控えめな高級車(高額車)でゴメンなさい
デザインは、お世辞にも同じFセグメントであるベンツSクラス、BMW7シリーズやジャガーXJのような気品あふれる
2013.4.21
- 総評
- 控えめな高級車(高額車)でゴメンなさい
デザインは、お世辞にも同じFセグメントであるベンツSクラス、BMW7シリーズやジャガーXJのような気品あふれる高級車としての威厳や存在感は全くありません。最高仕様で800万円もする高級車(高額車といいますか)ですから、きめ細やかなプレスラインのエッジの一つや二つ効かせてもいいと思いますが、ボディのプレスラインはツルッとしています。ボディのデザイン料や加工代は、カローラと大差ないようです。
エンジンは、トヨタが誇る直噴V8エンジン(レクサスLSのものをディチューンしたものですね。日本で販売する乗用車にV8エンジンを搭載・開発しているのはトヨタのみですね)で、低速から野太いトルクが出ておりますが、スペックほどの加速力や力強さは感じません。(燃費を稼ぎ出すようにECUのセッティングをしているようですし、乗り手に刺激を与えないようにおじいちゃん使用に徹しているようですね。)初代マジェスタやセルシオを運転した時に味わった「これはただものではない」というような鳥肌ものの感動は残念ながらありません。
乗り心地は、極上の一言ですね。微低速からダンパーがしっかりといい仕事をしています。個人的には、このマジェスタのふんわりとしたやや柔らかめの足が好みです。(ドイツ車(VW)の乗り心地ががお好きな方には理解できないかもしれませんが。BMWも先代の5シリーズなどはランフラットタイヤの影響もあって、乗り心地が固かったのですが、今は柔らかみのある足回りでラグジェリー化しています。これからは、このやんわり系がモードになっていくかもしれません。)
ただし、この足回りの振動が若干ボディにつたわりますので、ここを改善していただければ個人的には完璧だと思います。(トヨタの技術力をもってすれば可能だと思います)
シートや内装はさすがにがっかりしました。800万円のクルマとは思えません。(詳細は後述させていただきます。)
総評としては、車の走りに関しては、高級車として合格なのですが、デザイン、室内や品質などは、300万円代のクルマとの価値の違いが見いだせなかったため、お得感はありません。
- 満足している点
- ・ブレーキはさすがいにいいですね。フロントは対向式の4ポッドディスクブレーキを使用しており、遊びもなく踏力に応じてリニアに効く感じがします。(エレキブレーキ(ブレーキバイワイヤ方式という電気で信号を送り油圧を調整する仕組みですね。)は、ドイツの某メーカーが開発に失敗してリコール騒ぎになりました。このような難しい技術をものにするトヨタの技術、それを支える部品サプライヤーの方たちの努力は世界一ですね。
・エアコンやオーディオの操作がしやすい。(お年寄りの方々が安全に使用できるように徹底して配慮している心配りにトヨタの凄味(表現がおかしいとは思いますが、ここに世界一のヒントが隠れているようでしたので)を感じました。
・先代のマジェスタからそうなのですが、あのダサイ王冠(本当にあれはやめた方が良いです。ブランドとして認知されていません。トヨタは何十年という歳月を経てようやく気づいてくれたようですね。)が外されていること。
- 不満な点
- ・デザインが洗練されていない。(高級車として、「これがマジェスタだと」いえる特徴が全くありません。何回も申し上げますが、この車は800万円のクルマです。)
・シート本革なのですが、皮質、なめし技術、クッション性すべてにおいて輸入車に完敗です。(レクサスのシートも同様なのですが。)トヨタが高級車づくりを今後続けていくのであれば、シートは無理をせずにイタリーの工房などに外注した方が良いと思います。(高級車は、80点主義では成立しませんね。)
・室内のパネルには木目をたくさん使用していますが、この木の質感が最悪です。特にステアリングホイールには質感を高めるためにウォールナッド(クルミ材)を使用しているのですが、あたかもホームセンターに市販している組み立て式ウッド本棚の質感と同じようでがっかりです。(新型クラウンの木目調パネルの方が質感が高いです。トヨタは本木目にこだわるのであれば、一度イギリス車(ベントレーやジャガーなどのクルマはウォールナッドの使い方が絶妙です。)を参考にした方が良いと思います。無理であればイングランドの工房あたりに外注した方が良いです。)
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