トヨタ クラウンマジェスタ 「クラウンの上級モデルとして君臨」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人
自動車ジャーナリスト
評価

4

デザイン
3
走行性能
4
乗り心地
3
積載性
3
燃費
2
価格
4

クラウンの上級モデルとして君臨

2022.1.17

年式
1991年10月〜モデル
総評
2代目クラウンに対するクラウンエイト(V型8気筒2.6l)が1964年に発売される。法人向けだったが一部、個人にも向けられた。マジェスタのルーツはこのエイトだ。また、8代目クラウンに当時のセルシオが搭載していたV型8気筒4.0lが移植された。バブル経済とともに売れ行きを伸ばす。マジェスタは右肩上がりの経済を象徴するクルマだった。
満足している点
今ほど、燃費数値の向上が叫ばれていなかった時代であることから、歴代マジェスタが搭載してきたエンジンはどれも個性が強かった。V型8気筒エンジンは4.0〜4.6lは世界の自動車メーカーを驚かせた静粛性とパワーを発揮し、それがセルシオやLS460よりも安価な価格で手に入ったこと。これが当時の市場に受け入れられた。
不満な点
動的な性能は高く、所有欲も満たされるが、一方で無駄が多いと評される。贅沢が過ぎるという意味だ。また、販売の現場でもベースとなるクラウンがどんどん性能を向上させていくなか、マジェスタとの差別化が図りにくくなってきた。そこでモアパワーの声に応えるべく6代目マジェスタでは3.5l+ハイブリッドシステムを搭載したが台数増にはつながらなかった。
デザイン

3

9代目クラウン登場後に初代マジェスタがデビュー。当時のフラッグシップだったセルシオとの間に位置するモデルで、クラウンをベースとしつつ専用デザインのボディを採用。14代目クラウンベースの6代目マジェスタまで存在する。5代目マジェスタまでの専用ボディから一転、6代目は14代目クラウンのホイールベースを延長し専用グリルなどを装着していた。
走行性能

4

クラウンよりも格上のエンジンを搭載するマジェスタ。筆者の印象深いモデルは12代目クラウンと同時期の4代目マジェスタだ。セルシオ譲りのV型8気筒4.3l+6速ATのパワフルかつ滑らかな走り。車両統合制御システムVDIMや、ACC機能、車線維持機能など先進安全技術(COMSカメラ/ミリ波レーダー/LiDARがセンサー)も満載だった。
乗り心地

3

クラウンは9代目までフレーム構造だったが、初代マジェスタではモノコックボディ(サブフレーム式)を採用。快適な乗り心地とドライバーズカーとしてふさわしいハンドリング性能を両立した。徹底した静粛性もセールスポイントであった。また、4代目マジェスタは新規開発したプラットフォームとエアサスペンションを装着し前/後席ともに快適で、走りも楽しめた。
積載性

3

ボディは大柄だが、トランクルームはゴルフバック4つの積載が目安とされ、それほど大きくはなかった。また、凝ったサスペンション形式であることから、床面の張り出しが多く、大きくかさばる荷物の積載にはあまり適さない。車内もミニバンと違って室内高が低く、各部の収納スペースも多くない。ただし、グローブボックスだけはしっかりとした容量が確保された。
燃費

2

正直言って良くはない。6代目マジェスタには直列4気筒2.5lハイブリッドモデルが4WD(クラウンとともにトヨタ初のハイブリッドフルタイム4WD)に搭載されており、これに関してはJC08モード値で19.0㎞/lを達成していたが、大方は走行パフォーマンス向上のために設けられた別モデルあることから割り切られていた。
価格

4

時のクラウンから100万円以上高めに設定されていた。搭載エンジンを変更し気筒数や排気量が上がっていたり、ボディにしても専用部品を多用していたことから当然の価格向上だった。また、当時は「次は一段良いクルマに乗ろう」というクルマ文化が根付いており、マジェスタの価格はクラウンとセルシオの中間に位置する絶妙な関係性が保たれていた。
西村 直人
西村 直人
自動車ジャーナリスト
WRカーやF 1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。
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