トヨタ クラウン(クロスオーバー) 「2024年4月のMCで装備を充実&ランドスケープをラインアップ」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

一条 孝
一条 孝(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

4

デザイン
3
走行性能
4
乗り心地
5
積載性
4
燃費
3
価格
4

2024年4月のMCで装備を充実&ランドスケープをラインアップ

2024.7.28

年式
2022年7月〜モデル
総評
デビューから1年9カ月ぶりの改良で“アドバンスト”モデルに設定されていたハンズフリーパワートランクリッド、イージークローザー、カラーヘッドアップディスプレイなどが標準化され、グレード体系が「RS」、「Z」、「G」、「X」に集約。新設された「Z」には従来「RS」にしか設定のなかった上級安全装備やハイグレードナビを装備したほか、後席快適オプションを選択可能としている。また、ドアパネル、インパネ、センターコンソールボックスにソフトパッドを追加するなど、インテリアの質感が高められている。
満足している点
SUVテイストを盛り上げたRSランドスケープ(特別仕様車)をラインアップしたこと。専用のオーバーフェンダーモールに18インチのオールテレインタイヤ+専用アルミホイールを装着。最低地上高も25mmアップとなり、ラフロードでの安心感を高めている。さらにトーイングヒッチを特別装備(許容牽引荷重は750kg)。リヤフォグランプやレッドのマッドガードも装備されている。
不満な点
ランドスケープはRSをベースとするため、エンジンは2.4リッターターボをベースとしたハイブリッドのみ。圧巻の動力性能は得られるものの、ハイブリッドのわりに燃費はいまひとつ。経済性にすぐれる2.5リッターハイブリッドの設定があってもよさそう。期間限定生産(2024年12月生産終了)なのも残念だ。
デザイン

3

これまでのクラウンのイメージからガラリと変わり、クロスオーバーとして生まれ変わった16代目。そんなクラウンクロスオーバーの中でもSUVテイストを高めたのがランドスケープだ。樹脂タイプのオーバーフェンダーにヨコハマ・ジオランダーA/T G015オールテレーンタイヤを装着。さらにロードクリアランスを25mm高め、赤のマッドガードを備えたスタイリングは“クラウンクロスオーバーのカスタマイズ仕様”といった仕上がり。多少違和感を覚えるものの、ただのクラウンクロスオーバーよりも目立つこと請け合い。
走行性能

4

搭載されたエンジンはRSと共通の高出力版、デュアルブーストハイブリッドのみ。フロントは2.4リッター4気筒ターボと電気モーター、リヤは電気モーターによるE-Fourアドバンストによるフルタイム4WDだ。システム最高出力349psのパフォーマンスは圧巻で、アクセルを深めに踏み込むと周囲を置き去りにするほどの速さが得られる。ハンドリングは標準仕様(21インチ)のほうがタイヤのたわみが少ないこともあってより正確性にすぐれるが、気になるほどではない。舗装路でのグリップ限界も異なってくるが、一般的なドライブでは快適性の高さのほうが印象に残るだろう。
乗り心地

5

装着されるオールテレーンタイヤは標準仕様よりも穏やかで快適。ロードノイズも抑えられており、一般道から高速クルーズまで不快な思いをせずに乗ることが出来る。室内空間も大人4人乗車には十分なスペースが確保されており、標準仕様よりも着座位置が高められているものの、相変わらず乗り降りはしやすい。
積載性

4

標準仕様は後席中央部のアームレスト部のみトランクスルー機構が備わるが、ランドスケープは背もたれが60:40分割可倒式となり、より大きく長尺な荷物の積載が可能となった。前倒しはトランク内のレバーでも行うことが可能で、アウトドアでの遊びに使うようなかさばる荷物も積みやすい。
燃費

3

WLTCモード燃費は15.7km/Lで標準仕様のRSと共通だが、2.5リッターハイブリッド(22.4km/L)と比べると少なからぬ違いがある。都内一般道+高速を使ったおよそ180km区間のオンボード上の燃費は10.8km/Lで、トヨタのハイブリッドとしては物足りない数値だ。
価格

4

ランドスケープはベースとなったクロスオーバーRSに対してわずか15万円高(685万円)の設定だが、ベースモデルに対してパワートランクリッドや先進安全装備の緊急時操舵支援、トヨタチームメイト(アドバンストパーク、アドバンストドライブ)、ドライバーモニターカメラなどは用意されない。不可解な装備省略だが、他のクロスオーバーと差別化されたモデルを求める人にとってはそれなりの商品性は見出せる。
一条 孝
一条 孝
自動車ジャーナリスト
自動車専門誌の編集&ライターとして活動後、自動車ジャーナリストとして専門誌やWeb、タブロイド紙などに寄稿。運転する楽しさを追求するとともに、環境性能やパッケージングにもこだわりを持つ。これまで保有した車の大半はFRレイアウトのマニュアル車。日本自動車ジャーナリスト協会会員
トヨタ クラウン(クロスオーバー) 新型・現行モデル

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