マキシマムでない人 ミニマムでない車
iQ・100Xの2シーターを昨年11月に納車され、今日まで7500km程度走破しました。
その感想に基づいてレビ
2010.9.11
- 総評
- マキシマムでない人 ミニマムでない車
iQ・100Xの2シーターを昨年11月に納車され、今日まで7500km程度走破しました。
その感想に基づいてレビューします。
前車のインプレッサSTI(GDB-A型)から乗り換える際に気にした点は、燃費のいい小型車である事と同時に
「小さいからといって退屈なクルマにはしたくない」ことでした。
使用目的は職場への通勤と仕事での連絡業務で、独身のため2人以上乗せる可能性はない事をふまえた上で
iQの100X・2シーターを選択しました。
カタログ上での数値では4座席モデルより110kg軽量とされているのも2シーターにした理由です。
動力性能の余裕を考えれば1.3Lにしたかったのですが2シーターは1Lにしか設定されてなかったので…
他にもNEWミニやフィアットNEW500も検討しましたが、サイズや支払い、信頼性等でそれらを選択するだけの理由は
ありませんでした。
他にもスバルR1も検討候補でしたが、広さという点で外しました。ハイト系軽も同様です。
軽自動車は上下と前後の広さはよくても、幅についてはどうしても窮屈にならざるを得ないので。
カタログ上での数値では4座席モデルより110kg軽量とされているのも2シーターにした理由です。
初代パッソの「トヨタ最小」そしてアベンシスの「トヨタが作った欧州車」両方の宣伝要素を兼ね備えた車、
それがiQです。日本で売っているのはあくまでついで、本来のターゲットは欧州で並み居る強豪コンパクトカー
と競うためのクルマといえます。バンパーのナンバープレート取り付け部もEU仕様の横長タイプそのままですし…
欧州COTY2010でイヤーカーのVWポロと10ポイント差まで競り合った事実が、彼の地での評価を端的に表している
といえるでしょう。
日本では軽自動車と競合を強いられる不遇な立場ですが、実際は軽とは全く立ち位置の違う存在です。
都市部での小回りと都市間移動をもこなせるGT的性能を両立させるハードウェアを実現させた反面、後部座席の
乗員の居住性は制約した結果が、この形にあらわれています。
ウィッシュの前席と3列目シートにパッソの動力部とヴィッツRSの足回りを合体させたようなものでしょうか?
居住性を限定して動力性能と小型化を優先させた、このクルマのキャラクターを理解していなければ正当な評価は
しづらい…それが現時点での感想です。
- 満足している点
- 一番の長所は、なんと言っても小回りです。片側一車線道路でさえ、路側帯が広めならUターン可能なほどです。
駐車場でも頭から躊躇なく入れられる上、柱などが出ていて軽専用になっているスペースでさえ余裕で入ります。
動力性能も軽とは比べものになりません。ECOモード作動で燃費走行もいいのですが解除して回し気味も快感。
高速走行時の安定性は目を見張るものがあります。安定性も振動も不安を感じる挙動を感じたことはありません。
一度、豊橋~沼津間の高速道路を深夜に100km+α巡航で移動しましたが、まったく問題等はなく、むしろ高速域に
達する程に安定性が増すような感覚をおぼえました。
標準装備でVSCが装着されていますが、雨天・凍結など路面状況が悪い場合を除いて普通の運転をしている限り
作動する事態は皆無だと思います。
ただし、一度サイドブレーキターンを試した時には盛大に警告音を鳴らしました(笑)。
ハンドル操作感覚も、非スポーツグレード国産車ではありえないレスポンスで反応します。
内装も軽及び普通のコンパクトカーレベルでない完成度があります…ただし気に入るかどうかは別ですが。
シートは標準のファブリックですが、座った感触・ホールド能力ともに好印象です。ただし…
レザーパッケージの場合は別で印象が悪いというレビューも見られるので、注意が必要です。
リアシートのない2シーターの場合ですが、後部スペースへの荷物の積載能力は標準的に使える容量です。
グレープフルーツ入りの大型段ボール箱を6箱収納することが実際にできました。
ただし後部ハッチの上下サイズは小さいので、出し入れには多少の労力が必要です。
基本的にドライビングプレジャーを求める人向けのキャラクターだと言えます。
- 不満な点
- 外見ではうねりが多い形故に洗車機で洗いきれない隅の部分が出ること…デザインの印象は好き嫌い次第。
またボンネットの隅が目視できない形状なので、慣れてないと角を曲がる際に擦る危険性があります。
もっとも、フロント・リアともにオーバーハングは極小なので、このクルマで頻繁に壁に接触する様なら運転自体
しないほうがいいくらいなのですが。
後方視界も、ミラーやバックモニターで補完できる真後ろはともかくBピラーとCピラーが太く後部の窓が小さいため
に斜め後ろの視界は遮られがちで、道路脇から斜めに発進する場合に進行方向反対側への視認は難しいです。
ノーマル車高では腰高な印象がどうしても気になったので、モデリスタのローダウンスプリングを組み込みました。
2cmの車高低下で収まりはよくなりましたが、段差でのバンパー下接触は多くなった気がします。
ただしバンパー下にある黒い無塗装樹脂パーツが擦れているだけなので、気にするほどの事でもないかもしれません。
リアブレーキがドラムなのも外見的にショボくて×。仮にもプレミアム性を売るクルマとも思えません。
内装では、樹脂パーツのシボがベニヤ板の木目のようで質感が悪く傷つきやすいこと。堅い物でたやすく削れます。
収納が極端に少ない点も大きく×。実用に足るのはドアポケットと後部座席下のみですから…
遮音性の面では、低回転時(1000~1500rpmぐらい?)にだけ共振が起きる点と、運転席シートベルトをBピラーに
納める穴から外部の音が侵入する点が目につきます。特に雨天走行時の水音が入りやすいように思えます。
運転席・助手席シートについては、新幹線のリクライニングより少しマシな程度の角度までしか倒せない構造です。
シート下も着席センサー類が密集していて物が入りません。他に助手席に重い物を乗せるとセンサーが反応してしまい
シートベルト未装着警告が出る点が×。操作レバーの位置も不自然で×。
燃費も思うほど良くない印象です。起伏がそれなりにある土地の短距離通勤がメインでストップ&ゴーが多く、
運転者の性格上、多回転もしがちな使用状況なので燃費条件は悪いのも事実ですが…
高速道路移動も含めた条件で実測リッター平均13km前後、夏期はクーラー常用時でリッター平均10km以下の数値しか
出ません。液晶モニターの燃費表示はその時々の瞬間数値なのであてにできません。
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