よくできたチョイ乗りカー
エコカー減税・補助金が付くうちに、ということで昨年末に新車購入しました。競合はホンダフィットとライフ。前車EU1シビックiE
2010.2.6
- 総評
- よくできたチョイ乗りカー
エコカー減税・補助金が付くうちに、ということで昨年末に新車購入しました。競合はホンダフィットとライフ。前車EU1シビックiEからダウンサイジングしたかったのですが、ホンダにちょうどいいクルマが無くパッソ本命で商談を進めました。最終的に値引きが大きくボディが小さいパッソに決定しました。
実際使ってみて、軽とコンパクトクラスの中間という中途半端さが、むしろ日本の道路事情には最適と感じられました。性能面・装備面は、あくまでチョイ乗りカーの域を出るものではなく、割り切って所有する必要があると思います。割り切れる範囲の中では好感のもてるクルマ、というのが個人的な評価です。納車から約1ヶ月半ですが、街乗り、郊外、高速と一通り走ってみて実感できました。
トヨタ車は自己初所有ですが、消費税込100万円ポッキリでこれだけのクルマを造って売るトヨタとダイハツの底力は凄いと思いました。
但し走行性能だけは苦言を呈しておきたいです。いくら割り切ってといっても、ヤワ過ぎる足回りや甘いブレーキは、おとなしく走っていても恐怖を感じるレベルです。女性や高齢者、初心者を主力の購買層とするクルマなのだから、むしろしっかり感を出して欲しい。バネ、ダンパー、スタビライザー、ブレーキパッドなど、大してコストをかけずともちょっとしたチューニングで変わるのでは。これは一般ユーザーはこんなもんと決めつけているかの如きトヨタ流チューニングの問題であって、コストの問題ではないと思いますね。
パッソはよくできたチョイ乗りカーといえますが、やはり遠乗りの多い方や、クルマに高級感やくつろぎ、または走りを求める方には不向きと思います。購入をご検討の際は、必ず試乗することをお勧めします。
- 満足している点
- ■「イカツかわいい」外観。男性でも乗れる。
■コンパクトな外観に対して広く開放的な室内。ラゲージスペースも広くはないが実用的。ウインドウやバックドアを立てたデザインが効いている。
■横幅が狭く細道での運転がラク。他のコンパクトクラス「世界戦略車」は軒並み5ナンバー枠一杯の全幅なので細道では結構気を遣う。
■イザという時、軽より1人多く乗せられる。
■1リッターエンジンは平地を普通に走る分には十分な性能がある。但しホンダ車の様な低回転域から湧いてくる力感は無く、初速が遅い感じがする。
■燃費は郊外15km/L強、街乗り12km/L前後。凄い燃費とは言えないが、4ATなどコスト優先の古い設計の割に好燃費なのでは。
■4ATは枯れている。出来の悪いCVTよりは実走行時の感じが良い。坂道発進時に下がらないのも良い。(ベルタにも試乗したが、ホンダに比べてトヨタのCVTは不自然な感じがした。)
■環境性能良好。CO2排出量はプリウスには負けるがSAIと同等。パッソ1L2WD 108.0g/km、SAI 101.0g/km。
■フロントベンチシート、リヤシートとも座面が大きめ。男性でも座りやすい。
■着座位置が高く、アイポイントが高めで運転しやすい。車の小ささを感じさせない。
■前後席とも非常に乗り降りしやすい。女性や高齢者に優しい造り。
■コラムATで左右ウォークスルーができる。
■ベンチシートのセンターアームレスト部の収納力が意外とある。使いものにならないグローブボックスの代わりになった。
■フロント中央部のトレイ(マルチトレイ)、助手席シートアンダートレイも便利。
■リヤドア窓がほぼ全開まで下がる。
■バックドアが軽く開閉できる。
■駐車場を選ばない。タワーパーキングに入る高さ。ショッピングセンターによくある軽限定の駐車スペースにも停められる。
■最小回転半径4.3mと軽並みの小回り性能。Uターンや鋭角交差点を切り返し無く行けるのは痛快。155/80R13の貧弱タイヤが小回り性能の源であるのは痛し痒し。
■普通車サイズのボディは軽より安心感がある。とはいえパッソの場合造り自体は軽そのものなので、あくまで「感」の差か。
■ガソリンタンクの扉(フューエルリッド)の裏側に、給油中にキャップを掛けられるハンガーが付いている。セルフ給油向けに気が利いた装備。
■長く乗る前提ではお買い得だった。イロドリはそもそも低価格+モデル末期で値引き大+エコカー減税・補助金効果。
- 不満な点
- ■1リッターエンジンはエアコン使用時や登坂時には力不足を感じる。
■4ATは少々アクセル踏んだだけではキックダウンしない。登坂でどんどんスピード落ちる。燃費優先の設定なのだろうが、非力なリッターカーには向かない。
■3気筒独特のエンジン音や振動は、回すと少々気にさわる。ロードノイズも大きいが、安物タイヤが主因か。いずれものんびり走っている分には気にならないが。
■足回りはいくらなんでも柔らか過ぎる。乗り心地云々以前に危険では。試乗で不安を感じ、納車時にRacy用リヤスタビライザー(部品代8,000円弱工賃サービス)を取り付けてもらい大きく改善した。フロントはスタビ無しのノーマルのままだが、高速や急カーブでも怖くなくなった。やはりFWD車はリヤサス締めれば安定する。
■ブレーキの効きが甘い。ボディ軽いのに何で?という感じ。
■強い横風に振られる。
■冷暖房ともに効きが悪い。但し女性にとっては、冷えすぎないというのは良いのかもしれない。
■スピードメーターは視点が近すぎ見づらい。
■タコメーターがオプションでも付かないのは納得いかない。高回転多用する小排気量車こそタコメーター無いと不便。社外品付けて解決した。輸出用ダイハツ・シリオンにはスピードとタコが一体のメーターが付いている。わざわざ造り分けなくても。
■リヤシートのヘッドレストの高さが足りない。安全性よりシートアレンジ優先?
■バックドアからラゲージスペース丸見え。純正トノカバー付けたが高価だった。
■内装が傷つき易い。腕時計で擦るなど要注意。いかにもプラスチックな質感は価格相応であり、やむを得ない。それでもホンダ車よりは良いかな。
■1リッターモデルは細かい装備が涙ぐましいほどにケチられている。後席アシストグリップ省略、リヤスピーカー省略、ピラーアンテナなど。まあこれも仕方ないか。
■フロントベンチシートだと、リヤのドリンクホルダーが無くなってしまう。
■二段式グローブボックスは、車検証がやっと入るだけで実質的収納力無し。
■助手席前のトレイ(ワイドフリーラック)は広いのに中敷きが無いので、収納物が滑ったり転がったりしてしまう。社外品の吸着シートを貼って解決した。
■ウォッシャーノズルが方向調節できない。
■ガソリンタンクへの給油管が細く、セルフ給油の際すぐに止まってしまう。レバー半開で給油すれば良いのだが、やや面倒。
- デザイン
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- 走行性能
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- 乗り心地
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- 積載性
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- 燃費
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- 価格
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- 故障経験