トヨタ ランドクルーザー300 「世界が認める最強のオフローダー」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

世界が認める最強のオフローダー

2021.10.29

年式

2021年8月〜モデル

総評

オフロードの王者として、世界に誇れる存在。そう考えただけでも存在意義は大きいし、所有欲を大いに満たしてくれるクルマと言える。「ランクルか、それともランクル以外のクルマか」というくらい、特別な1台だ。

満足している点

高い悪路走破性。それも単に「走れる」というだけでなく、難しいテクニックが無くてもクルマの技術がフォローしてくれることで誰でも険しい道を走り抜けられてしまう。もっとも容易に険しい道を走り抜けられるという意味では、量産車としては世界最高峰だろう。

不満な点

値段が高いことと、車体が大きくて一般常識的な日常ユースには適さないこと。個人的には、装備を絞って買いやすい価格とした業務用の実用バージョンなどがあればいいと思う。

デザイン

3

巨大で重厚なグリルを構えた立派なフロントフェイスは、まさに威風堂々。全体のスタイルもランドクルーザーらしさに満ち溢れ、いっぽうで流れるウインカーなど新しいギミックも組み込んでいる。個人的にはフロントのデザインはちょっと押し出しが強すぎる気もするけれど、このくらいがいいと感じる人も多いだろうし、そのあたりは好み次第。

走行性能

5

何を求めるかによって評価は変わってくるが、悪路走破性を求めるのであれば満点を与えないわけにいかない。悪路走行性能は世界トップレベルで、かつてのランドクルーザーだとドライバーがテクニックを駆使しないと走り抜けられなかったような極悪路も、最新のアシスト技術を駆使することで、誰でも涼しい顔で走り抜けられるようになっているのだから凄い。

乗り心地

4

基本的には快適だが、ラダーフレーム特有の路面の段差を通過した際などの軽い突き上げは、一般的な乗用車や昨今のSUVから乗り換えると気になるかもしれない。とはいえ、しっとりとした乗り味はさすが。長時間運転でも疲れ知らずで、どこまでも走っていけそうな気になれる。

積載性

5

車体が大きいから荷室自体も広いうえに、シートアレンジを問わず床がフラットで、床から天井までの天地高がしっかり確保されているのもポイントだ。300系で注目したいのは、3列シート車の3列目の格納方法。従来は左右跳ね上げ式で畳んでも存在感があったが、ついに床下格納式となったことでスマートに畳めるようになった。ちなみに3列目を畳んだ状態の床は、2列車に比べると6cmほど高い。しかし、それを感じさせないほどスッキリ収まる。

燃費

4

エンジンをダウンサイジングしたことで、従来モデルに比べると燃費は大幅に向上。ガソリンでも高速道路巡行なら実燃費10km/Lに迫るし、ディーゼルであれば13kmを超えることも。燃費に関して300系は、これまでのランドクルーザーとはまったく違う世界に入ったといっていい。

価格

2

もはや、ちょっとしたプレミアムSUVだ。しかし、ハイテク機能も快適装備も充実したフラッグシップSUVだと考えばそれも納得。ライバルに相当する輸入車のSUVと比べれば十分にリーズナブルだ。そして、手放すときのリセールバリューも高いので、実質的な支払額は車両価格ほど高くないのも見逃せない。