スズキ スペーシア 「独自の後席座面アイデアが面白い」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

工藤 貴宏
工藤 貴宏(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

4

デザイン
3
走行性能
3
乗り心地
4
積載性
3
燃費
5
価格
3

独自の後席座面アイデアが面白い

2024.5.29

年式
2023年11月〜モデル
総評
車体サイズに制約のある軽自動車とは思えないほど室内(特に後席)が広いパッケージングはさすが。日常使いに最適なクルマを探している人にとっては、ホンダ「N-BOX」やダイハツ「タント」などと並んで最適なパートナーになり得ると思います。それら競合ライバルに対して「スペーシアでなければならない理由」がどこにあるかと問われると正直言って難しいところですが、間違いなくいえるのは燃費がライバルをリードしていること。あと、リヤシート座面に組み込んだ「マルチユースフラップ」というアイデアはライバルにない便利なものですね。
満足している点
室内(特に後席)の広さ、乗り降りのしやすさ、運転のしやすさ……などは特筆すべきポイントですが、言ってしまえばどれもライバルだって同様。そのうえでスペーシアがライバルをリードする美点と言えるのは、燃費のよさでしょう。加えて、新型になって採用された後席座面の仕掛け「マルチユースフラップ」はライバルにない独自装備で、後席座面に荷物を置く際のストッパーになったり、座る際にはオットマンとして快適性に寄与したりとライバルに差をつけます。
不満な点
これといって不満はないのですが、自然吸気エンジン車だとちょっと力不足を感じますね。バイパスや高速道路への合流、峠道の上りなどでつらい状況もあります。なのでオススメはターボエンジン搭載車。ただ、ターボエンジン搭載車は上級グレードしか選べないので絶対的な価格が高くなりがちなのがつらいところ。
デザイン

3

スペーシアは「スーパーハイトワゴン」というジャンルでライバルも多く存在します。そして各車とも、パッケージングが似通っているので差別化は難しいんだろうなというのが伝わってきますね。そんななか、スペーシアは明るい雰囲気があっていいと思います。ただ、ある程度の年齢以上の男性が乗るには似合わないかも……。カスタムも昔ほど尖ってなくて「ちょっとクールな上級仕様」くらいの雰囲気でこちらもアリですね。カスタムなら年配の男性も似合うような気がします。
走行性能

3

全長や全幅が大きくない割に背の高いパッケージングなので運動性能は不利なのですが……普通に乗っている限りそれを感じにくいのは、ある意味すごいことなのではないかと思います。2008年にスペーシアの前身となる「パレット」がデビューしたときは、ライバルも含めて旋回時の挙動が不安定でしたからね。あの頃に比べると、最新のスーパーハイトワゴンは本当に走行安定性のレベルが高まったなあと運転していて実感します。横風には弱いですけどね。「不満な点」でも書きましたが、自然吸気エンジンはパワー不足を感じることがあるのでオススメはターボエンジンです。
乗り心地

4

ライバルに比べて「乗り心地が硬い」という声もあるようですが、個人的にはそうは感じませんね。それよりも足元がゆったりとしている後席の居住性の高さに驚くばかり。ただ、FFに比べると4WDは荒れた道での突き上げ感がちょっと大きめに感じられるような気がします(そう大きな違いではないですが)。
積載性

3

車体の長さに制約のある軽自動車で室内の広さを重視したパッケージングですから、広い荷物室を期待してはいけません。後席を最も後ろにスライドした状態だと、機内持ち込みサイズのスーツケースがなんとか2個積めるか……といったところです(背もたれを立てれば大型スースケースも積める)。ただ、リヤシートを前方にスライドすれば大人が普通に座れるスペースを保ちつつ荷室奥行きもそれなりに広がるので、そういうアレンジ幅の広さは安心材料ですね。
燃費

5

もっとも燃費に優れるグレード「HYBRID G」の2WDモデル(自然吸気エンジン搭載)のWLTCモード燃費は25.1km/Lとかなり良好。これはライバルの中でトップの実力であり、実燃費でも郊外路なら20km/Lを超える実力でちょっと驚くほどです。筆者おススメのターボに関して「ターボは燃費が悪いから」という人もいるかもしれませんが、WLTCモード21.9km/Lとまずまずのカタログ記載値のうえに、実際の走りでは状況によって自然吸気エンジンを超えたりするのが面白いところ。
価格

3

もっともベーシックなタイプで約150万円から。昔の軽自動車に比べるとどんどん上がっていますが、快適装備のレベルも上がり、先進安全装備も標準搭載なのだから仕方がないところですかね。ターボエンジン搭載車は上級タイプの「カスタム」にしか設定がなく、200万円オーバー。同じ装備グレードであればターボの有無による価格差は10万円にも満たないので、わずかな金額なのですが……。
工藤 貴宏
工藤 貴宏
自動車ジャーナリスト
1976年生まれ。クルマ好きが高じ、大学在学中に自動車雑誌の編集部でアルバイトしたことをきっかけに、そのまま就職。そして編集プロダクションを経てフリーランスの自動車ライターに。日々新車を試乗し、日夜レポートを書く日々も気がつけば10年以上。そろそろ、家族に内緒でスポーツカーを買う癖はなんとかしないと。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
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