トヨタ iQ 「面白い！でも日本には軽という強敵が・・・ 昨年末、日本カーオブザイヤー受賞で華々しくデビューはしたものの、最近の販売台数は月に５～７００台。もう一方の」のユーザーレビュー

面白い！でも日本には軽という強敵が・・・ 昨年末、日本カーオブザイヤー受賞で華々しくデビューはしたものの、最近の販売台数は月に５～７００台。もう一方の

2009.8.3

総評

面白い！でも日本には軽という強敵が・・・
昨年末、日本カーオブザイヤー受賞で華々しくデビューはしたものの、最近の販売台数は月に５～７００台。もう一方のＲＪＣカーオブザイヤー受賞のワゴンＲには販売面では圧倒的に差をつけられ、わずか半年ですっかり忘れられた存在になりつつあるＩＱ。一人だったこともあり、たまには違った車も良いだろうとレンタルで使ってみた。
　さて、乗ってみた印象を一言でいうと。
　「コイツは結構面白い！」
　わずか２ｍのホイールベース。ステアリングを切ると自分を中心に回転するという感覚は新鮮だ。
　一番近いのは遊園地で乗るゴーカートかな。乗ったことはないが、戦車の旋回もこんな感じかもしれない。この感覚を味わうだけでも、一度は乗ってみる価値がある。
　当たり前だが、縦列駐車などはお手の物。軽自動車よりもさらに扱いやすく、わずかなスペースがあればもぐりこめる。都市部で使う機会が多いならとても便利だ。
　燃費も高速と街中が約半々の使用で約１６ｋｍ／Ｌとまあまあ。欲をいえば、エンジンは１Ｌだし、車体はヴィッツよりも100kg以上も軽いのだからもう少し良くても・・・
　たった一日しか使っていないが、この楽しさは癖になりそう。
　また機会があれば借りて使ってみたいなあという気持ちになった。
　では、実際にＩＱを買ってみたいか？　　と言われるとちょっと考える。
　無理に後部座席をつけたために、助手席にはグローブボックスさえなく、使い勝手はよくない。
　値段的には、最近は軽自動車でも150万円を越えるものも多いので、この内容ならまあ許容範囲。でも、軽自動車なら大きさもそれほど変わらないのに、後部座席はクラウンより広いものもある。また、日本では軽自動車は税金面などの維持費では圧倒的に有利だ。こればかりはどうしようもない。使い勝手と維持費を考えるとやっぱり躊躇する。
　「軽」規格のない欧米ではこのコンセプトは認められているようで、ＩＱの世界での生産台数は月に６～７０００台と日本国内の販売台数の10倍ほど。特に欧州では評判はよさそうだ。同じ土俵で勝負ができれば、もう少し売れても良い車だと思う。

満足している点

①小回りがきく
　最小回転半径はわすが３．９ｍ。こればかりは軽自動車でもかなわない。
　縦列駐車はお手の物。わずかなスペースがあればもぐりこめる。
②楽しいぞ！
　ステアリングを切れば独楽のようにクルクルと回る感覚は非常に面白い。
　広いスペースさえあれば、パイロンを並べて仲間内で「障害物レース」なんかやってみたい。
　結構盛り上がりそう。
③安全性
　欧州唯一の公的新車評価基準「ユーロNCAP」での安全性能総合テストで、最高レベルの5つ星を獲得。
　評価項目は「成人乗員保護性能」、「子ども乗員保護性能」、「歩行者保護性能」「安全補助装置の有無」。5つ星を獲得するためには、総合評価が70ポイント以上必要だが、総合評価は79ポイントで、見事最高評価の5つ星。9エアバック、ABS、EBD、VSCと各種安全装備も充実。
　ただし、リアウインドウと後部シートの隙間はわずか数ｃｍ。いくらリアウインドウエアバック標準装備とはいえ、後方からの衝突安全性は疑問。後ろの席に人は乗せたくないし、自分もこの車の後ろには絶対乗りたくない。

不満な点

①無理なパッケージング
　このサイズに後部座席を押し込んで4人乗りにした努力と技術はすごいと思うが、そのために助手席にはグローブボックスさえ無い。収納スペースが少なく、日常での使用には非常に使い勝手が悪い。
　どうせ、子供しか座れないスペースなのだから、２シーターでパッケージングを考え直した方が魅力的な車になると思うのに。
　また、リアウインドウと後部シートの隙間もわずか数ｃｍ。いくらリアウインドウエアバック搭載とはいえ、後方からの追突時の安全性は疑問。シートが不要になる分、価格も安くなるし、安全スペース確保の点でも、２シーターの方が好ましいと思う
と思っていたら、もうすぐ２シーター仕様が出るらしい。
最初から作ればよかったのに・・・。
②１Ｌ直３エンジン
　ビッツやパッソに積んでいるのと同じ１Ｌ直３エンジン（1KR-FE）はイマイチ。
　軽自動車よりはましだが、高速道路の走行ではうるさいし、振動も大きいので好きではない。
　軽との格の違いをアピールするなら、直４の１．３Ｌが欲しい。
③維持費
　これはＩＱのせいではないが、ここ日本では税制面は軽自動車が有利。
　買うときの値段にそれほど差がなくても、自動車税や重量税は軽自動車の方が圧倒的に安い。
　金額そのものよりも、同じ大きさの車で値段が違うことが心理的に「損した」気分になる。この車がここまで売れない最大の理由ではないかと思う。
④フロントのデザイン
　これは個人の好みだけれど。フロントマスクは好きじゃない。
　今度、アストンマーチン版をＯＥＭで作るそうだが、ＦＩＡＴあたりにデザインをまかせたら、もっとポップでオシャレな車を作ってくれるのでは？ＦＩＡＴ５００（チンクチェント）のマイクロ２シーター版なんて出たら一度は乗ってみたいなあ。

デザイン

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走行性能

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乗り心地

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積載性

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燃費

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価格

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故障経験