トヨタ クラウンハイブリッド 「インテリアと自動運転以外は満足度高し」のユーザーレビュー

インテリアと自動運転以外は満足度高し

2022.2.24

総評

次期クラウンはFFベースになるというリーク記事をよく見かけるようになりました。FRのクラウンが220系で最後になるとしたら、寂しいかぎりです。
ES300との比較でいうなら、走り（高速安定性やハンドリングなど）で、FFではまだFRに及ばないところがあると思うのですけど。
クラウン以外にも、マークX、レクサスGS終了など、FRモデルが冬の時代を迎えています。
FRモデルの終焉は、EVシフトという大変革がもたらしつつある現象のひとつなのかもしれません。
BEVの時代になれば、FRやFFというエンジン車の区別はあまり意味を持たなくなるのでしょうが、その時代が来るまではクラウンのFRという個性を楽しみたいと思います。

満足している点

高速走行で重要な直進安定性、ステアリング操作の正確さ、動力性能の３つがたいへん優れていると思います。
中でもステアリングを微修正せずともまっすぐに走ってくれる直進安定性の高さは特筆ものでしょう。
100km/ｈ出していてもクラウンでは体感的には80km/ｈ程度の速度感しかありません。他の車を運転したときには体感上の速度差に驚きます。
また1.8mの全幅と5.3mの最小回転半径のおかげで、駐車時の取り回しがとても楽です。
高速道路から駐車場まで、日本の狭い道路事情に合わせて進化してきた、たいへん乗りやすい車だと思います。
日本専用モデルのデメリットについてよく言われますが、おもにメーカー側のデメリットであり、ユーザーの「使い勝手」という観点からはほとんどデメリットはないと思います。

不満な点

走行機能に関しては、マルチステージハイブリッドシステムのギクシャクした感じが最初は慣れませんでした。
高速で巡航中にアクセルペダルを踏み込んでもガチャガチャとメカ音がして、実際に加速するまでのタイムラグがあります。（この問題は、加速前にパドルシフトで２速程シフトダウンすることで、とりあえず回避しています）
レベル２相当の自動運転機能はあまり信用しない方が良いです。高速道路のトンネル内の白線が薄くなっているところで、実際に縁石にホイールが軽く接触し、身の危険（というより恐怖）を感じたことが一度ありました。

インテリアデザインに関して、ある雑誌で220クラウンのデザイナーが、シンプル＆エモーションというコンセプトと『豪華で煌びやかなものではなく、シンプルで上質な現代のラグジュアリー性を求めた』という内容を語っていました。
確かに平均的に質の高いパーツが使われていますが、カバーなしのドアヒンジ、亜鉛メッキのドアストライカーなど一部のパーツのコストダウンによるチープさが印象を悪くしています。
他車種と共通で使い回ししているステアリングも、車を所有する喜びを大きく損なうものです。
「シンプル」とチープは同じではありません。
チープさに「エモーション」は感じられません。
もう少し細部に気を配ってほしかったですね。
（このあたり細部でコストダウンせざるを得なかったのが日本専用モデルのデメリットかもしれません）

デザイン

3

クーペライクなシックスライトのデザインは流麗で美しいと思います。
フロントマスクは、アルヴェルの影響か、威圧感のある強面で、最初は違和感がありました。
インテリアデザインは残念ながら、かなり不満があります。

走行性能

5

思い描いた通りにワインディングロードを走れるサスペンションとステアリングは素晴らしいです。
ただし、レベル２相当の自動運転はまだまだ未完成だと思います。

乗り心地

4

段差を乗り越えるときに多少突き上げ感がありますね。

積載性

3

長尺物が積めないです。
トランクスルーはあった方が良かったですが、遮音性とのトレードオフなのでしょう。

燃費

4

かなり良好です。
3.5Lにして、15km/l近く走ります。

価格

2

新車購入時に800万円を超えたので、決して安いとは言えないでしょう。
ただし、レクサスLS500Hと同じくパワーユニットを積んでいると思うとコスパは良いのかもしれません。

故障経験

リコールが二度ほど（三度？）ありましたが、今のところ、ノートラブルです。