ルノー セニック 「ON/OFFの良いとこ取りの万能車」のユーザーレビュー

ON/OFFの良いとこ取りの万能車

2020.4.29

総評

２台合わせて335,000km走行しましたが、ある程度のオフロード走行を目的とした車の中で、これほど4WDのネガを感じさせないクルマは他に知りません。

リヤの中央シートの幅が多少狭いのですが、チャイルドシートを３脚列べて取り付けられます。

リヤの中央シートに積極的に座りたくなる、数少ないクルマのうちのひとつです。

ボディーを取り巻くプロテクターパネルがとても有効です。
またスタイリングも秀逸で、ノーマルのセニックに対し、4WDのポテンシャルを上手に視覚化しています。
リヤゲートのスペアタイヤカバーの処理などは特筆ものです。

普段使いにも、週末のアウトドア活動にも、またちょっとした荷物の運搬にも使える万能車で、アクティブなファミリーにはひったりの車です。

欲を言えば、左ハンドルだったら色んな点で不整合が生まれず最高のクルマです。

満足している点

日常の使い勝手に優れています。
トレードオフとなる事柄が見つからないほど、不自由の無い車です。
２台続けて買うだけの価値ありです。

大人二人と子供３人（ジュニアシート、チャイルドシート、ベビーシートの組み合わせ）＋かなりの荷物も難なく載せられます。

総重量750kgのカーゴトレーラーを不自由なく牽く能力を備えています。

積雪量60cm位の新雪なら、除雪無しでの走行が可能です。
バンパーやスキッドプレートの形状が適切なため、車体下に押しつぶして行く雪と、ボンネット上並びに左右に押しのけて行く雪の量のバランスが良く、亀の子にならずにラッセルして走れます。

意図せずして、お寺の石段を何事も無く駆け下りました。(^Д^)

リヤシートのアレンジが自在です。
背もたれを前に倒すと、トノーボードとの併用で真っ平らなスペースが出来ます。
また、ダブルホールディングによって、高さ共に充分な広さになります。
それでも足りなければ、簡単にシートの取り外しができます。

不満な点

右ハンドル化の悪影響で雨仕舞いが悪く、フロントウインドウから流れ落ちた水で３、４番プラグホールが水没します。

水漏れの箇所は特定できませんが、荷室下の工具スペースが水没します。

樹脂製のリヤゲートが良く割れます。
割れていない個体に巡り会うことの方が少ないです。

タイヤの大径化に伴う、ギヤ比とブレーキ能力の見直しがされていないようです。
不整地をそろりそろりと走るためのトルクが不足し、またブレーキの制動力も不足気味で、乾燥した舗装路でロックさせるまで効かせることは容易ではありません。（ただし、雪道や凍結路ではデリケートなコントロールが出来ます）

デザイン

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走行性能

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高めの車高にもかかわらず、ゆっくりとしたロールスピードで高い旋回性を示します。

駆動抵抗の大きさを補うだけのトルクは不足気味です。

乗り心地

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最初の印象は、「2CVを大きくゆったりとさせたみたい」でしたが、今でもそれは変わりません。

自然石（面を滑らかに加工していない）の石畳を、なめるように走ることが出来ます。

積載性

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満足している点にも書いていますが、巧みなシートアレンジのおかげで、およそ「乗用車で運ぼう」と考えられるものなら何でも行けそうなほど優れています。

燃費

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山坂道を普段使いする情況で10km/ℓを割り込むことはほとんどありません。

しかし、駆動抵抗や空力特性の悪さから、高速をおとなしく巡航しても14km/ℓがやっとです。

価格

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故障経験

クランク角センサーの接触不良は、この時代のルノー車のアキレス腱です。

窓落ちも構成素材の関係上お約束ですね。

タイベルよりも早く劣化するプーリーには注意が必要です。

フロントロワアームのボールジョイントもアキレス腱です。10万キロ毎の交換が必要になります。