スズキ スペーシアカスタムハイブリッド 「見た目は好み次第。実用性は間違いなし」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

見た目は好み次第。実用性は間違いなし

2022.6.21

年式

2017年12月〜モデル

総評

室内は広いし、収納スペースも便利だし、走っていてストレスを感じにくいのもいいですね。軽自動車の販売ランキングで常に上位に入るモデルだけあって、商品性の高さは納得です。スタイリングの好みに合わせて、標準タイプのスペーシアと選び分ければいいと思います。

満足している点

広い室内スペースと燃費の良さ。このクラスの販売トップはホンダ「N-BOX」ですが、スペーシアカスタムハイブリッドの燃費はN-BOXに並んでいます。スペーシアカスタムハイブリッドは小型モーターを備えるマイルドハイブリッドですが、まるで大型モーターを組み合わせたフルハイブリッドのように燃費がいいのだから驚きますね。あと、同じグレード同士で比較するとターボエンジン搭載車が割安なのがいいと思います。

不満な点

大胆なフロントグリルのデザインは好みが分かれるところではないでしょうか。インテリアカラーはブラックのみですが、他にも明るいカラーが用意されていたら華やかでいいと思います。

デザイン

3

主張の激しいグリルなど、いわゆる“オラオラ系”ではありますが、このグリルが好きかどうかで評価は大きく変わってくると思います。そもそも「スペーシアカスタム」は「スペーシア」の上級＆エアロ版ということで、メッキの加飾が多くてキラキラ感が演出されています。この雰囲気が好きかどうかですべてが決まります。

走行性能

3

ターボエンジンと自然吸気（ターボなし）エンジンでは動力性能が全く違います。オススメはもちろんターボエンジン。スペーシアカスタムハイブリッドのようなスーパーハイトワゴンは車両重量がかさみがちなので、ターボエンジンの力強さが運転を楽にしてくれるからです。全車にマイルドハイブリッドシステムを搭載していますが、運転していてモーターの存在は感じられません。ブースター的にトルクを増すというよりは、燃費向上のため縁の下の力持ちに徹しているからでしょう。

乗り心地

3

横幅が狭くて重心の高い車体を支えるサスペンションながら、乗り心地を悪くするようなセッティングではありません。特筆すべきは後席の広さ。スズキでいえば「スイフト」のようなハッチバックのコンパクトカーを遥かにしのぐ広さがあり、その開放感も感動的。そんな後席は厳密にいえばホンダN-BOXや日産ルークスといったライバルよりも気持ち狭いのですが、大きな差ではないのでどれに乗っても「広いなあ」と感じます。

積載性

3

はっきり言って広さ自慢ではありません。ただし、後席はスライドも床下への格納も左右独立で行えることでレイアウトのバリエーションが幅広く、状況に応じてアレンジできるのが魅力。シート格納時は床下へ綺麗に収まるので、自転車なども積みやすいです。さらに長い荷物を積みたい場合は、助手席の座面を跳ね上げたうえで背もたれを前へ倒すことで、約2.5mの長尺物が積めるのは便利ですね。

燃費

5

自然吸気エンジンもターボエンジンも、郊外でおとなしく乗れば15km/Lを超える省燃費はさすが。ターボエンジンは燃費の悪さを心配する人もいるかもしれませんが、カタログに記載されているWLTCモード燃費をターボなしエンジンと比べればわかるように、差はほとんどありません。実際の走りでは、ターボのほうが燃費がいいこともあるほどです。なので、オススメは走りに余裕のあるターボです。

価格

4

ベーシックな「HYBRID GS」でも160万円を超えるなど、価格帯は軽自動車のなかでも高め。スペーシアの中でも上位タイプとなるだけあって「HYBRID GS」でも先進安全機能、LEDヘッドランプ、助手席側の電動スライドドア、オートエアコン、アルミホイール、非接触キーと装備は充実しています。「HYBRID XS」以上になると助手席側の電動スライドドアや15インチタイヤ、本革巻きステアリングホイールも加わります。ただし、ターボエンジンが載る「HYBRID XSターボ」との差額が約7万円しかないことを考えると、「HYBRID XSターボ」のコストパフォーマンスの高さが光ります。