トヨタ パッソ 「ひとまわり大きな軽自動車」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

ひとまわり大きな軽自動車

2023.7.20

年式

2016年4月〜モデル

総評

ひとことでいえば「シンプル・イズ・ベスト・カー」ですね。装備も走りも、そしてエンジンやボディサイズにも過剰なものはなにもありません。そして安い。しかし、日常移動はこれで十分だし、後席が広めだからファミリーだって対応できる。そういうベーシックなクルマを求めている人のための商品ですね。

満足している点

リーズナブルなこと。それでいて実用性が高いこと。“クルマ界のニトリ”のようなクルマと言っていいのでは。多くを求めるといろいろ不満もありますが、普通に使うならこれで十分です。

不満な点

高速道路や峠道ではパワー不足だし車体の安定感がイマイチ……と言えなくはないですが、そういうところをあまり走らないのであれば気にならないでしょう。

デザイン

3

個性とか特別なところは特にないプレーンなデザインですが、このクルマは「主張のない水や空気のような存在」というのがいいのだと思います。多くの人が受け入れやすいですからね。普通のタイプ（ヘッドライトが四角い）とヘッドライトが丸いタイプの2種類がありますが、前者は老若男女問わず、後者はキュートな雰囲気で若い女性が似合いそうです。

走行性能

2

軽自動車プラスαと考えておけばいいでしょう。毎日の足として不足はありません。ただ、高速道路移動をしたり峠道を走ったりすると「もうちょっとパワーが欲しい」とか「もっと足回りが踏ん張ってほしい」とか感じるかもしれませんね。そういう意味では、軽自動車と同じように、近所を中心とした日常の足に最適化したクルマと考えるといいかもしれません。

乗り心地

4

マイルドで、多くの人が自然に受け入れられる優しさを持っていますよね。なかには「ちょっと柔らかすぎてフラつきがあるから、もう少し締まっていたほうがいい」と感じる人もいるかもしれませんが、そういう人は少数派でしょう。後席の広さは、この車体サイズを考えたら素晴らしく、居心地もいいです。

積載性

3

絶対的な広さとしては「ライズ」などのコンパクトSUVなどにもかないません。が、全長わずか3680mm、つまり軽自動車枠＋18cmしかないボディと考えれば上出来。「タント」や「N-BOX」などスーパーハイトワゴンの軽自動車（の後席スライド最後部状態）に比べると広く確保されています。「X」系は後席格納が左右一体なので、3人乗車＋後席を倒して荷室拡大したいのであればリヤシートが6:4分割になる「MODA」系のグレードを選ぶといいでしょう。。

燃費

5

WLTCモード燃費はFF系が21.0km/L、4WDが19.0km/L。実際にはなかなかそこまで届きませんが、乱暴な運転をしなければ15km/L程度までは届く状況も多いです。ハイブリッドカーでもないのにそこまで伸びるって、凄くないですか？

価格

5

FF車は127万5000円から。最上級タイプでも173万7000円。軽自動車並みの手ごろさです。リーズナブルなクルマが欲しいけれど、軽自動車ではないほうがいい。そんな人にオススメですね。